yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

文楽

8月観劇予定

国立文楽劇場の公演、『心中天網島』をみる。歌舞伎の東京遠征は今月はなし。というか、7月の松竹座公演に非常に落胆したので、しばらくは歌舞伎観劇はなし。 8月は能公演も全体的に少なめである。一応、ロームシアターでの「能楽チャリティ公演」は昼の部を…

『紅葉狩』in「夏休み文楽公演 第三部」@国立文楽劇場 7月17日

地下鉄の日本橋駅を出て文楽劇場へゆく地下道に、また大阪地下鉄の主要駅などそこかしこに、文楽公演のCMにしては少々派手目のポスターが登場、人目を引いている。 ネットで調べると、以下のような解説文が付いていた。 「東京・国立劇場の7月歌舞伎鑑賞教室…

『花上野誉碑(はなのうえのほまれのいしぶみ)』 in「夏休み文楽特別公演」第三部@国立文楽劇場 7月17日

公演チラシの表はこの段のもので坊太郎と乳母のお辻の人形。 「志渡寺の段」のみの上演。この段までのあらましとこの段の内容は以下の公演チラシ裏に載っている。 配役も以下にアップしておく。 藤太夫、お師匠の住太夫と声質はそれほど似ていなかったのに、…

7月観劇予定

ようやく演劇の世界にも日常が戻りつつある。劇場の座席制限もかなり緩くなってきている。私の場合も数ヶ月前から観劇をコロナ前の状態に戻していっている。 なんと、満を持しての関西での歌舞伎公演が大阪松竹座にかかる。歌舞伎座が海老蔵を板に乗せなくて…

錣太夫と咲太夫が光っていた「寺子屋の段」in「初春文楽公演」@国立文楽劇場1月19日

チラシ裏の配役表を再度アップしておく。 『菅原伝授手習鑑』の「寺入りの段」と「寺子屋の段」二段のみが上演された。個人的には「寺子屋」は好きではない。我が子を主のために差し出すというのに拒否反応が起きてしまう。同様に『先代萩』の「御殿の場」も…

呂勢太夫が翁、靖太夫が千載、小住太夫と亘太夫が三番叟の語りを務めた「寿式三番叟」in「初春文楽公演 第一部」@国立文楽劇場1月19日

能『翁』を模倣した文楽の「三番叟」。翁が出てくる形で見るのはおそらく初めて。能の『翁』の形式をかなり踏襲していた。ただ、白式尉をつけて舞う翁の舞、黒式尉を付けて舞う三番叟の舞は省かれていた。さらに、抽象的な能の詞は、主要神社と祀られている…

『蘆屋道満大内鑑』in 「令和三年錦秋文楽公演」@国立文楽劇場 11月4日第一部

公演チラシ表・裏の「配役表」と「あらすじ」をアップしておく。 国立劇場サイトには今まで見たことのない第一部、第二部、第三部それぞれの「予告編動画」なるものがアップされている。リンクしておくが、公演終了後は見られなくなる可能性がある。 www.ntj…

11月観劇予定

霜月を直前にして、一挙に冬がやって来たような寒さ。それにもめげずに観劇を頑張る?予定です。 能の「正規」公演は京都観世会11月例会のみ観劇になりそう。それを補って余りあるのが多くの社中会。今分かっているだけでも7公演もあります。できるだけ多く…

七月観劇予定

文楽は「夏休み文楽特別公演」の第一部、第二部、第三部を観劇予定。どの部もすごいことになりそうな予感。個人的には「うつぼ猿」の藤太夫、「生写朝顔話」の呂勢太夫、そして三味線の若手勢に注目している。配役表を見ると、太夫、三味線、人形ともに、若…

『卅三間堂棟由来(平太郎住家より木遣音頭の段)』@国立文楽劇場 6月16日

これは6年前に見逃した演目だった。当ブログにグダグダと言い訳をあげている。 www.yoshiepen.net 全体として太夫、三味線ともに低調な感じがしたことを思い出した。失望したのが「言い訳」だけれど、その後、文楽は飛躍的に活性化しているので、過渡期特有…

「第38回文楽入門 『五条橋』」@国立文楽劇場 6月16日

「五条橋」は『鬼一方眼三略巻』の五段目に当たるのだけれど、文楽では2011年に当文楽劇場で見て、記事にしている。 www.yoshiepen.net そこにも書いているけれど、若手太夫と三味線の合奏だった。演者一覧をアップしていないのが、残念。「五条橋」は呂勢太…

新春を寿ぐ華やかな『義経千本桜』中の「道行初音旅」in 「令和三年初春文楽公演」@国立文楽劇場 1月18日

チラシの表と演者一覧をアップしておく。 今回「道行初音旅」の演者は名実ともに「若手」当代トップを揃えている。太夫では静御前を呂勢太夫、狐忠信を織太夫、三味線は清治、誠志郎、そして人形は静御前を一輔、狐忠信を玉助。(もはや「若手」とは呼べない…

文楽公演『新版歌祭文 野崎村の段』in「錦秋文楽公演」第2部@国立文楽劇場 11月10日 

待ちに待った本拠地大阪での文楽公演、先月末に幕が開いた。今月に入って早速第3部の『本朝廿四孝』を見てきたのだけれど、公演中眠気が襲ってきて、前半部は記憶になし。ここまで無様だったのは初めて、なんとも不甲斐ない。情けなくて自信喪失である。 気…

今月(10月)の観劇予定

能楽で予定しているものは、「逸青会」、「MUGEN能」、「アスニー・コンサート悠」、それに京都観世能の第一部である。文楽は嬉しいことに31日から「錦秋文楽公演」と銘打ってのフル公演が開催される。躍り上がりたいほどにうれしい。ほぼ一年ぶり。演目は以…

「霜(そう)乃会」公演@HEP HALL 9月29日昼の部

異分野のコラボといっても「古典芸」という共通項で結成された若手芸能者の会。見るのは初めてである。チラシとサイトに掲載された出演者一同の写真をアップしておく。 以下が当日の演目。 浪曲《比良八荒 ひらはっこう》 出演:京山幸太 (曲師)一風亭初月…

竹本錣太夫襲名と『傾城反魂香』in「初春文楽公演」@国立文楽劇場1月21日昼の部

津駒太夫さんが錣太夫を襲名された。とても慶ばしいこと。錣太夫の名跡襲名はなんと80年ぶりとのこと。津駒太夫さんの語りは独特で、他の方々のそれとかなり異なった印象だった。「これぞ大坂!」という感じの語りだとひとり納得していた。聞いたことはない…

『加賀見山旧錦絵』in「初春文楽公演」@国立文楽劇場1月16日夜の部

本公演は「国立文楽劇場開場三十五執念記念」の副題が付いている。以下の四段が上演された。 草履打の段廊下の段長局の段奥庭の段 呂勢太夫さんが病気療養のため休演で、彼の演じるはずだった岩藤を豊竹靖太夫さんが語られた。昨年11月のこの劇場での公演も…

決め台詞「天河屋義平は男でござる」に痺れる「天河屋の段」in 『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』(八段目より十一段目まで)@国立文楽劇場 11月5日夜の部

「天河屋義平は男でござる」は大衆演劇(旅芝居)で度々耳にしていた。ただそれが『忠臣蔵』由来だったとは知らなかった。お恥ずかしい。言い訳をするなら、『仮名手本忠臣蔵』を通しで見たことがなかったため。そうなんですね、あの決め台詞はここから来て…

能・狂言・文楽の披露が目玉だった?「即位礼正殿の儀にともない来日した外国元首・祝賀使節らをもてなす首相夫妻主催の晩餐会」@ホテルニューオータニ東京10 月23日

ちょうど東京滞在中だったので、ホテルでニュースでは見たのだけれど、別にきちんと全編見るつもりはなかった(当方、海老蔵と聞いただけで虫酸が走るので)。昨日、羽生結弦さんの「スケート・カナダ」でのEXの演技、「パリの散歩道」をyoutubeで検索中、引…

『国言詢音頭(くにことばくどきおんど)』開場35周年記念文楽公演 第3部@国立文楽劇場7月31日

「五人伐り(斬り)」から想像するに、『伊勢音頭恋寝刃』と似たような演目だと予想していたのだけれど、若干違った。というのも、『伊勢音頭』の方は長いサーガの断片であるのに対し、こちらは「五人斬り」で始まり終わる。『伊勢音頭』のような物語的背景…

歴史に残る名演だった「五段目より七段目まで」『仮名手本忠臣蔵』in「国立文楽劇場開場35周年記念 夏休み特別公演」@国立文楽劇場 7月23日、24日

24日に床前の良席で観劇できたのだけれど、あまりにすばらしい舞台。公演中全席完売だと知っていたのだけれど、諦めきれずに文楽劇場サイトにアクセス。なんと急遽2席空席が。迷わず確保した。 どの段も優れて見応えがあったけれど、その中でも特に良かった…

勘十郎・和生の「人形」、呂勢・清治の「語り・三味線」で魅せる「殿中刃傷の段」in 『通し狂言仮名手本忠臣蔵』(国立文楽劇場 4月)NHK BS放送

この4月に文楽劇場で「大序」から「四段目」まで見て、記事にしている。 www.yoshiepen.net ただ、この放送を見て、前には見落としていたことが結構あったことに気づいた。かなり後ろ席だった所為もあり、人形及びその遣い手の表情をしっかりと認識していな…

文楽『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』(大序より四段目まで)@国立文楽劇場 4月22日昼の部

公演チラシ 「謎」が解けた 呂勢太夫の語りと清治の三味線 咲太夫の語りと燕三の三味線 人形遣い手の充実 公演チラシの演者一覧とあらすじ 公演チラシ 公演チラシをアップしておく。 「謎」が解けた 『仮名手本忠臣蔵』、このように「大序」からの通しで見る…

文楽『近頃河原の達引』@国立文楽劇場 4月8日夜の部

夜の部は『祇園祭礼信仰記』と『近頃河原の達引』の二本立て。『祇園祭礼信仰記』は二時間近い長丁場な上、歌舞伎では見せ場になる「爪先鼠の段」が文楽では「見せ場」にならない(?)所為か、そのまま帰ってしまう人も結構いたような。残念。順序を逆にし…

文楽劇場公演記録鑑賞会『伽羅先代萩』(「第415回公演記録鑑賞会」)@国立文楽劇場小ホール 2月1日

はてさて、27年前の『伽羅先代萩」の舞台は現在のものと同じなのか、それとも違っているのか。興味深い発見がいくつかあった。 記録映画『伽羅先代萩」 過去の演者と現在の演者 現在の演じ方 記録映画『伽羅先代萩」 人形 政岡 吉田文雀 千松 吉田幸助 鶴千…

若手の息遣いが聞こえた『冥途の飛脚』@国立文楽劇場 1月16日夜の部

各段の主要な演者一覧を以下に。 人形 吉田玉男 (忠兵衛) 豊松清十郎(梅川) 吉田玉輝 (八右衛門) 吉田蓑二郎(母妙閑) 吉田清五郎(下女まん) 吉田玉志 (手代伊兵衛) 浄瑠璃・三味線 淡路町の段 <口> 豊竹希太夫 竹澤団吾(三味線) <奥> 竹本…

眼福・耳福の「阿古屋琴責の段」『壇浦兜軍記』in 「文楽初春公演」@国立文楽劇場 1月16日夜の部

先月、歌舞伎座で児太郎の阿古屋を見たばかり。最高峰に位置する女方役者が務める役だというのが、よくわかった。三曲を弾き分ける難しさだけではなく、存在そのものが華のきらびやかさを纏っていなくてはならない。出端の瞬間、「アァ!」と客席から嘆声が…

しみじみと「懐かしい」感のある『壺坂観音霊験記』@国立文楽劇場 1 月14日

お里の夫への愛と強い信仰心は、やはり心を打つ。観音の霊験を受けて、ついには夫の目が見えるようになったというハッピーエンドも、ホッとするしうれしい。 あまりにも有名な「三つ違いの兄さんと」 しみじみとした夫婦愛にほっこりする 浄瑠璃・呂勢太夫と…

ベテランと若手の掛け合いは必見『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』@国立文楽劇場 1月14日第一部

予想を超えた舞台だった。 予想を超えた舞台だった。 若手が「仕切る」活気に溢れた舞台 演者と観客の掛け合い 独自の解釈から生まれる語りの客観性 若返りが著しい人形遣い 人形浄瑠璃から歌舞伎へ 若手が「仕切る」活気に溢れた舞台 最近の文楽舞台は活気…

「帯屋」を語った呂勢太夫の語りの妙!『桂川連理柵』 in 「第152回文楽公演」@国立文楽劇場 11月24日昼の部

呂勢さんは「帯屋の段」を語られた。千変万化の語りにノックアウトされた。人物の気持ちの襞に分け入っての語り。人物の裡にこもった情が溢れ出てくるような語りである。それも旧世代の太夫たちのこってりしたものではなく、情の発露は緻密に計算されている…