yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

哲学・思想・文学

羽生結弦選手の一貫したテーマを結晶させた『天と地と』in「フィギュアスケート全日本選手権男子フリー」@長野市スポーツアリーナ・ビッグハット 12月26日

今回のフリーの『天と地と』は、以下の2つが達成されていた点で、羽生結弦選手の今までの集大成だと感じた。 1.「天と地」は羽生結弦選手の演技を貫くテーマ 2. 和/洋のアマルガムが軸 1.「天と地」は羽生結弦選手の演技を貫くテーマ (1) 『天と地のレクイ…

『サド侯爵夫人』を演出できる演出家はもう出ない?三島由紀夫没後五十年、時代は未だ彼に追いついていない

今日は2020年11月25日、三島が市ヶ谷の自衛隊駐屯地で自決してから50年経過した。しばらく前からネットに連日のごとく三島関連の文章があがるようになっている。どれもが駄文や程度の低い憶測文の域を出ないので、目につくだけでも忌まわしく思える。特に嫌…

日本の教育機関は三島由紀夫が唱える「古典主義教育の復活」を重く受け止めるべき

三島由紀夫が自刃して50年の11月25日が近づいてきた。関連本が平積みになっている書店もある。最近ネットニュース等でも三島関連記事が増えている。ついさきごろも、産経編集委員の宮本雅史氏の「三島由紀夫は『予言者』だった 衝撃的自刃から50年、『医学…

2月の”Interdisciplinary Research”国際学会での発表

テーマが「The Aesthetics of Decay: Creative Modes of Destruction」となっていて、主催は「London Centre for Interdisciplinary Research」、日程は2月13日から14日の2日間、(もちろん)オンライン学会である。ロンドンの学会は何年か前のロンドンのWe…

田渕句美子著『異端の皇女と女房歌人 式子内親王たちの新古今集』(角川選書、2014)

一昨日訪ねた図書館で『天皇と和歌』の隣に並んでいた本で、「新古今集」というタームに強く惹かれて借り出した。 『新古今集』に集められた歌の数々、また心敬の連歌論『ささめごと』等に見られる「幽玄」に続く「冷えたる」美の世界が、能の謡の中でどのよ…

鈴木健一著『天皇と和歌 国見と儀礼の1500年』(講談社新書、2017)

この鈴木健一氏著『天皇と和歌 国見と儀礼の1500年』はとても興味深い。まずこういう(ある意味retrospectiveな)本が、3年前に出版されたということも。今、「天皇」が日本人にとっていかなる意味を持つのか、そしてそのあり方を保証してきた事象の一つ…

芳賀徹氏の訃報

2月20日に亡くなっておられたんですね。3年前に講演をお聞きした折には、さっそうと登壇され、お若かったので信じられない。俳句の紹介をしてくださったのだけれど、何よりも驚いたのが対象へのみずみずしい好奇心と探究心。背も高く、とてもイイ男。およそ…

三島由紀夫の「近代能」を「幽玄と崇高」で読み直すプロジェクト

演劇の研究に一つの方向性が出てきたという手応えのようなものを感じている。 方向性が見えたと感じたのは、一冊の本との出会いだった。大西克禮氏の『幽玄とあはれ』(岩波書店、昭和14年刊)である。そもそもこの本の情報をえたのはまさかヒットするとは思…

唯識と般若心経と三島由紀夫

亡き父母の菩提を弔うのに、親不孝の権化のような私が「般若心経」を唱え始めたのだけれど、「般若心経」の哲学というか思想に衝撃を受けた。ネットの葬儀社(!)のサイトに和訳が載っているので、リンクさせていただく。 www.e-sogi.com なんと、観自在菩…

「敬宮愛子様が天皇に即位されることこそ、ヤマト文化の伝統に即したもの」 工藤隆著『大嘗祭—−天皇制と日本文化の源流』(中公新書、2017)を読んで

「天皇=男・女系並存」はヤマト文化 であるのに対し、「天皇=男系男子」は唐輸入の外来文化 であることを古代史専門家の立場から立証した好著である。これは古代史研究の立場からの精緻な大嘗祭研究であり、同時にそれを入り口として、女性・女系天皇の正…

第6回有識者会議での高橋紘氏(静岡福祉大学教授)からのヒアリング

この会議は平成17年5月31、三田共用会議所大会議室でのもの。以下にヒアリング内容をリンクしておく。 http://202.214.216.10/jp/singi/kousitu/dai6/6siryou2.html ヒアリングの重要な論点を整理させていただく。 象徴天皇とは国民に広く支持される天皇であ…

男子のみを皇位(王位)継承者とするという今の日本の皇位継承のあり方は、世界的に見て恥、国益にならない−−日本が「女性差別の国」だというレッテルを貼られるから

安倍さんを始め「日本会議」の人たちは、「男女差別「が皇室の皇位継承問題に及んでいるのが世界的に「恥」」であることを知るべき。そしてそれが、日本社会への評価につながり、ビジネスをはじめとして様々な分野で「劣っている」と見做される可能性が高く…

二人の「時分の花」—野村萬斎さんに羽生結弦さんの「SEIMEI」が被った—京都造形芸大春秋座企画「能と狂言」公演@京都芸術劇場春秋座 2月12日

能は観世銕之丞師シテの『井筒』、狂言は野村万作、萬斎お二方の『川上』だった。公演前に恒例のプレトークがあった。渡邊守章氏、天野文雄氏、それに片山九郎右衛門師が加わってのもの。 2日前に羽生結弦選手が復活させた「SEIMEI」をみて、感激を新たにし…

敬宮愛子さま学習院初等科卒業時の文集に寄稿された論の秀逸、学者の片鱗が窺える!

敬宮愛子さまの神童ぶりがよくわかるエピソード。さすが陛下と雅子さまのお子様。深く納得。そしてうれしい。というのも先日、愛子さまの進学先が学習院大学日本語日本文学科と発表されたから。 初等科文集への愛子さまの寄稿、それをレポートしているのが例…

羽生結弦選手の「自身が起点(オリジン)になる」という自負を感じたフリーの演技「Origin オリジン」in「フィギュアスケート グランプリシリーズ NHK杯」11月23日

プルシェンコ選手の「ニジンスキーに捧ぐ」は、ニジンスキーが一翼を担っていた「バレエ・リュス」を氷上に再現させる試みだった。そしてその試みは見事に結実していた。その「ニジンスキーに捧ぐ」を「オリジン」として氷上にこれ以上ない美しいスケーティ…

新たなる章へ! 羽生結弦選手の「マスカレイド」in 「ファンタジー・オン・アイス 富山」

映像でも羽生結弦さんと会場との一体感の熱度の凄まじさが伝わってきた富山公演。「羽生結弦物語」の総決算であり、始まりでもあったように思う。 リングに頭をつき、すべてを出し切って燃え尽きたかのような羽生結弦さん。おもむろに立ち上がって、ToshIさ…

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』@シネリーブル梅田 8月1日

近いうちに上映が終了するだろうと考えて、慌てて出かけた。午後2時開演なので、立地の良いといえない「シネリーブル梅田」、おそらく観客数は少ないだろうと想像していたら、なんの、8割方入る盛況ぶり。驚いた。夏休みなので、教員が多かったのかもしれな…

山崎正和名誉教授文化勲章受賞記念フォーラム@大阪大学会館講堂@6月8日

山崎氏の著作を見ると、「やわらかい」という語の付いたものがいくつかあるのだけれど、山崎氏の思考を表現するのにもっとも適した言葉ではないだろうか。柔軟なフットワークの良さ。学者然としていないゆえの親しみやすさ。それはこの日の二人の応援講演の…

「芸は旅の空で~伊勢大神楽に生きる人々~」(初回放送:2006年)in 「NHKBS プレミアムカフェ」4月12日再放送 

非常に興味深い内容だった。迷わず録画した。 「伊勢大神楽」とは?——貴重な記録映像 番組紹介 伊勢大神楽講社のHP 舞と曲 伊勢大神楽と能 「伊勢大神楽」とは?——貴重な記録映像 400年の歴史を持つ「伊勢大神楽」の貴重な記録である。伊勢は黎明期の能楽に…

「令和」を賀ぐ

凛とした美しい元号、「令和」に決まってよかった。居住しているマンションの広報誌の4月末発行分の巻頭文が私の当番になっていたので、令和に因んだものにした。1月の担当分では「人生百年時代、観劇の薦め」なんてのを厚かましくも書いたので、その続きで…

梅原猛氏を悼む

1月13日に亡くなられたという。93歳だった。 「歴史謎解き」のパイオニア、梅原猛 「梅原古代学」の面白さ 梅原氏と歌舞伎 梅原氏と能 「歴史謎解き」のパイオニア、梅原猛 最初に読んだ梅原氏の著作は『水底の歌』で、それまで教科書中の歌にのみ「鎮座」し…

喜多流の高林白牛口二師、古武士の佇まいで「孤塁を守る」@京都造形芸術大学 12月10日

残すところあと2回となった公開講座、京都造形芸大の「日本芸能史:能と狂言の世界」。一昨日の講義の主役が喜多流の高林白牛口二師だった。天野文雄氏が冠したタイトルがまさに、「孤塁を守る—喜多流高林白牛口二の80年」。司会の天野文雄氏、それに「高…

「遊行的なるもの」in 廣末保著『悪場所の発想』(筑摩叢書、1988)

ロンドン大学図書館で出会った書物のひとつ。廣末保氏の学識の広さと深さに圧倒された。先日、西宮図書館で借り出して読み直しているけれど、どの頁を開いても、その行間から窺える内容の濃さに、立ち止まり、そして考え込んでしまう。本は(洋書以外は)入…

ロンドン滞在期間残り半分、成果はあったか?

短かったような長かったような前半分。土日もロンドン大SOASライブラリー通い。日に6〜7時間程度、図書館に詰めている。ずっとではなく、宿泊先に間で一度帰っている。徒歩で7分というのがありがたい。夏休みの間、図書館は週日が9時〜9時、土日が10:30〜9時…

EBSCO(学術情報へのオープンアクセス)の衝撃

現在、浦島太郎の気分。ロンドン大学のSOAS図書館で学術情報にアクセスをする中で、驚くべき情報を得た。なんと卒業生にもアクセスできるようにしているというのだ。そのオンライン・データベースがEBSCO。初めて聞く名。アメリカの大学院を出てしまうと、ア…

ロンドン大学SOASライブラリー蔵書の凄さ!多分この方面では世界一

昼前からここで5時間あまり過ごした。ワクワクの連続で去りたくなかった。でも、大降りだった雨が少しマシになったのを見はからって退出。6月に再訪するのが待ち遠しい。ロンドン大学に来るという計画は、10年前にペンシルベニア大学でのシンポジウムで、パ…

第30回能楽フォーラム「近代の演能空間②」—今考える「外地演能」—」@ 灘高等学校3月21日

主催は能楽学会。昨年から参加できればと思ってきたのだけれど、つい億劫風が吹いて参加し損なっている。(日本での)英米文学系の学会はアメリカに行く直前、帰国後を合わせて3回ばかり参加したのみ。発表のほとんどが院生だったというのが主たる理由。ま…

世阿弥作、舞囃子「高砂」詞章が呼び醒ますイメージの豊饒

大連吟(観世流)の「発表会」が京都観世会館できたる26日にある。かなりサボっていたのだけれど、一念発起、10日ほど前から先生方の模範の吟唱をスマホに入れて移動中に聴いている。合わせて家でも周りの迷惑にならない程度の大声で練習している。連吟部(…

カズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞を喜ぶ

ロンドンから帰国したその日にこの発表。嬉しくて、飛び上がってしまった。今回訪ねた大英博物館の日本ギャラリーにも「カズオ・イシグロコーナー」があった。彼が英国でも高い評価を受けているのを知ってはいたけれど、それがかくと実感できた。『わたしを…

芳賀徹氏「あらためて詩歌の森へ」in 連続講座「芸術は何処へ?」第8回@京都府立芸術会館8月27日

芳賀徹氏の俳句についてのめっぽう楽しいお話と片山九郎右衛門さんのこちらもめっぽう楽しいお話と仕舞とが合わさった超豪華な講座だった。ああ、前の7回を逃したのが悔やまれる。とはいうものの、この回が最も型破りだったのだろうと、講座の全体をみわたし…