yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

能・狂言

浦田保親師のシテ・景清に感涙した!能『景清』in「浦田定期能公演 浦田保利十三回忌追善公演」@京都観世会館7月22日

能及び歌舞伎の『俊寛』を思わせる現在能。後場に亡霊が出て来て過去の自身への晴れることのない想いを語り舞うという「夢幻能」よりも現代劇に近い感じがするのは、観客が舞台の時間を同時的に共有できるからだろう。だから夢幻能よりもドラマチックな時間…

8月の観劇予定

夏といえば歌舞伎。8月は東京遠征を考えていたけれど断念。8日まで五輪、その後(今のところ)パラ開催らしいので、感染者爆増の中、それも変異ウイルス混合体が生まれる可能性のある真っ只中に行く気はしない。 しかし無念。特に猿之助が岩藤を演じる『加賀…

橋本忠樹師シテの能『阿漕』in 「片山定期能7月公演」@京都観世会館 7月4日

素晴らしいシテだった。キビキビと若々しくて、それでいてどこか翳りがにじみ出る演技に唸った。動きのキレがみごとで、見ほれた。以下が当日の演者一覧である。 前シテ 浦の老人 橋本忠樹 後シテ 漁師の霊 橋本忠樹 ワキ 日向国の男 有松遼一 アイ 浦の男 …

七月観劇予定

文楽は「夏休み文楽特別公演」の第一部、第二部、第三部を観劇予定。どの部もすごいことになりそうな予感。個人的には「うつぼ猿」の藤太夫、「生写朝顔話」の呂勢太夫、そして三味線の若手勢に注目している。配役表を見ると、太夫、三味線、人形ともに、若…

これを見逃す手はありません−−「能楽チャリティ公演 ~祈りよとどけ、京都より~」@ロームシアタアー京都 8月25日(水)

京都観世会による恒例のロームシアタアー京都でのチャリティ公演である。チケットは6月1日より発売開始されている。全席自由席で1500円。早速昼の部を購入した。夜の部のハイライトは片山九郎右衛門師が後シテをされる『鞍馬天狗』で、見たいのは山々だけれ…

6月観劇予定

ここ2ヶ月余り苦しめられた腰痛、ひところ「もう歩けないのかも」と絶望したりしたのだけれど、やっと元どおりになる目処がついた。で、観劇再開。ただ、コロナ禍の下で出歩くことはままならない。だからできるだけ控えめの観劇になるだろう、それも近場の…

浦田保親師の仕舞「嵐山」 in 「春の素謡と仕舞の会」@京都観世会館 3月14日

浦田保親師の仕舞「嵐山」は蔵王権現の舞とのことで、華やぎと雄々しさとが一体となっていた。浦田師は昨年配信された「<きょうの能楽師>仕舞編」#10」ででも同曲を舞っておられる。YouTubeサイトをリンクしておく。 www.youtube.com 詞章を度々引用させ…

素謡『屋島』in「春の素謡と仕舞の会」@京都観世会館 3月14日

歌舞伎が描く義経は英雄としての勇姿であることが多いけれど、能『屋島』の義経は修羅道に堕ちた姿で登場する。成仏が叶わず、底なしの煩悩に苦しむ義経である。さすが世阿弥、その武勇を背に雄々しく登場する義経ではなく、まさにその逆の義経像を立ち上げ…

4月観劇予定

近畿圏は「非常事態宣言」が解除された。しかし、未だ解禁とは程遠い演劇界公演。ワクチン接種による一日も早い完全解禁が待たれる。 心をとりなおして、来月の観劇予定をアップさせていただく。 まず「劇団荒城」。総座長真吾さんが3月公演を他劇団に譲られ…

熊野の母への思慕の念が切々と胸を打つ片山九郎右衛門師シテの能『熊野』in 「京都観世会三月例会」代替公演@京都観世会館 7月11日

昨年の例会公演のほとんどが代替公演、しかも抽選によるものだった。これは見事にハズレ。諦めていたら、後日チケットをDVDと引き換えてくださった。本舞台を見たかったのはやまやまではあるけれど、ゆっくりと確認しながら観賞できる録画も悪くないかもしれ…

浦田保親師の優雅さが匂いたった復曲能『吉野琴』@京都観世会館 2月28日

作者は世阿弥の子、元雅。後場の「天女の舞は近江犬王の曲舞を大和に導入したもの」だという。曲舞は元々は大和猿楽にはなかったのを、その優雅さと面白さに感銘を受けた観阿弥、世阿弥が導入したものである。白拍子の系譜を引くもので、女性が男装で舞うと…

3月観劇予定

緊急事態宣言」の下、2月までは条件付きでの開催だった能公演、3月はだいぶん緩和されると予想している。実際に物理的条件の緩和が公演数増加になって現れている。 まず、「京都観世会の素謡と仕舞の会」での素謡3本の内、梅若実師が『檜垣』を、林宗一郎師…

テーマ「風(ふう)と色」という着眼が面白いin「TTR能プロジェクト 企画公演」@神戸湊川神社神能殿 2月20日

小鼓の成田達志師と大鼓の山本哲也師が企画・運営する「TTR能プロジェクト」、何回か見てきているけれど、今回のものが最も面白かった。主たる演者は京都勢、そこに大阪から大槻裕一さんが加わっている。上方というと大阪をさしてしまうけれど、こちらは上方…

林宗一郎師の舞囃子「高砂 八段の舞」in「TTR能プロジェクト企画公演 『風と色』」@神戸湊川神社神能殿 2月20日

二年前の大連吟で謡った「高砂」。思わず謡に同調してしまう。身体も共動してしまう。ウキウキ感が半端ない。神を言祝ぎ、天下泰平、五穀豊穣を祈る曲である。今まさに必要な曲と言ってもいいかもしれない。訳もなく嬉しくなり、全身高揚感に満ちてくる。と…

片山九郎右衛門師の舞囃子「砧」in「TTR能プロジェクト企画公演 『風と色』」@神戸湊川神社神能殿 2月20日

九郎右衛門師の姿が、とにかく美しい。感情移入を極力避けて、表情もおさえぎみで、ただ形、型でシテの深い恨みと悲しみを表現することに徹しておられた。もっとも面も装束も着けない舞であれば、エッセンスのみを抽出して舞うのは自然かもしれない。 見てい…

素謡『安達原』in「保親浦声会」(浦田保親師社中会)@京都観世会館 2月14日

久々の京都観世会館。わけもなくうれしかった。 午前10時に始まり午後6時に終了予定の浦田保親師の社中会、私は12時頃に観世会館に到着、午後5時すぎに退出した。最後まで居たかったのだけれど、長丁場と夜公演に耐える自信が最近とみになくなっている。ただ…

市川雷蔵の冨樫 in 武智鉄二演出『勧進帳』@日生劇場 1964年1月

配役・スタッフは以下(by 「歌舞伎データベース」)。 配役 武蔵坊弁慶 = 坂東鶴之助(4代目) 源判官義経 = 市川猿之助(3代目) 富樫左衛門 = 市川雷蔵(8代目) 亀井六郎 = 市川団子(4代目) 片岡八郎 = 中村太郎(2代目) 駿河次郎 = 澤村六郎(2代目) 常陸坊海尊…

観世清和師シテの『葛城』in「京都観世会1月例会」@京都観世会館 1月10日

この日の演者は以下。 シテ 葛城山の女 観世清和 葛城明神 ワキ 旅の山伏 福王茂十郎 ツレ 山伏 是川正彦 山伏 中村宜成 アイ 里人 松本 薫 小鼓 大倉源次郎 大鼓 河村 大 太鼓 前川光長 笛 杉 市和 後見 林宗一郎 杉浦豊彦 地謡 河村和晃 大江泰正 深野貴彦…

謡本百冊を入手!

それもメルカリで。おそらくは故人の遺品整理をされていた方の出品だと思う。たまたまスキムしていた折に発見。これも何かの縁と感じて注文。実際にこの数の謡本が一挙に届いた折には、ただただ感激した。 主要な謡曲を網羅しているわけではないけれど、恐ら…

大江又三郎師シテの古式ゆかしい能『鶴亀』in「京都観世会1月例会」@京都観世会館 1月10日

一つ前の記事に引用した「銕仙会」能楽事典の『翁』に以下のような解説があった。 この(『翁』の)直後に引き続いて能が演じられる場合、囃子方や地謡は舞台に残り、そのまま能を始めます。この形式を「翁附(おきなつき)」といい、きわめて祝言性の高い、…

片山九郎右衛門師がシテの能『翁』in「京都観世会1月例会」@京都観世会館 1月10日

昨年の1月例会の『翁』は観世流宗家の観世清和師が翁、千載は大江広祐師、三番三は茂山茂師のお三方。小鼓の頭取は大倉源次郎師、大鼓、石井保彦師、笛、森田保美師、太鼓、前川光範師だった。このブログ記事にしている。 さて本年の『翁」、まず演者一覧を…

羽生結弦選手の一貫したテーマを結晶させた『天と地と』in「フィギュアスケート全日本選手権男子フリー」@長野市スポーツアリーナ・ビッグハット 12月26日

今回のフリーの『天と地と』は、以下の2つが達成されていた点で、羽生結弦選手の今までの集大成だと感じた。 1.「天と地」は羽生結弦選手の演技を貫くテーマ 2. 和/洋のアマルガムが軸 1.「天と地」は羽生結弦選手の演技を貫くテーマ (1) 『天と地のレクイ…

復曲能『篁』プレ公演 @京都観世会館12月23日

この曲については先月(11月)7日の「奈良しば能」で西野春雄氏が言及されていた。この「しば能」で演じられた『高安』も西野春雄氏監修での復曲上演で、演能前の解説が非常に丁寧で、しかもわくわくするほどおもしろかった。今回も演能前に十分程度の解説を…

シテとツレの駆け引きが印象的だった井上裕久師と大江泰正師の能『通小町』in「京都観世会十二月例会」@京都観世会館 12月20日第二部

この京都観世会の納会は二部構成になっていて、コロナ禍での例会公演に倣い、応募して当選した人だけ「観劇権」を確保できるようになっていた。しかもすでにチケットを持っている人だけが応募できる。今回はラッキーなことに、一部、二部ともに当選だった。…

浦田保親師、浦田保浩師、そして林宗一郎師の仕舞三番が凛々しくも美しかった「杉浦定期能」@京都観世会館12月19日

前日の「petit能」と、翌日の京都観世会例会に挟まれたこの日、体調が思わしくなかったし、コロナ感染が心配だったので直前まで迷いに迷った末、出かけた。前売り券を持っていたこともある。でもやめるべきだったと後悔している。 能『清経』は以前に林宗一…

「冷えたる美」の具現化がみごとだった味方玄師シテの能『龍田 移神楽』in「京都観世会十二月例会 納会」@京都観世会館12月20日第一部

以前にも京都観世会で3回ばかり『龍田』を見ている。直近は昨年9月の河村浩太郎師シテの「林定期能」公演。若々しい演者と華やかな衣装がビジュアル度の高い舞台を創り上げていた。当ブログ記事にしている。 www.yoshiepen.net 昨日の京都観世会納会のチラ…

林宗一郎師の鮮やかな糸さばきに見惚れた能 『土蜘蛛』 in「KYOTO de petit 能」@京都観世会館12月18日

文化庁主催、京都府と京都市教育委員会後援の企画。「90分で能観劇」3回シリーズの第一回公演。人間国宝の大倉源次郎師がサポートされた公演だと公演前の大倉源次郎師のお話から推察している。文化庁が京都に移転する本年、2020年、コロナもあって遅れてい…

ポストモダン的終幕が心に残る片山伸吾師シテの『野守』in 「片山定期能 4月公演」(延期公演)@京都観世会館 12月13日

印象に強く残ったのが終幕部。想いを断じるかのような唐突ともいえる終わり方。度肝を抜かれた。さすが世阿弥、こういうまるでポストモダンを思わせる終止符の打ち方をやってのけたんですね。心底、打たれました。降参です。まさに時代の先を行っていた世阿…

アンドロジナス的杜若の精が素晴らしかった片山九郎右衛門師の『杜若 恋の舞』in 「片山定期能4月公演(延期公演)」@京都観世会館 12 月13日

橋掛かりに登場したそのときから、常より一層際立った圧倒的存在感のあるシテ、片山九郎右衛門師。あの有名な業平の歌、「唐ころも、着つつ馴れにし妻しあれば、はるばる来ぬる旅をしぞ思う」を吟じる。これは「カキツバタ」を句に読み込んだもの。里女とは…

舞踊家 伊藤道郎の先見性 「異国と格闘した日本人~舞踊家 伊藤道郎」(プレミアムカフェ 2007年)

先日の再(再)放送を録画していた。それも今年の7月だったかに放送のもの。おそらく反響が大きくて、さらに再放送になったと思われる。その内容を引用する。 ハイビジョン特集 異国と格闘した日本人芸術家 夢なしにはいられない君 ~舞踊家 伊藤道郎の生涯…