yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

児太郎

『本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)』in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座12月4日夜の部

随分以前に「俳優祭」での上演があったらしいが(データベースには載っていなかった)、この『白雪姫』はそれとは違った形、内容になっているようである。玉三郎が中心となって、グリム原作を下敷きに歌舞伎にしたということ。竹柴潤一、脚本坂東玉三郎 補綴…

12月観劇予定

歌舞伎は歌舞伎座の昼・夜と国立劇場の両方を見る予定。 歌舞伎座の昼の部の『たぬき』、児太郎と中車の組み合わせはまさにツボ。一昨年の『弥次喜多』での夫婦の再来である。児太郎の妾お染がどんな女になるのか、見る前から想像をたくましくしている。もの…

玉三郎・児太郎の舞踊劇「二人静」in「芸術祭十月大歌舞伎」@歌舞伎座 10月21日夜の部

以下に「歌舞伎美人」からの配役、みどころをお借りする。 静御前の霊 玉三郎 若菜摘 児太郎 神職 彦三郎 みどころ 現し世と常世の交わる幻想的な舞 若菜摘が、吉野勝手神社の神職に遣わされて、若菜川で若菜をつんでいます。そこに一人の女が現れ、自らの供…

七之助=政岡の身体に注目『伽羅先代萩』in 「八月納涼歌舞伎」@歌舞伎座 8月15日第一部

「御殿」と「床下」のみだったけれど、『先代萩』のキモの部分はしっかりと伝わってきた。逆に人物の対立構図がくっきりと明確になって、初めて見る人にもわかりやすかったのでは。 七之助の政岡は、私が今まで見てきた政岡の中で最も説得力がある政岡だった…

「物語」のコラージュでシャレのめした猿之助・幸四郎の『東海道中膝栗毛』第四弾 in 「八月納涼歌舞伎」@歌舞伎座 8月15日第二部

第1作は実際の舞台で見て、第2作はシネマ歌舞伎で見ている。第2作は特に面白く、シネマということもあり二回も見てしまった。江戸戯作の諧謔精神に満ち満ちた作品で、随所に入れ込んだモジリ・モドキのあまりにものハマりように嵌った。第1作よりかなり…

満開の桜の森に描出される黙示録的宇宙 シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』@大阪ステーションシティシネマ 4月16日

なんという過剰!ただ、圧倒される。それが黙示録的宇宙を描出している点で、映画、『ツリー・オブ・ライフ」』を想起させた。ただ、『ツリー』の方が「静謐」に収斂するのに対し、こちらはあくまでも過剰に終始するという違いはあったけれど。 過剰な断片の…

福助・児太郎の親子共演が嬉しい「鴫立澤対面の場」in『吉例寿曽我』@歌舞伎座1月7日昼の部

配役とみどころ 児太郎の「女工藤」 「春駒」とは? 歌舞伎のお囃子方 配役とみどころ 「歌舞伎美人」からの配役とみどころを以下に。 配役 工藤奥方梛の葉 福助 曽我一万 七之助 小林妹舞鶴 児太郎 局宇佐美 梅花 八幡三郎 福之助 近江小藤太 松江 曽我箱王…

児太郎が阿古屋を演じた「阿古屋」『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』@歌舞伎座 12月23日夜の部

以下が、「歌舞伎美人」からお借りした配役とみどころ。 遊君阿古屋 遊君阿古屋 秩父庄司重忠 榛沢六郎 岩永左衛門 梅枝(4・8・12・16・22・25日) 児太郎(5・9・15・19・23日) 彦三郎 坂東亀蔵 玉三郎 目にも耳にも麗しい豪華な女方屈指の名作 平家滅亡…

勘九郎の愛嬌全開『大江山酒呑童子(おおえやましゅてんどうじ)』 in 「芸術祭十月大歌舞伎 十八世中村勘三郎追善」@歌舞伎座 10月25日

この10月公演、昼夜みた中で、これがもっとも楽しめた。ひとえに勘九郎の酒呑童子が素敵だったから。素敵としか形容できない。色気があって、めちゃくちゃ可愛く、そして怖くもおかしいこの酒呑童子を見事に描いて(踊りきって)いた。 以下に配役とみどころ…

四頭の獅子の毛ぶりが壮観「鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)」in 「秀山祭九月大歌舞伎」@歌舞伎座 9月26日千秋楽

まず、「歌舞伎美人」からの演者一覧と見どころを。 演者 更科の前実は戸隠山の鬼女 平維茂 侍女かえで 侍女ぬるで 侍女かつら 侍女もみじ 従者月郎吾 従者雪郎太 男山八幡の末社 男山八幡の末社 幸四郎 錦之助 高麗蔵 米吉 児太郎 宗之助 隼人 廣太郎 玉太…

『金閣寺』での児太郎の雪姫が思いっきりモダン in「秀山祭九月大歌舞伎」@歌舞伎座 9月26日昼の部(千秋楽)

歌舞伎公演は前日の夜の部とこの千秋楽の昼の部とを二日続けて見たのだけれど、児太郎の雪姫がもっとも見甲斐があった。女方では近年ない大ヒットだと思う。さすが東の成駒屋の継承者。 今までに雪姫を演じた女方での最右翼は、六世歌右衛門の雪姫だろう。た…

「もどき」と「もじり」でシャレのめした『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖 (とうかいどうちゅうひざくりげ こびきちょうなぞときばなし)』シネマ歌舞伎@109シネマズ箕面 9月19日

これぞ「江戸歌舞伎!」と興奮してしまった。ありとあらゆる歌舞伎のエッセンスというか、観客をたらし込む手練手管がぶち込まれた作品。染五郎(当時)と猿之助の「どうだ!」という声が聞こえてきそうだった。目一杯の歓声、手が痛くなるほどの拍手で、対…

玉三郎の「娘道成寺」へかける想いの強さがわかるシネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺」@なんばパークスシネマ1月23日

これもさほど期待しないで出かけたのだけれど、見ておいて良かった。もう一度見るつもりにしている。もっと以前の公演録画と思っていたら、なんと1年前(2016年12月)のもの。玉三郎の熱い念とそれを実現させる技の極みに圧倒される。それらを次世代に伝承…

松緑が気を吐いた『蘭平物狂(らんぺいものぐるい)』 in 「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月5日第二部

第一部から第三部までぶっ通しで見るとダウンするに違いなかったので、第一部は諦め、第二部からのチケットをとっていた。それで正解だったと思う。これでもいい加減疲れて、最後は「早く終わらないかな」なんてふとどきなことを思っていたくらいだから。以…

長谷川伸の「母恋」と共振する中車の父恋の『瞼の母』in「十二月大歌舞伎」第三部 @歌舞伎座 12月5日

今までどれほどの数の『瞼の母』を見てきたことか。勘九郎のものを見たのは2012年9月、松竹座での「勘九郎襲名興行」でだった。歌舞伎ではこれのみ。そのほかは全て大衆演劇でのもの。どれもそれぞれに味わいがあった。とはいえ、歌舞伎版よりも大衆演劇のも…

勘九郎、歌昇、児太郎の『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』in 「五月花形歌舞伎」@大阪松竹座 5月16日昼の部

「歌舞伎美人」からの配役とみどころは以下。 <配役> 浪花の次郎作 中村 勘九郎 禿たより 中村 児太郎 吾妻の与四郎 中村 歌昇 <みどころ> 時代情緒に溢れた見どころの多い人気舞踊。 菜の花畑に満開の桜が咲いた京の紫野に、浪花の次郎作と吾妻の与四郎…

「野崎村」in「五月花形歌舞伎」@大阪松竹座5月8日夜の部

「歌舞伎美人」からの配役とみどころは以下。 <配役> お光 中村 七之助 久松 中村 歌昇 お染 中村 児太郎 後家お常 坂東 竹三郎 百姓久作 坂東 彌十郎<みどころ> 切ない女心を描き出した恋物語。 野崎村の百姓久作の家では、娘のお光と養子の久松との祝…

新作歌舞伎『幻想神空海(げんそうしんくうかい)沙門空海唐の国にて鬼と宴す』in 「四月大歌舞伎」@歌舞伎座 4月8日夜の部

以下、「歌舞伎美人」から。 高野山開創一二〇〇年記念 夢枕獏 原作 戸部和久脚本 齋藤雅文演出<配役> 空海 染五郎 橘逸勢 松也 白龍 又五郎 黄鶴 彌十郎 白楽天 歌昇 廷臣馬之幕 廣太郎 牡丹 種之助 玉蓮 米吉 春琴 児太郎 劉雲樵 宗之助 楊貴妃 雀右衛門…

幸四郎検校が際立つ『不知火検校(しらぬいけんぎょう)』in 「四月大歌舞伎」@歌舞伎座 4月9日昼の部

宇野信夫作・演出、今井豊茂脚本。あの「法界坊」を連想させるので、古い歌舞伎と思っていたら、なんと宇野信夫作の新歌舞伎。そういえば「悪」の描き方がいかにも新しい。肉感的。歌舞伎の悪は、三島由紀夫ではないけれど、どこかに「華」がある。また「色…

玉三郎演出、中車主演『赤い陣羽織(あかいじんばおり)』十二月大歌舞伎@歌舞伎座12月25日昼の部

以下は、『赤い陣羽織』の「歌舞伎美人」からの「配役」と「みどころ」。 木下順二 作 坂東玉三郎 演出 <配役> お代官 中車 お代官のこぶん 亀寿 女房 児太郎 お代官の奥方 吉弥 おやじ 門之助 <みどころ> お代官とおやじたちの笑いあふれる痛快な舞台 …

『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』 in 十二月大歌舞伎@歌舞伎座12月25日昼の部

近松半二 作のながーい狂言。これはそれの一部の「十種香」の場。全体がわかっていないと、内容が追いづらい。同様のことは『妹背山婦女庭訓』にもいえる。夜の部ではこの『妹背山』の通しがかかるのは、その意味で、非常に意味があると思う。見れなくて残念…

『競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)』秀山祭九月大歌舞伎@歌舞伎座9月18日昼の部

紀有常生誕1200年を記念しての演目。初代吉右衛門というより、その娘婿の幸四郎に因むもの。昭和31年に彼が主人公の有常を演じている。そのときの信夫/井筒姫が六世歌右衛門。初代が育てたひとなので、その縁だったのだろう。以下「歌舞伎美人」から。 <構…

花形たちが魅せるお化けの総覧『闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)』三月花形歌舞伎@京都南座3月10日夜の部

めっぽう面白かった。お化けの総覧。今まで観たことがない。こんな奇妙奇天烈な歌舞伎舞踊があったんですね。三世河竹新七作。初演は明治33年、五世尾上梅幸が主役を張ったらしい。タイトルに「闇梅」とあるのは、彼の名を採ったもの。わざわざこの演目を持…

『吉例寿曽我(きちれいことぶきそが)』in「二月大歌舞伎」@歌舞伎座2月6日昼の部

行く予定にはしていなかったのに、急遽決定。あまり良い席が取れないと思っていたら、けっこう良い席がとれた。昼は三階席下手の最前列。夜は三階席下手の脇の一番手前の席。遠征を決意した理由の一つが若手勢揃いの「寿曽我」を観たいがためだったので、こ…

『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』in 新春浅草歌舞伎@浅草公会堂1月2日第二部

五段目 山崎街道鉄砲渡しの場 同 二つ玉の場 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場 <配役> 早野勘平 尾上 松也 おかる 中村 児太郎 千崎弥五郎 中村 隼人 母おかや 中村 芝喜松 百姓与市兵衛 澤村 大蔵 判人源六 中村 蝶十郎 一文字屋お才 中村 歌女之丞 斧定九…

「春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)」in 「新春浅草歌舞伎」@浅草公会堂1月2日第一部

以下松竹の「歌舞伎美人」からの転載。 <配役> 曽我五郎:尾上 松也 静御前:中村 児太郎 曽我十郎:中村 隼人 <みどころ> 曽我兄弟を題材とした舞踊の中では最古の作品といわれています。正月行事を描いた華やかな一幕です。 正月三ヶ日、大衆演劇では…

玉三郎演出の新作歌舞伎『幻武蔵(まぼろしむさし)』@歌舞伎座12月24日昼の部

歌舞伎にみえない前衛的な作品。玉三郎が演出をしただけのことはある。昼の部で一番革新的だった。斬新でシンプルな舞台背景が、玉三郎自身の舞踊、『春夏秋冬』をおもわせた。あるいは海老蔵が自主公演で披露した『はなさかじいさん』の舞台のシンプルな装…

『通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)』@歌舞伎座 12 月24日夜の部

市川宗家、成田屋の十八番である「毛抜き」、「鳴神」、「不動」の入った通し狂言。この演目を通しで観るのはもちろん初めて。副題が付いていて、曰く、「市川海老蔵五役相勤申し候」。『伊達の十役』のときと同様、この副題に彼の宗家としての自負が見て取…

『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』十月大歌舞伎@歌舞伎座10月17日&20日昼の部

十七世中村勘三郎二十七回忌 十八世中村勘三郎三回忌 追善上記のようにこの公演は二人の故勘三郎の追善公演だった。というわけで、ほとんどの演目に十八世子息の勘九郎、七之助が出演している。昼の部最後の演目、『伊勢音頭』では以前から再度観たいと願っ…

勘九郎・七之助で『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』十月大歌舞伎@歌舞伎座10月20日夜の部

原作はもちろん三島由紀夫。以下松竹の「歌舞伎美人」からの紹介。 <配役> 鰯賣猿源氏:勘九郎 傾城蛍火実は丹鶴城の姫 七之助 博労六郎左衛門:獅童 傾城薄雲:巳之助 同 春雨:新悟 同 錦木:児太郎 同滝の井:虎之介 同 乱菊:鶴松 庭男実は薮熊次郎太…