yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

真紅組番外公演『ハイ・ライフ』@シアトリカル應典院1月30日午後2時の部

ここ何年かに観た小劇場系演劇の中では、文句なしにいちばん。原作者はカナダの劇作家(兼俳優)のリー・マクドゥーガル[Lee MacDougall]。1996 年の初演以来、いくつもの賞を獲得している。NY、シカゴ、ロンドン、東京、ソウルでも上演されているという。か…

オペラ『魔笛』@メトロポリタン歌劇場、2006年収録DVD版

やっと入手できたDVD版。やっぱり、すごい!こんな奇抜な演出を思いつくのは、さすがJulie Taymor。使用言語はドイツ語ではなく英語。オペラ開始前に歌手たちが衣装に着替えてゆく。また舞台装置も次々に整えられてゆく。衣装も装置も奇想天外。メイキング映…

晴明神社に参拝1月24日

地下鉄の今出川駅から徒歩15分。「堀川一条上る」が所在地。寒波襲来で関西はこの冬一番の冷え込み。雪がなかっただけマシかも。でも京都の冬は寒い。着くまでに身体が凍ってしまったよう。この晴明神社、一条戻橋にあった晴明の屋敷跡。晴明の屋敷は、「あ…

『釣女』初春文楽公演@国立文楽劇場1月22日昼の部

狂言の『釣女』が歌舞伎舞踊になり、そのあとで文楽になったもの。以下がチラシにあった概要。 <大夫> 太郎冠者 津駒大夫 大名 芳穂大夫 美女 希大夫 醜女 咲甫大夫<三味線> 團七 清丈 龍爾 燕二郎<人形> 太郎冠者 一輔 大名 文昇 美女 紋臣 醜女 玉佳…

『陰陽師』の自然描写

『陰陽師』(夢枕獏著)自体はどちらかというとライト・ノベルにカテゴライズできるだろう。安倍晴明が都に現れる不可思議な現象、謎を解明して行くという体裁をとっている。また、「謎解き」という点では推理小説に分類できる。このシリーズが人気を博した…

『新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)』での呂勢大夫さんの語り 初春文楽公演1月22日昼の部

「座摩社の段/野崎村の段」と二段だった。「座摩社の段」は文楽でも歌舞伎でも見たことがない。野崎村の段」は文楽、歌舞伎ともによくかかる演目なので、何度か観ている。「野崎村」の「切り前」を語られた呂勢大夫さんの語りに、聴き入ってしまった。彼の…

『関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)』初春文楽公演 @国立文楽劇場第一部

つい三日前、第二部の近松作『国性爺合戦』を観たのだけど、「千里が竹虎狩りの段」まで観てから退出した。疲れていた所為か余り楽しめなかった。集客もここ二年ばかりの盛況振りに比べると、あまり入っているとはいえなかった。今日、急遽観に行こうと考え…

『魔笛』演出家、ジュリー・テイモア

『ルル』の幕間に、ライブビューイング第一回作品、『魔笛』を演出したジュリー・テイモア(Julie Taymor) へのインタビューと、舞台の一部が(再)放映された。衝撃だった。『ルル』も衝撃だったけど、ほんの数分流れた『魔笛』の映像は、違った意味で衝撃だ…

ベルグ作 オペラ『ルル』MET ライブビューイング@大阪ステーションンシネマ1月17日

これを見れて、「生きていて良かった!」って思った。特に第1、2幕。形而上学的テーマと現実の舞台が一体化する、そんな瞬間をこのフィルムを観劇中、何度も経験した。日常では捉えられないアブストラクトな事象が、登場人物にメタモルフォーゼ。「非日常…

『芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)』壽初春大歌舞伎@大阪松竹座 1月16日夜の部

中車の政五郎、扇雀のおたつの演技に魅せられ、あっというまに時間が経った。江戸っ子の夫婦愛を描いて秀逸。夫婦それぞれの奏でる旋律がときとしてはなめらかに調和し、ときには激しく不協和音を響かせつつ、さいごには大きなハーモニーになる。不協和音と…

『研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)』壽初春歌舞伎@大阪松竹座1月16日夜の部

以下、「歌舞伎美人」からの「配役」と「みどころ」。 <配役>守山辰次 片岡 愛之助 平井九市郎 市川 中車 平井才次郎 中村 壱太郎 吾妻屋亭主清兵衛片岡 松之助 平井市郎右衛門 嵐 橘三郎 粟津の奥方 市川 笑也 僧良観 坂東 秀調 <みどころ> ◆職人上がり…

蜷川幸雄演出、猿之助主演「元禄港歌〜千年の恋の森〜」

主役を市川猿之助。その他の出演者に宮沢りえ、鈴木杏、段田安則、市川猿弥、新橋耐子等。東京ではシアター・コクーンで1月7日から31日まで。大阪ではシアターBRAVA!で2月6日から14日までとなっている。去年の10月から発売されていたのに、いまごろ気づく迂…

『らくだ』壽初春大歌舞伎@大阪松竹座1月12日昼の部

以下に「歌舞伎美人」からの「配役」と「みどころ」を。 <配役> 紙屑屋久六 市川 中車 らくだの宇之助 中村 亀鶴 家主幸兵衛 中村 寿治郎 女房おさい 片岡 松之助 やたけたの熊五郎 片岡 愛之助 <みどころ> ◆落語をもとにした笑いあふれる物語。次第に主…

『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』「白浪五人男」初春花形歌舞伎@新橋演舞場1月9日夜の部

いわずと知れた、河竹黙阿弥作。国立劇場でも「黙阿弥生誕二百年」を祝っての演目、『小春穏沖津白浪』を通しでかけている。こちらは通しではなく、序幕と大詰のみ。いっそのこと、通しの方が良かったのでは。海老蔵を際立たせるための演目を揃えたのだろう…

菊五郎劇団の『通し狂言 小春穏沖津白浪 −小狐礼三』(こはるなぎおきつしらなみ こぎつねれいざ)@国立劇場1月10日

もう圧巻!古典歌舞伎の復活上演がここまでの魅力的な作品になるのかと、感心しきり。菊之助がやってくれました!海老蔵、染五郎、そして勘九郎、七之助のここ数年の活躍。未来の歌舞伎の形を探る新しい挑戦の数々。それらは今や大きなうねりになっている。…

松也と米吉の『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』「源氏店の場」新春浅草歌舞伎@浅草公会堂1月9日昼の部

米吉と松也の組み合わせが最高だった。現代劇といっても通るほど、新しい解釈の「源氏店」。以下に「歌舞伎美人」からの「配役」と「みどころ」を。 <配役> 切られ与三郎 尾上 松也 お富 中村 米吉 蝙蝠安 澤村 國矢 番頭藤八 中村 山左衛門 和泉屋多左衛…

「土佐絵(とさえ)」新春浅草歌舞伎@浅草公会堂1月9日昼の部

以下、「歌舞伎美人」からの「配役」と「みどころ」。 <配役> 不破伴左衛門 坂東 巳之助 名古屋山三 中村 国生 傾城采女太夫 坂東 新悟 <みどころ> 続く『土佐絵』は、傾城を巡る不破伴左衛門と名古屋山三の恋争いの様子を描いた作品。ご当地浅草、吉原…

『三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)』「大川端庚申塚の場」新春浅草歌舞伎@浅草公会堂1月9日昼の部  

以下、「歌舞伎美人」からの「配役」と「みどころ」。 <配役> お嬢吉三 中村 隼人 お坊吉三 坂東 巳之助 おとせ 中村 梅丸 和尚吉三 中村 錦之助<みどころ> 第1部の幕開きは、『三人吉三巴白浪』。「大川端庚申塚(こうしんづか)の場」は吉三という同じ…

「歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)」新春浅草歌舞伎@浅草公会堂1月8日第二部

以下、「歌舞伎美人」からの引用。 <配役> 粂寺弾正 坂東巳之助 腰元巻絹 坂東 新悟 秦民部 中村 隼人 錦の前 中村 鶴松 八剣玄蕃 中村 橋吾 小原万兵衛 尾上 松太郎 小野春風 中村 国生 秦秀太郎 中村 米吉 小野春道 中村 錦之助<みどころ> 第2部は、歌…

夢枕獏著『陰陽師』の背景

夢枕獏の『陰陽師』、文芸春秋版を読んだ。あと「酔月の巻」、「醍醐の巻」、「鳳凰の巻」も借り出しているので、この一週間で眼を通すつもりにしている。気づいたのは、『今昔物語集』にでてくる話を下敷きにしている章が多かったこと。ほとんど?この『今…

シカゴの学会発表には『陰陽師』をつかうことに

11月末のロンドンでの「ポップカルチャー学会」では大衆演劇をテーマに発表した。ここ7年間にわたり50劇団以上みてきた大衆演劇と、歌舞伎の比較をした内容。それぞれの発生等を辿る歴史的考察が主眼。ただ、ヨーロッパでは(当然といえば当然だけど)オペラ…