yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

芳賀徹氏の訃報

2月20日に亡くなっておられたんですね。3年前に講演をお聞きした折には、さっそうと登壇され、お若かったので信じられない。俳句の紹介をしてくださったのだけれど、何よりも驚いたのが対象へのみずみずしい好奇心と探究心。背も高く、とてもイイ男。およそ学者然としておられなかった。記事にしている。

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この記事中にも書いたのだけれど、芳賀氏が一つ一つの俳句を紹介される時のその熱量に魅せられてしまった。句に込められた美意識は、そのまま芳賀さんの美意識と連動、エネルギーを高めて迫ってきた。芭蕉が旅の途中で泊まった宿で開かれた句会。僻地と思しきところでも俳諧は盛んで、土地の人が詠んだ句に素晴らしいものがあったという。例を挙げて示されたのだけれど(なんと懇切丁寧な解説プリントまで用意しておられた)、確かに優れたものが多かった。

連続講座「芸術は何処へ?」第8回だった。前半が芳賀氏の講演、後半が片山九郎右衛門師のお話と仕舞という構成。ただ、芳賀氏が時間を大幅に延長され、片山九郎右衛門師のお話の時間が多少端折られてしまった。

最近、能を取り巻く中世文学の研究書を読みあさっていて、日本中世文学専門のアメリカ人研究者が挙げている「必読書」の中になんと芳賀氏のお父上、芳賀幸四郎氏の著書、『東山文化』(塙書房、1962、絶版)が入っていた。室町初期には、すでに美の最高理念とされていた「幽玄」。それが連歌、能楽の美学にいかに組み込まれているのか、展開させられているのかを確認したい。一応アマゾンで古書を注文することができたのだけれど、届くのは来週。一刻も早く読みたいので、今から神戸中央図書館に行って借り出すつもりにしている。

芳賀氏のお父上との強い繋がり感じた。ご子息の比較文学の芳賀徹氏が晩年に研究されたのが俳諧であり、それは連歌から派生したもの。中世文学・文化を研究されたお父上の後を「江戸」で継がれていたんですね。合掌。