文楽
チラシの表と演者一覧をアップしておく。 今回「道行初音旅」の演者は名実ともに「若手」当代トップを揃えている。太夫では静御前を呂勢太夫、狐忠信を織太夫、三味線は清治、誠志郎、そして人形は静御前を一輔、狐忠信を玉助。(もはや「若手」とは呼べない…
待ちに待った本拠地大阪での文楽公演、先月末に幕が開いた。今月に入って早速第3部の『本朝廿四孝』を見てきたのだけれど、公演中眠気が襲ってきて、前半部は記憶になし。ここまで無様だったのは初めて、なんとも不甲斐ない。情けなくて自信喪失である。 気…
能楽で予定しているものは、「逸青会」、「MUGEN能」、「アスニー・コンサート悠」、それに京都観世能の第一部である。文楽は嬉しいことに31日から「錦秋文楽公演」と銘打ってのフル公演が開催される。躍り上がりたいほどにうれしい。ほぼ一年ぶり。演目は以…
異分野のコラボといっても「古典芸」という共通項で結成された若手芸能者の会。見るのは初めてである。チラシとサイトに掲載された出演者一同の写真をアップしておく。 以下が当日の演目。 浪曲《比良八荒 ひらはっこう》 出演:京山幸太 (曲師)一風亭初月…
津駒太夫さんが錣太夫を襲名された。とても慶ばしいこと。錣太夫の名跡襲名はなんと80年ぶりとのこと。津駒太夫さんの語りは独特で、他の方々のそれとかなり異なった印象だった。「これぞ大坂!」という感じの語りだとひとり納得していた。聞いたことはない…
本公演は「国立文楽劇場開場三十五執念記念」の副題が付いている。以下の四段が上演された。 草履打の段廊下の段長局の段奥庭の段 呂勢太夫さんが病気療養のため休演で、彼の演じるはずだった岩藤を豊竹靖太夫さんが語られた。昨年11月のこの劇場での公演も…
「天河屋義平は男でござる」は大衆演劇(旅芝居)で度々耳にしていた。ただそれが『忠臣蔵』由来だったとは知らなかった。お恥ずかしい。言い訳をするなら、『仮名手本忠臣蔵』を通しで見たことがなかったため。そうなんですね、あの決め台詞はここから来て…
ちょうど東京滞在中だったので、ホテルでニュースでは見たのだけれど、別にきちんと全編見るつもりはなかった(当方、海老蔵と聞いただけで虫酸が走るので)。昨日、羽生結弦さんの「スケート・カナダ」でのEXの演技、「パリの散歩道」をyoutubeで検索中、引…
「五人伐り(斬り)」から想像するに、『伊勢音頭恋寝刃』と似たような演目だと予想していたのだけれど、若干違った。というのも、『伊勢音頭』の方は長いサーガの断片であるのに対し、こちらは「五人斬り」で始まり終わる。『伊勢音頭』のような物語的背景…
24日に床前の良席で観劇できたのだけれど、あまりにすばらしい舞台。公演中全席完売だと知っていたのだけれど、諦めきれずに文楽劇場サイトにアクセス。なんと急遽2席空席が。迷わず確保した。 どの段も優れて見応えがあったけれど、その中でも特に良かった…
この4月に文楽劇場で「大序」から「四段目」まで見て、記事にしている。 www.yoshiepen.net ただ、この放送を見て、前には見落としていたことが結構あったことに気づいた。かなり後ろ席だった所為もあり、人形及びその遣い手の表情をしっかりと認識していな…
公演チラシ 「謎」が解けた 呂勢太夫の語りと清治の三味線 咲太夫の語りと燕三の三味線 人形遣い手の充実 公演チラシの演者一覧とあらすじ 公演チラシ 公演チラシをアップしておく。 「謎」が解けた 『仮名手本忠臣蔵』、このように「大序」からの通しで見る…
夜の部は『祇園祭礼信仰記』と『近頃河原の達引』の二本立て。『祇園祭礼信仰記』は二時間近い長丁場な上、歌舞伎では見せ場になる「爪先鼠の段」が文楽では「見せ場」にならない(?)所為か、そのまま帰ってしまう人も結構いたような。残念。順序を逆にし…
はてさて、27年前の『伽羅先代萩」の舞台は現在のものと同じなのか、それとも違っているのか。興味深い発見がいくつかあった。 記録映画『伽羅先代萩」 過去の演者と現在の演者 現在の演じ方 記録映画『伽羅先代萩」 人形 政岡 吉田文雀 千松 吉田幸助 鶴千…
各段の主要な演者一覧を以下に。 人形 吉田玉男 (忠兵衛) 豊松清十郎(梅川) 吉田玉輝 (八右衛門) 吉田蓑二郎(母妙閑) 吉田清五郎(下女まん) 吉田玉志 (手代伊兵衛) 浄瑠璃・三味線 淡路町の段 <口> 豊竹希太夫 竹澤団吾(三味線) <奥> 竹本…
先月、歌舞伎座で児太郎の阿古屋を見たばかり。最高峰に位置する女方役者が務める役だというのが、よくわかった。三曲を弾き分ける難しさだけではなく、存在そのものが華のきらびやかさを纏っていなくてはならない。出端の瞬間、「アァ!」と客席から嘆声が…
お里の夫への愛と強い信仰心は、やはり心を打つ。観音の霊験を受けて、ついには夫の目が見えるようになったというハッピーエンドも、ホッとするしうれしい。 あまりにも有名な「三つ違いの兄さんと」 しみじみとした夫婦愛にほっこりする 浄瑠璃・呂勢太夫と…
予想を超えた舞台だった。 予想を超えた舞台だった。 若手が「仕切る」活気に溢れた舞台 演者と観客の掛け合い 独自の解釈から生まれる語りの客観性 若返りが著しい人形遣い 人形浄瑠璃から歌舞伎へ 若手が「仕切る」活気に溢れた舞台 最近の文楽舞台は活気…
呂勢さんは「帯屋の段」を語られた。千変万化の語りにノックアウトされた。人物の気持ちの襞に分け入っての語り。人物の裡にこもった情が溢れ出てくるような語りである。それも旧世代の太夫たちのこってりしたものではなく、情の発露は緻密に計算されている…
「中将姫(雪責)」の話自体はとてもドラマチック。だから、芝居の作り手の興味を引くのだろう、謡曲、浄瑠璃、そして歌舞伎で取り上げられている。以下、Wikiからの興味をそそられる解説。 中将姫伝説をもとにした演目であり、中将姫のことはこの『鶊山姫捨…
4月28日に亡くなられた。あの伝説の豊竹山城少掾の最後のお弟子さん。ずっと文楽のトップを走って来られた大夫。1989年に人間国宝。2014年5月に、68年に及ぶ大夫生活に終止符を打って引退されていた。生前は文楽劇場に乗られる度に、その素晴らしい喉を堪能…
「合邦住家の段」のみ。Wikiに詳しい解説が載っているし、長い段なのであらすじは割愛する。説経節の「しんとく丸」などが題材になっている。ちなみに寺山修司の『身毒丸』(1978)も、この説経節を素に書かれている。継母と義理の息子の恋愛といえば、古い…
今回の文楽初春公演の番組中、最も良かった。期待値が高くなかったので、これは予想外。期待していなかったのは、先月ロームシアターで見た「二月堂」が良くなかったから。こちらは渚の方を坂田藤十郎、良弁大僧正を四代目鴈治郎が演じた。歌舞伎の「二月堂…
『紅葉狩』といえばつい先月、能の『紅葉狩 鬼揃』を二条城二の丸御殿で見たばかり。片山九郎右衛門さんの上臈/鬼女、味方玄さん、片山伸吾さん、橋本忠樹さんの侍女、福王和幸さんの維茂だった。歌舞伎では2013年6月に国立劇場の「歌舞伎鑑賞教室」で見て…
先日見た昼の部の『鑓の権三重帷子』と『八陣守護城』には圧倒された。その勢いは必ずや午後の部にも波及しているはずと推測していたら、予想通り。むしろ昼の部を凌駕していた。太夫、三味線、人形遣いの意気込みがその場にいるだけ肌身に感じられるほど強…
太夫、人形、三味線共に若手に一新された舞台。2014年8月にもそれまでの大御所の方々が退き、若手布陣でこの狂言を演じたのを見ている。とても感動したのだけれど、今回も同じ感動があった。このブログ記事にもしているので、リンクしておく。今回の構成は以…
チラシ表がこの演目のもの。 構成は以下。 浪花入江の段 主計之介早討の段 正清本城の段 演者一覧は以下のチラシをご覧あれ。また、概要はその下にアップしておいた。 初めて見る狂言。多分歌舞伎でも見ていない。時代物でもあまり人口に膾炙していない芝居…
ネット経由では良席が取れず、仕方なく外国人向けの公演にしたのだけど、思わぬ役得が。文楽劇場がこういう意欲的な試みをしていたとは!驚いたと同時に嬉しかった。名付けて、「Discover BUNRAKU」。以下がその内容。日本語のオリジナルを併記する。 Ninin …
最近になって「大夫」が「太夫」に変更になっているのに気づいた。「太夫」は「大」の中に点が入っているのを「ちょぼ」とよんで、歌舞伎語りの太夫に適用、人形浄瑠璃の語り手には使わないと聞いていたので、意外。以下「日経」の記事。 文楽協会と日本芸術…
8月20日のことだという。3月に引退されていたんですね。最近は姿をお見かけしないと思っていた。以前ほど文楽に頻繁に行かなくなったのもあるけど、最近は若手の人形遣い、大夫さんたちが活躍されるようになっていたので、年配の演者が舞台に上がっておられ…