yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

能・狂言

吉田篤史師シテの能『鵜飼』in 「京都観世会六月例会」@京都観世会館6月23日

この日の公演は能3本、狂言1本という過密なものだった。11時に始まり、終わったのが5時前。例会は大抵このスケジュールで、演者の方々は疲労困憊されていることと思う。実力と華で日本一の能楽師の方々を擁する京都観世会。彼らの充実した舞台を見せていた…

河村晴久師=深草少将と味方團師=小町の息詰まるドラマ in 「京都観世会六月例会」@京都観世会館6月23日

この日の演者一覧は以下。 シテ(深草少将の怨霊)河村晴久 ツレ(里女・小町) 味方團 ワキ(旅僧) 江崎正左衛門 笛 左鴻康弘 小鼓 吉阪一郎 大鼓 河村大 後見 杉浦豊彦 吉浪壽晃 地謡 樹下千慧 大江広祐 深野貴彦 田茂井廣道 片山伸吾 河村博重 河村和重 …

浅見真州師シテの能『隅田川』の完成度の高さin「京都観世会六月例会」@京都観世会館6月23日

録画で見たパリ公演の浅見真州師シテ『砧』も素晴らしかったけれど、この『隅田川』も感動のあまり、我を忘れてしまうほどだった。完成度の高さでは類を見ないと思う。 それでいて、「どうだ!」という自己顕示欲を感じない。役に深く入り込み、同一化してい…

能『熊坂』と『朝長』、さらに『烏帽子折』の舞台となった美濃の青墓と赤坂

先日、大盗賊、熊坂長範が牛若丸に討たれるという内容の能『熊坂』を見たのだけれど、その舞台が美濃国赤坂宿であり、能『朝長』の舞台となった美濃国青墓とは非常に近く、車だと6、7分であることを知った。ソースは『日本芸能史2 古代—中世』(法政大学出…

橋本擴三郎師シテの能『熊坂 替之型』in 「井上定期能 六月公演」@京都観世会館6月15日

一昨年のちょうど6月にも橋本擴三郎師シテの能を見て記事にしている。 演目は『邯鄲』だった。 www.yoshiepen.net その舞台も良かったけれど、この日の『熊坂』も良かった。演者一覧は以下。 シテ(赤坂宿の僧・熊坂長範の霊)橋本擴三郎 ワキ(旅の僧) 岡…

絶句ものだった片山九郎右衛門師の舞囃子「邯鄲」in 「大倉流祖先祭」@大槻能楽堂 6月4日

舞台を縦横無尽に舞い回る動きが多く、力強くダイナミックな舞台だった。しかも、そのモーション一つ一つが勁かった。私の位置からは九郎右衛門師のつま先を上げた白足袋の裏が冴え冴えとよく見えた。すすっと前に出て、さっと回転、またすすっと進まれる。…

味方玄師の舞囃子「自然居士」in 「大倉流祖先祭 大槻能楽堂に感謝を込めて」@大槻能楽堂 6月4日

この会は、能の小鼓方、人間国宝の大倉源次郎師のお社中会、つまりお弟子さん方の発表会。とはいうものの、京都、大阪のトップ能楽師の方々が謡、仕舞、舞囃子、でお弟子さんたちをサポートされる。また、源次郎師も終始お弟子さんの背後に付いておられた。…

梅田嘉宏師シテの能『賀茂』in「京都観世会五月@京都観世会館 5月26日

若々しいシテとシテツレで下鴨神社所縁の『賀茂』を 演者一覧 作品解説及び構成 御手洗川に流れてきた矢の由来 末社の神(アイ)の三段ノ舞 天女舞 後シテの五穀豊饒を祝福する「舞働」 舞のオンパレード 観客の多さがうれしい 若々しいシテとシテツレで下鴨…

橋本雅夫師シテの能『藤戸 蹉跎之伝』in「京都観世会五月例会」@京都観世会館 5 月26日

作者は元雅? 『藤戸』解説 演者一覧 シテの橋本雅夫師 お囃子方 『藤戸』の魅力 作者は元雅? 能『藤戸』は、その一見理不尽なストーリー展開で、屹立しているように感じる。作風から世阿弥の息子、元雅の可能性が高いという。納得である。親子間の悲劇を描…

ハコビが美しかった林宗一郎師の『吉野天人』in 「糺能」@下鴨神社5月20 日

『吉野天人」はどんな能? 大和猿楽由来の糺能を下鴨神社で 『吉野天人』での演者たち 『吉野天人」はどんな能? 「吉野天人」、仕舞としては何度となく見ている。つい先日4月には、「林喜右衛門 三回忌追善 林松響会 春の大会」での、舞囃子「吉野天人 天人…

厳かだった「奉祝御大礼 糺能」@下鴨神社 5月20日

厳かではあったけれど、どこかゆったりしていた「糺能」。初めての参加だったが、来てよかった。清新な令和の御代にふさわしい、清々しい出しものだった。平安神宮の薪能のような、関係要人の挨拶がないのもよかった。途中雨がかなりきつくなってはきたけれ…

林宗一郎師の番外仕舞「隅田川」in 「青嵐会」(河村晴道師社中会)@京都観世会館 5月18日

河村晴道師の社中会での林宗一郎師の仕舞「隅田川」が胸に堪えた。手を顔にかざしてのシオリの所作がとくに心に響いた。嘆きだけではなく、祈りも加味されていて、しみじみと悲しかった。その詞章部分が以下である。 我もまた、いざ言問はん都鳥、いざ言問は…

爽やかで初々しかっただった大江広祐師シテの『芦刈』 in「大江定期能」5月6日

当日の朝、宅急便が午前中に届く予定だったので、間に合うように家を出ることができなかった。到着したのは開始40分後。以前に舞囃子で何回か見ていた「笠之段」部は見逃してしまった。それでも、見応えが十分すぎるくらいあった。特にシテを演じられた大江…

浅見真州師の仕舞「花筐 in 「耕三の会」@大槻能楽堂 5月4日

楽しみにしていた浅見真州師の「花筐」。予想通りというか、それ以上に見応えがあった。能『花筐』のクルイ部の仕舞。以下が演者。 シテ 浅見真州 地謡 浅見慈一 上野雄介 小島英明 小早川泰輝 片山九郎右衛門師の仕舞でも一昨年に拝見している。こちらも素…

観世寿夫師が透けて見えた浅見真州師の能『砧』@パリ市「シテ・ド・ラ・ミュージック」2019年2月8日 NHK eテレ2019年4月27日放映

浅見真州師のシテの哀しみが切々と迫ってきた。自然と涙が溢れた。世阿弥作だという。さすがの詞、そして構成である。 以下、NHKのサイトから。 パリで行われた能楽公演から、世阿弥の屈指の名作、能「砧(きぬた)」(観世流)をお送りする。出演:浅見真州…

橋本光史師シテの能『船橋』in 「京都観世会四月例会」@京都観世会館4月28日

京都観世会の例会は能が三本入っている。この日は『歌占』、『熊野』、そしてこの『船橋』だった。『船橋』が強く印象に残ったのは、これが初見だったことと、演者が(おそらく)三人の内、もっともお若く勢いがあったからだろう。 以下が演者一覧。 シテ(…

林宗一郎師の能『善知鳥(うとう)』in「林定期能」@京都観世会館 4月27日

救いのない業の深さを描いてみごとだった。祈りも鎮魂の念も猟師を救うことはできない。この絶望感。 見終わったあと、常なら舞い終わったシテの姿にほっとし、緊張が解けるところであるけれど、そうはならなかった。うちに籠められたエネルギーが放出されず…

親子連れ舞いが素敵だった舞囃子「吉野天人」in 「林喜右衛門三回忌追善 林松響会 春の大会」@京都観世会館 4月14日

林宗一郎師のお社中会。一昨年8月に亡くなられたお父上の追善公演でもある。正規の追善公演は、7月6日に京都観世会館で催されるとのこと。 当社中会は、お弟子さんたちのレベルが高かったのが印象的。でもなんといっても宗一郎師とお嬢さんお二人——彩子さん…

天女降臨『羽衣〜和合之舞〜』in 「堺能楽会館創設五十周年記念公演」@堺能楽会館 4月21日

堺能楽会館来歴 三人の人間国宝の出演 演者と解説 たおやかな天女 「東遊びの数々に」 白龍の喪失感 堺能楽会館来歴 開演前に能楽堂のオーナーである米田氏より、堺能楽会館の来歴の解説があった。当時、米田氏のご兄弟、五人が観世流を習っておられたため、…

『海士』 in 「京都 大阪 青嶂会」(味方玄師社中会)@京都観世会館 3月21日

今更の先月の観劇記事。やっとアップできた。 味方玄師と弟さんの味方團師のお社中会はこの2年間のあいだ、京都、東京と寄せていただいているけれど、いつもそのレベルの高さに感じ入る。また、社中会の人数の多さ!東西の(「福井青嶂会」も入る)これほど…

5月観劇予定

能公演ではまず、「京都観世会例会」。番組は能が梅田嘉宏師シテの『賀茂』、河村和重師シテの『夕顔』、橋本雅夫師シテの『藤戸』の三本、それに茂山七五三、茂山宗彦、網谷正美各師共演の狂言『文荷』が加わっている。 次に「大江定期能」公演。能は大江広…

蝶が可憐に舞っているかのようだった河村博重師の能『胡蝶』in 「京都観世会三月例会」@京都観世会館3月24日

例によって、「銕仙会」の能楽事典から曲解説を引用させていただく。 <内容> 作者 観世信光 場所 京都一条大宮 季節 春 分類 三番目物 <概要> 僧侶の一行(ワキ・ワキツレ)が京都 一条大宮に至り、由緒ありげな邸宅で梅の花を観賞していると、一人の女…

「令和」を賀ぐ

凛とした美しい元号、「令和」に決まってよかった。居住しているマンションの広報誌の4月末発行分の巻頭文が私の当番になっていたので、令和に因んだものにした。1月の担当分では「人生百年時代、観劇の薦め」なんてのを厚かましくも書いたので、その続きで…

老桜の精の優雅さ——味方玄師シテの『西行桜』@大津伝統芸能会館 4月7日

演能の前に歌人、林和清氏の「西行にとって桜とは何か」をテーマとした解説があった。「西行はなぜ出家したのか」、「西行はなぜ予言した日に死ぬことができたのか」をめぐっての解説はとてもわかりやすく、有意義だった。西行(1118-1190) という人への興味…

梅若実師の『羽衣』in 「第九回和のしらべ 武家の式楽 宮中の式楽」@湊川神社神能殿 3月2日

この催し、「武家の式楽 宮中の式楽」の最後が梅若実師の『羽衣』だった。以下が演者一覧。 シテ 梅若 実 ワキ 福王茂十郎 福王知登 喜多雅人 笛 貞光訓義 小鼓 成田達志 大鼓 山本哲也 太鼓 上田慎也 地謡 上田貴弘 上田拓司 吉井基晴 上田大介 藤谷音彌 林…

雅楽と能の関係が理解できた「第9回 和のしらべ『新しき御代を寿ぐ 武家の式楽~宮中の式楽』」@湊川神社 神能殿 3月2日

「阪神能楽囃子連盟 調和会」の主催で、とても面白い内容だった。宮中の式楽である雅楽、武家の式楽である能、この二つの式楽を組み合わせて舞台に乗せ、比較するという試み。雅楽では天王寺楽所の演奏する「萬歳楽」が披露され、能では梅若実師による『羽衣…

林宗一郎師の舞囃子「逆矛(さかほこ)」in 「第九回 和のしらべ 武家の式楽 宮中の式楽」@湊川神社神能殿 3月2日

演者一覧 能『逆矛』はどんな能? 林宗一郎師シテの舞囃子 京都薪能での半能「逆矛」 演者一覧 当日の演者一覧は以下。 シテ 林宗一郎 大鼓 辻芳昭 小鼓 久田舜一郎 太鼓 上田悟 笛 斉藤敦 地謡 笠田祐樹 上田大介 吉井基晴 林本大 能『逆矛』はどんな能? …

紫式部の苦悩が狂おしく迫る杉浦豊彦師の能『源氏供養』in 「京都観世会二月例会」@京都観世会館2月24日

紫式部の書き手としての苦悩を描く『源氏供養』 『源氏供養』概要と演者一覧 「虚構と美辞麗句」からなる物語からの解脱は成功したか 懊悩を演じる杉浦豊彦師が見事 紫式部の書き手としての苦悩を描く『源氏供養』 一つ前の能『弱法師』では、親子の情に「妥…

味方玄師の品が舞台を圧倒した『弱法師』in 「京都観世会二月例会」@京都観世会館2 月24日

乞丐人として放浪する弱法師 盲目の弱法師を演じる味方玄師の品格 父高安の世俗 vs. 弱法師の聖性の対比 乞丐人として放浪する弱法師 親に捨てられた悲しみのあまり盲目になり、乞丐人として放浪している弱法師。社会の最下層に堕ちたにもかかわらず、品性は…

河村和晃師シテの能『国栖』in「林定期能」@京都観世会館 2月16日

若々しい舞台 演者一覧 能『国栖』のあらすじ 吉野に残る国栖伝説を採り入れた猿楽『国栖』 観阿弥・世阿弥以前のドラマチックな猿楽の姿を残す 若々しい舞台 この日の舞台は、何よりもその若々しさとみずみずしさで際立っていた。シテの河村和晃師、ツレの…