yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「江戸の華」を具現化したシネマ歌舞伎『め組の喧嘩』(神明恵和合取組)@神戸国際松竹11月29日

2015年5月の浅草・隅田公園 山谷堀広場に設営された特設舞台平成中村座での公演を録画したもの。十八世勘三郎、最晩年の舞台。江戸の華といえば「火事と喧嘩」。その華がが舞台だけではなく、会場いっぱいに広がる。俄か造りの平成中村座の小屋。その小屋で…

梅若玄祥x 成田達志 一調一声「玉鬘」in 「大槻文蔵・裕一の会 故大槻秀夫27回忌追善公演」@大槻能楽堂 11月23日

梅若玄祥さんの謡に大倉源次郎さんの鼓での一調「松虫」を録音で聴いたのが数ヶ月前。それ以来度々聴いている。玄祥さんの繊細でいて、伸びやかな謡いを源次郎さんの鼓がサポートしつつも「分節化」する。これ絶品!何度聴いても聴くごとに新しい。何よりも…

「大阪能楽大連吟2018」の参加者を募集中です

これは絶対に参加すべきです!一応サイトをリンクしておきます。サイトに入っていただくと以下の一覧の情報に辿り着けます。 • 能楽大連吟とは? • 応募から本番の流れ • スケジュール • 講師&スタッフ紹介 • 能楽とは?高砂とは? • 公演・お稽古会場 • ボラ…

恋川純劇団『夫婦破傘』@京橋羅い舞座11月25日昼の部

ずっと以前、まだ純弥座長の頃に一度見て、(純弥さんでなく)純さんのうまさに唸った芝居。その後、見る機会がなかった。以前は純弥さんが夫、純さんが妻という組み合わせだった。今回は風馬さんが夫、純座長が妻。この夫婦のところに下宿している夫婦を千…

片山九郎右衛門師の能『野宮 合掌留』in「京都観世会十一月例会」@京都観世会館11月26日

『野宮』は味方團さんのシテ、また寺澤幸祐さんのシテで見ているので、私には馴染みがある感じ。とはいえ、片山九郎右衛門さんの六条御息所は、その圧倒的存在感で衝撃だった。絶品の舞台を、その舞台時間を「共有」できる幸せをしみじみ噛みしめていた。 こ…

大槻文蔵師シテ、能『清経 恋之音取』in「大槻文蔵・裕一の会」@大槻能楽堂 11月23日

全国的に祝日、ずっと以前にチケットを確保していたこの会にいそいそと出向いた。今回の公演は「故大槻秀夫27回忌追善公演」と銘打ったもの。大槻秀夫師とは人間国宝で当能楽堂の持ち主でもある大槻文蔵師のお父上。この日の演者一覧を以下に。 シテ 平清経 …

はてなダイアリーから当はてなブログへ引っ越しました

7年以上も快適に不満なく使ってきた「はてなダイアリー」。最近とみに不都合が多くなってきていました。どうも「はてなブログへ移行しろ」ということらしいので、渋々はてなブログに移ります。アピアランス等、まだ納得できるものになっていないのですが、と…

ワクワク感たっぷりの文楽『紅葉狩』in 「第148回文楽公演」@国立文楽劇場

『紅葉狩』といえばつい先月、能の『紅葉狩 鬼揃』を二条城二の丸御殿で見たばかり。片山九郎右衛門さんの上臈/鬼女、味方玄さん、片山伸吾さん、橋本忠樹さんの侍女、福王和幸さんの維茂だった。歌舞伎では2013年6月に国立劇場の「歌舞伎鑑賞教室」で見て…

『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』より「すし屋」in 松竹第歌舞伎巡業@加古川市民会館11月21日

以下、歌舞伎美人からお借りした配役とみどころ。 <配役>いがみの権太 中村 獅童 梶原平三景時 中村 亀鶴 弥助実は三位中将維盛 中村 萬太郎 娘お里 中村 米吉 弥左衛門女房おくら 中村 梅花 若葉の内侍 澤村 宗之助 鮓屋弥左衛門 片岡 亀蔵 <みどころ> …

第148回文楽公演『心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)』@国立文楽劇場11月20日第2部

先日見た昼の部の『鑓の権三重帷子』と『八陣守護城』には圧倒された。その勢いは必ずや午後の部にも波及しているはずと推測していたら、予想通り。むしろ昼の部を凌駕していた。太夫、三味線、人形遣いの意気込みがその場にいるだけ肌身に感じられるほど強…

「味方團青嶂会大会」で社中の方が舞った能『鵜飼』が素晴らしかった@京都観世会館11月18日

高田貴美彦氏のシテ、プロはだし。堂々としていて、いささかもぶれがなかった。ここまでの方が社中におられるというのが、すごい!以下に当日の演者一覧を。 シテ 高田貴美彦 ワキ 原大 ワキツレ 原陸 アイ 茂山忠三郎小鼓 成田奏 大鼓 河村大 太鼓 前川光範…

観世銕之丞師の舞囃子「三輪」in「第19回芦屋能・狂言鑑賞の会」@芦屋ルナホール11月16日

「第19回芦屋能・狂言鑑賞の会」の二番目に登場した演目。最も見応えがあった。以下に「三輪」の演者一覧を。 三輪明神 観世銕之丞 大鼓 山本寿弥(大蔵流) 小鼓 清水皓祐(大蔵流) 太鼓 上田慎也(金春流) 笛 左鴻泰弘(森田流)地謡 藤井文雄 吉井基晴 …

能『千手 郢曲之舞』in「第19回芦屋能・狂言鑑賞の会」@芦屋ルナホール11月16日

演者の方々は以下。 シテ(千手の前) 長山禮三郎 シテツレ(平重衡)浅見真州 ワキ(狩野介宗茂 福王茂十郎大鼓 山本哲也 小鼓 久田舜一郎 笛 野口亮地謡 藤井文雄 水田雄唔 長山桂三 大西礼久 吉井基晴 浅井文義 観世銕之丞 上田拓司後見 長山耕三 上野朝…

ナショナルシアター・ライヴ『一人の男と二人の主人One Man, Two Guvnors』@TOHOシネマズ西宮11月16日

この日が上映最終日に当たるのを前日に気づき、慌てて見てきた。午後6時前に始まる芦屋ルナホールでの能公演のチケットを確保していたので、かなり迷ったのだけど。スティールを公式サイトから借用させていただく。 『一人の男と二人の主人One Man, Two Guv…

喜多流、塩津哲生師の社中会「哲門会」@十四世喜多六平太記念能楽堂11月12日

友枝昭世さんシテの『綾鼓』を今年1月に大槻能楽堂でみてはいるが、喜多流を流派全体として見たことはなかった。白洲正子さん所縁の喜多流。塩津晢生さんの社中会があると知って出かけた。今回の東京行きの主たる目的。社中会はその流派の、かつ主宰される能…

尾上松緑と中村歌昇の『坂崎出羽守』が出色@国立劇場大劇場11月13日

すごいものを見てしまったというのが、最初に持った感慨。一つの事件だった!西洋的な構成の中で人物のそれぞれの心理、その駆け引きを描いている点で、もはや歌舞伎ではなく近代劇。これにまず驚いた。立体的な構図。近代小説的だと思ったら、山本有三作だ…

梅玉の『沓掛時次郎』in「第305回平成二十九年十一月歌舞伎公演」@国立劇場大劇場11月13日

配役は以下。 沓掛時次郎:中村梅玉 六ツ田の三蔵:尾上松緑 大野木百助:中村松江 苫屋の半太郎:坂東亀蔵 三蔵の女房おきぬ:中村魁春 太郎吉:尾上左近 安宿の亭主・安兵衛:市村橘太郎 安兵衛の妻・おろく:中村歌女之丞 親分八町徳:坂東楽善 人口に膾…

野村萬斎さん in 狂言『文荷(ふみにない)』@高槻現代劇場11月8日

演者は以下。 太郎冠者 野村萬斎 主人 野村太一郎 次郎冠者 深田博治 後見 飯田豪 あらすじを「能楽の淵」さんのブログからお借りする。 主人は千満という人へ手紙を届けるよう、太郎冠者と次郎冠者へ命じます。二人は連れ立って歩きますが、お互いに相手に…

第148回文楽公演『鑓の権三重帷子 (やりのごんざかさねかたびら)』@ 国立文楽劇場11月6日昼の部

太夫、人形、三味線共に若手に一新された舞台。2014年8月にもそれまでの大御所の方々が退き、若手布陣でこの狂言を演じたのを見ている。とても感動したのだけれど、今回も同じ感動があった。このブログ記事にもしているので、リンクしておく。今回の構成は以…

第148回文楽公演『八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)』@国立文楽劇場11月6日昼の部

チラシ表がこの演目のもの。 構成は以下。 浪花入江の段 主計之介早討の段 正清本城の段 演者一覧は以下のチラシをご覧あれ。また、概要はその下にアップしておいた。 初めて見る狂言。多分歌舞伎でも見ていない。時代物でもあまり人口に膾炙していない芝居…

片山九郎右衛門師シテの能『殺生石 白頭』in 「高槻明月能」@高槻現代劇場中ホール11月8日

清々しく、まさに「明月」を表象する九郎右衛門さんのシテ。「鬼畜物」とも呼ばれる五番目物(切能)であるにもかかわらず、清涼感が残ったのは九郎右衛門さんのシテの舞い、謡に負うところが大きい。そしてもちろん、京都観世流の方々の地謡、それにお囃子…

浦部幸裕師シテの能『龍田』in「井上同門定期能十月公演」@京都観世会館10月28日

『龍田』を見るのは初めて。例によって銕仙会のサイトから演目概要をお借りする。 旅の僧(ワキ・ワキツレ)が竜田川にさしかかると、一人の女性(シテ)が現れ、古歌を引いて僧たちに川を渡るなと言う。彼女は僧たちを竜田明神に案内し、冬になっても鮮やか…

社中会の醍醐味を味わった能『屋島』in「幽花会秋季大会」@京都観世会館 11月5日

片山伸吾さんの社中会での社中の方がシテを演じられた『屋島』。お囃子も地謡も全てプロの方々。なんという贅沢!演者一覧を以下に。地謡は京都観世流の方々。 前シテ(屋島の老漁師) 木村厚 後シテ(源義経の幽霊) 木村厚 シテツレ(屋島の若い男)橋本忠…

新作能『面影』 〜ポール・クローデル「女と影」による〜@金剛能楽堂10月29日

外務省、京都府、それに仏大使館協賛のこの公演、とにかく能の舞台にいたるまでの前段が長かった。駐日仏大使、京都府副知事、それに京都市長と延々と続く挨拶。うんざりした。特に副知事は「クローデル」の名も覚えていない様子。呆れた。加えて市長の無駄…