yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『魔笛』演出家、ジュリー・テイモア

『ルル』の幕間に、ライブビューイング第一回作品、『魔笛』を演出したジュリー・テイモア(Julie Taymor) へのインタビューと、舞台の一部が(再)放映された。

衝撃だった。『ルル』も衝撃だったけど、ほんの数分流れた『魔笛』の映像は、違った意味で衝撃だった。斬新、前衛的、革新的という点では共通している。私が衝撃を受けたのは『魔笛』の演出の細部にわたってみえた「日本」。テイモア自身も日本の凧を使ったとインタビューで言っている。日本の浄瑠璃人形劇、ペーパークラフトなども参考にしたと推察される。

彼女の演出の際立った特徴はその幻想的雰囲気。『魔笛』そのものが異教世界を扱ったものだから、エキゾティシズムを最大限押し出すのは当然かも。でもその異教、単に「オリエンタル」とかいうのではない(オリエンタル、オリエンタルといっても広うござんす)、ピンポイントで日本だった。その透明度において。その軽やかさにおいて。なによりも芸術的繊細と洗練において。

演出家ジュリー・テイモア に関して、『映画.com』(2015年11月11日)の記事に情報が載っている。Wikiの日本語版にも出ている。写真もネットで何枚もみれるけれど、美しいひと。マサチューセッツ州ニュートンの生まれ。オバーリン大学卒。英語版だともっと詳しい情報が。

ユダヤ系。大学卒業後、フェローシップを得て、日本、インドネシアに留学。「mask /dance」に興味を深めたという。納得。その後は演劇、映画、オペラの演出を手がけている。華麗な演出歴。あの『ライオン・キング』も彼女の手になるらしい。彼女の名を今まで知らなかったのが恥ずかしい。

METでの『魔笛』演出に関しては以下。

Over a decade later, Taymor premiered The Magic Flute at the Metropolitan Opera in 2004. The show is now in repertoire there. A newly translated and abridged English version of the opera premiered at the Met in December 2006, and inaugurated a new series onPBS in 2010 entitled, Great Performances at the Met as well as launched the Metropolitan Opera Live in HD series of movie-theater transmissions.

ここにあるように、英語短縮版が販売されている。検索をかけたら「メトロポリタン・オペラ・ライヴDVD モーツァルト:『魔笛』英語版(2006年)」として、通販されていた。さっそく入手。そのサイトの商品説明が以下。

ピーター・ゲルブが統率する新生メトの誇るMETライヴビューイングの第1弾となったのがこの『魔笛』。英語で歌われ、しかも作品の聴き所を2時間弱にまとめたコンパクトな上演は、ミュージカル「ライオンキング」で知られるジュリー・テイモアの楽しい演出によって、一躍メトの人気演目となりました。このパミーナがメト・デビューとなったイン・フアンを始め、マシュー・ポレンザーニ、ネイザン・ガンなど若い新鮮な歌唱を堪能させてくれます。

類稀なモーツァルティアンである指揮のレヴァインは、1982年のザルツブルク音楽祭上演映像、それを基に生まれたRCAへのセッション録音、そして1991年のメト上演映像と、すでに3種類もの『魔笛』をソフト化していますが、ここでも生き生きとした躍動感のある音楽作りで楽しい舞台を盛り上げています。