yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

哲学・思想・文学

新たなる章へ! 羽生結弦選手の「マスカレイド」in 「ファンタジー・オン・アイス 富山」

映像でも羽生結弦さんと会場との一体感の熱度の凄まじさが伝わってきた富山公演。「羽生結弦物語」の総決算であり、始まりでもあったように思う。 リングに頭をつき、すべてを出し切って燃え尽きたかのような羽生結弦さん。おもむろに立ち上がって、ToshIさ…

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』@シネリーブル梅田 8月1日

近いうちに上映が終了するだろうと考えて、慌てて出かけた。午後2時開演なので、立地の良いといえない「シネリーブル梅田」、おそらく観客数は少ないだろうと想像していたら、なんの、8割方入る盛況ぶり。驚いた。夏休みなので、教員が多かったのかもしれな…

山崎正和名誉教授文化勲章受賞記念フォーラム@大阪大学会館講堂@6月8日

山崎氏の著作を見ると、「やわらかい」という語の付いたものがいくつかあるのだけれど、山崎氏の思考を表現するのにもっとも適した言葉ではないだろうか。柔軟なフットワークの良さ。学者然としていないゆえの親しみやすさ。それはこの日の二人の応援講演の…

「芸は旅の空で~伊勢大神楽に生きる人々~」(初回放送:2006年)in 「NHKBS プレミアムカフェ」4月12日再放送 

非常に興味深い内容だった。迷わず録画した。 「伊勢大神楽」とは?——貴重な記録映像 番組紹介 伊勢大神楽講社のHP 舞と曲 伊勢大神楽と能 「伊勢大神楽」とは?——貴重な記録映像 400年の歴史を持つ「伊勢大神楽」の貴重な記録である。伊勢は黎明期の能楽に…

梅原猛氏を悼む

1月13日に亡くなられたという。93歳だった。 「歴史謎解き」のパイオニア、梅原猛 「梅原古代学」の面白さ 梅原氏と歌舞伎 梅原氏と能 「歴史謎解き」のパイオニア、梅原猛 最初に読んだ梅原氏の著作は『水底の歌』で、それまで教科書中の歌にのみ「鎮座」し…

喜多流の高林白牛口二師、古武士の佇まいで「孤塁を守る」@京都造形芸術大学 12月10日

残すところあと2回となった公開講座、京都造形芸大の「日本芸能史:能と狂言の世界」。一昨日の講義の主役が喜多流の高林白牛口二師だった。天野文雄氏が冠したタイトルがまさに、「孤塁を守る—喜多流高林白牛口二の80年」。司会の天野文雄氏、それに「高…

「遊行的なるもの」in 廣末保著『悪場所の発想』(筑摩叢書、1988)

ロンドン大学図書館で出会った書物のひとつ。廣末保氏の学識の広さと深さに圧倒された。先日、西宮図書館で借り出して読み直しているけれど、どの頁を開いても、その行間から窺える内容の濃さに、立ち止まり、そして考え込んでしまう。本は(洋書以外は)入…

ロンドン滞在期間残り半分、成果はあったか?

短かったような長かったような前半分。土日もロンドン大SOASライブラリー通い。日に6〜7時間程度、図書館に詰めている。ずっとではなく、宿泊先に間で一度帰っている。徒歩で7分というのがありがたい。夏休みの間、図書館は週日が9時〜9時、土日が10:30〜9時…

EBSCO(学術情報へのオープンアクセス)の衝撃

現在、浦島太郎の気分。ロンドン大学のSOAS図書館で学術情報にアクセスをする中で、驚くべき情報を得た。なんと卒業生にもアクセスできるようにしているというのだ。そのオンライン・データベースがEBSCO。初めて聞く名。アメリカの大学院を出てしまうと、ア…

ロンドン大学SOASライブラリー蔵書の凄さ!多分この方面では世界一

昼前からここで5時間あまり過ごした。ワクワクの連続で去りたくなかった。でも、大降りだった雨が少しマシになったのを見はからって退出。6月に再訪するのが待ち遠しい。ロンドン大学に来るという計画は、10年前にペンシルベニア大学でのシンポジウムで、パ…

第30回能楽フォーラム「近代の演能空間②」—今考える「外地演能」—」@ 灘高等学校3月21日

主催は能楽学会。昨年から参加できればと思ってきたのだけれど、つい億劫風が吹いて参加し損なっている。(日本での)英米文学系の学会はアメリカに行く直前、帰国後を合わせて3回ばかり参加したのみ。発表のほとんどが院生だったというのが主たる理由。ま…

味方玄師の謡と斉藤由織氏のコラボ「謡と朗読で聴く平家物語」夜の部@清澄庭園 大正記念館

東京にやってきたメインな目的が味方玄師の謡を聴くことだった。『平家物語』に多くを採った能楽。その中から「俊寛」と「屋島」を取り上げていた。まず、斉藤由織さんによる平家の原文とその現代語訳の朗読。そして味方玄師の謡が続く。交互にこれが繰り返…

世阿弥作、舞囃子「高砂」詞章が呼び醒ますイメージの豊饒

大連吟(観世流)の「発表会」が京都観世会館できたる26日にある。かなりサボっていたのだけれど、一念発起、10日ほど前から先生方の模範の吟唱をスマホに入れて移動中に聴いている。合わせて家でも周りの迷惑にならない程度の大声で練習している。連吟部(…

カズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞を喜ぶ

ロンドンから帰国したその日にこの発表。嬉しくて、飛び上がってしまった。今回訪ねた大英博物館の日本ギャラリーにも「カズオ・イシグロコーナー」があった。彼が英国でも高い評価を受けているのを知ってはいたけれど、それがかくと実感できた。『わたしを…

芳賀徹氏「あらためて詩歌の森へ」in 連続講座「芸術は何処へ?」第8回@京都府立芸術会館8月27日

芳賀徹氏の俳句についてのめっぽう楽しいお話と片山九郎右衛門さんのこちらもめっぽう楽しいお話と仕舞とが合わさった超豪華な講座だった。ああ、前の7回を逃したのが悔やまれる。とはいうものの、この回が最も型破りだったのだろうと、講座の全体をみわたし…

横道萬里雄著『能劇の研究』(岩波書店、1986年刊)

横道萬里雄氏の能楽研究の集大成とでもいうべき書。図書館から借りだし、間もなく返却期日がくるので、改めてスキミングしている。とはいえ、ここに書かれていることを読み込み、消化するにはさらなる時がかかる。古書で入手しようかと考えている。能の研究…

【『繻子の靴』——テクストと演出】in『繻子の靴をめぐる対談@京都芸術センター10月30日

渡邊守章さんと木下歌舞伎主宰の木ノ下裕一さんとの対談形式のワークショップ。とはいえ渡邉さんのレクチャーに木ノ下さんが質問形式で補う形式が採られていた。私が渡邉さんをじかに拝見するのは1995年の吹田メイシアターでの『サド侯爵夫人』以来。この時…

弘前の文学者たち

弘前での二日目、洋館めぐりのついでに弘前市立郷土文学館に行ってきた。洋館の図書館に隣接する瀟洒な近代建築の建物。ちょうど「福士幸次郎展」が開かれていた。そのチラシが以下。 さらに、以下が文学館サイトの情報。 第40回企画展「福士幸次郎展」 福士…

弘前カルチャー

東北に行くことは仙台を除いて今までなかった。あの震災の後、一度は行きたいと願ってきたのだけど、機会がなかった。先だっての康楽館での「劇団悠」観劇、往きは青森から高速バスで小坂まで行ったのだけど、帰りは十和田南駅から弘前に出て、一泊、その後…

岡本綺堂作「ズウフラ怪談」in『半七捕物帳』を記号論で読むと

まず「ズウフラ」なるものについての解説が冒頭に付いている。曰く、「江戸時代に遠方の人を呼ぶ機械があって、俗にズウフラという」どうも、メガフォンのようなものらしい。本文中にあった記載によると、「長さは三尺あまりで、銅でこしらえた喇叭のような…

「青空文庫」を読むのにKindle Whiteを購入

「青空文庫」インターネットの電子図書館。『半七捕物帳』の作品検索をしていて出くわした。今まで知らなかったのが口惜しい。これで『半七捕物帳』であれ何であれ、コピーライトの切れた文学作品が読める。青空文庫のサイトをリンクしておく。「青空文庫は…

岡本綺堂著『半七捕物帳』と記号論

映像化された「半七」だけでなく、原作にも当たっておこうと考えて、図書館から第5、6巻(光文社)を、そして2日前に第4巻を借り出し、読んでいる。第1、2、3巻は貸し出し中で、待たなくてはならない。今までに読んだところでは、テレビ脚本には原作…

プロポーザル提出

疲れた。数日かかってしまった。もっとすんなりと済むと思ったのは、浅はかそして軽率。ペン大の院生だった頃はプロポーザル作成なんて半日で済んでいたのに、それが年々時間がかかるようになってきている。英語環境にいないからもあるけど、それ以上に歳の…

国枝史郎著『神州纐纈城』(『昭和国民文学全集』第10巻)の怪奇世界

誘惑に負けて読んでしまった。三島由紀夫が高く評価しただけのことはあった。なによりもその文体がすばらしい。吉川英治の『江戸三国志』はその文体に慣れるのに時間がかかったけど、こちらはすんなりと馴染めた。劇作家としてスタートとしたという彼の経歴…

「『當麻』から『死者の書』へ」in 『演劇とは何か』(渡邊守章著、講談社学術文庫)

フランス演劇のひとであるとともに、能にも造詣の深い渡邊守章氏ならではの論考集。いろいろなところに寄稿したものを集めたもので、フランス演劇の演出家でもある彼が単なる研究者でないことがよく分かる。三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を演出され、フラン…

『江戸三国志』(吉川英治著、講談社刊、1982年)の世界

文庫本になっているものでは全3冊。新聞小説だったようで、とにかく長い。同著者の『三国志』はもっと長い。彼の著書の多くがこういう膨大なものである。昔の作家たちの胆力がいかにすごいか判る。読者を飽きさせないで惹き付けておくという手腕のみせどころ…

伝奇小説の系譜——唐から江戸、そして大正、昭和、そして現代へーー

昨日、松竹の歌舞伎サイトで、染五郎が4月に夢枕獏作『沙門空海唐の国ににて鬼と宴す』が原案の新作歌舞伎、『幻想神空海』を打つことを発見。タイトルからして伝奇だと判る。歌舞伎で『陰陽師』を舞台に乗せた染五郎。伝奇づいているのだろうと想像している…

物語文学の魅力

平安時代の物語文学というと、おおむね以下の作品になるのかもしれない。 • 910年以前『竹取物語』未詳 / 物語 • 成立時期不明(諸説ある)『伊勢物語』未詳 / 物語 • 951年頃『大和物語』未詳 / 物語 • 984年以前『宇津保物語』未詳 / 物語 • 989年頃『落窪…

懐かしい小学館の「日本古典文学」シリーズ

小学館の「日本古典文学」シリーズには、アメリカの大学院にいたころ、ずいぶんお世話になった。私のいた大学には East Asian Studies があったので、大学図書館のアジアの、特に日本、中国の文献はとても充実していた。「日本古典文学シリーズ」では、岩波…

『とりかへばや物語』(作者不詳)の現代性 

先日図書館に小学館日本古典文学シリーズ内の『今昔物語集』を借り出しに行った折、すぐそばにあった『住吉物語・とりかへばや物語』が目にとまった。中をぱらぱらみてみると、面白そう。『とりかへばや』についてはアメリカにいた頃、私の指導教授がなんど…