yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2012-01-01から1年間の記事一覧

ニーナ・アナニアシヴィリとデニス・マトヴィエンコで魅せる『白鳥の湖』グルジア国立バレエ団@兵庫芸術文化センター6月30日

オデットとオディールをニーナ・アナニアシヴィリ(Nina Ananiashvili)、王子に マリインスキーバレエ団からデニス・マトヴィエンコ(Denis Matvienko)を迎えての公演だった。 芸文センターが近いという「地の利」を生かして、レニングラード国立バレエ団…

玉三郎の「阿古屋」 in「壇ノ浦兜軍紀」坂東玉三郎特別公演@南座6月24日千秋楽

玉三郎丈、先月よりも少し痩せたようだった。細そりとした感じが今回の阿古屋の役に相応しい。なんでも今回の公演は「六波羅蜜寺開山1050年記念」の公演ということで、寺縁の演目が選ばれたようである。「阿古屋の琴責め」としてあまりにも有名な演目だが、…

夢枕

今朝、去年の12月に亡くなった友人が夢に出てきた。いつもの感じで話していて、途中で、「えっ、あなた亡くなっていたんだっけ」と半信半疑で言った。「そんなはずないじゃない」と応えたので、彼女の勤務先のホームページをみせて、「ほら」と言ったところ…

「真に迫れり——近代洋画の開拓者・高橋由一」NHK Eテレ日曜美術館

ゲストは四代目市川猿之助さんで、「猿之助」としての亀治郎さんを初めてみた。今月の新橋演舞場はチケットが入手できず、あきらめた。来月の公演は行くつもりで、長い間入会しなかった「歌舞伎会」にも入った。先行販売があるというだけの理由で。明日予約…

クランコ振り付けの『白鳥の湖』シュツットガルト・バレエ@びわ湖ホール6月10日

昨日の西宮の芸文センターに続いて2回目のシュツットガルト・バレエである。「観れるときにできるだけみておこう」と思ったのと、『白鳥の湖』を生でみるのは初めてということもあって、S席を予約しておいた。 以下、公式サイトからの写真。 以下にそれぞれ…

『じゃじゃ馬馴らし』シュツットガルト・バレエ@兵庫芸術文化センター 6月9日

いわずとしれたシェイクスピア原作(原題: The Taming of Shrew) のバレエ。もちろんみるのは初めて。そういえばシェイクスピア劇の方もBBCの映画化したものでしかみたことがない。ロンドンやストラット・アポン・エイボンに長逗留しない限り、行きあたること…

「工芸・温故知新!」日曜美術館 6月3日放送

かってあれほど楽しみにしていた「日曜美術館」を最近は放送時刻をめがけて観るということがなくなった。今日はたまたま食事をしているときに放映されていた番組ということでみたのだ。そして衝撃を受けた。新しい潮流が工芸に生まれていることの紹介番組だ…

野口武彦著『江戸の風格』日本経済新聞社、2009年4月刊

野口さんといえば、教育者としては神戸大学で長く教鞭をとられていたことと、研究者としては江戸文学の専門家としてよく知られているが、私にとっては三島由紀夫とつながりのある辛口の文芸評論家としてなじみがあった。アメリカの大学院にいたころ、江戸文…

『ふるあめりかに袖はぬらさじ』@南座5月27日千秋楽

玉三郎十八番の芝居らしいのだが、初めてみた。玉三郎は最近はあまり「大歌舞伎」で見かけないと思ったら、活動の場をこのように移していたのだ。さすが玉三郎である。あくことなく新しいことに挑戦し続けているのだ。サイトのパンフレットからの玉三郎の写…

エフゲニ・ボジャノフ ピアノ演奏会@兵庫芸術文化センター6月2日

はじめは「あれっ」と思ったが、あとで感動の嵐に巻き込まれ、すっかりボジャノフ・ファンになってしまった!久しぶりにピアノを生で聴きたいと思い、芸術文化センターのバレエ公演の折にチラシをみてチケットを購入したのだった。芸文センターの音楽監督、…

「夢に生き:琵琶と能楽の今昔」@京都黒谷永運院5月20日

同僚のギニャールさんが毎年催している「琵琶プラス」の企画の一つで、去年もこの永運院で開催されたのに参加させていただいた。ギニャールさんは去年の演奏会についてのブログでも紹介した通り、大学では比較音楽史、世界の音楽などの講義を担当しておられ…

『海神別荘』シネマ歌舞伎@京都南座5月5日

泉鏡花の戯曲を玉三郎が演出・主演したもので、舞台映像である。 以下にシネマ歌舞伎公式サイトからの写真を転載させていただく。 2009年7月の歌舞伎座公演を録画したもので、美女役の玉三郎の相手に海老蔵、脇を澤瀉屋一門の笑三郎、猿弥、門之助が固めて…

『椿説弓張月』@新橋演舞場5月13日夜の部

いわずと知れた三島由紀夫の最後の歌舞伎作品である。私はペンシルバニア大学に提出した博士論文の一章をこの作品に当てたので、以前からどうしても見たい作品の一つだった。何しろ初演(三島自決の1年前、つまり1969年)以来2回のみ舞台にあがったきりで…

ルグリが舞台監督のウィーン国立バレエ団「こうもり」@兵庫県立芸術文化センター5月3日

とても粋な舞台だった。パリ・オペラ座のエトワールだったルグリが舞台監督を務めただけあって、ルグリの面目躍如たるものがあった。音楽はヨハン・シュトラウスのものでも、舞台自体はまるでフランスだった。もちろん、フランスそのものではなく、ウィーン…

吉本隆明の『源氏論』が優れている理由

思いつくままに以下に並べてみた。1.当時の制度、機構がこの物語にどう描かれているのかの分析が正確。どのような歴史の専門書よりもはるかに深く洞察している。それによって、『源氏』を「物語」、あるいは「説話」としてではなく、「近代小説」に通低す…

吉本隆明著『源氏物語論』洋泉社

たまたま立ち寄った書店に吉本隆明コーナーが設置されていて、最近鬼籍に入ったことにようやく思い至った。以前読んだのは初期の作品、『共同幻想論』、『言語にとって美とはなにか』、『初期歌謡論』程度で、その硬質な論はどこか近寄り難く、敬遠してきた…

「四月花形歌舞伎」はきっとスゴイ!

そう確信できるのは、出し物とその役者たちの面々である。出し物は『仮名手本忠臣蔵』!演者の面々は松竹サイトで確認できる。染五郎、亀治郎、菊之助、松緑、獅童、右近、猿弥、そして福助なんていう、よだれの出そうな面々である。若手がほとんどで、これ…

バレエ来日公演 5月ー6月

この1月にミハイロフスキーバレエ団(レニングラード国立バレエ)とボリショイバレエ公演を観て以来、バレエの魅力にとりつかれている。というわけで兵庫県立芸術文化センター、5月3日のウィーン国立バレエ団の『こうもり』はその直後にチケットを入手し…

“Before the Poison” by Peter Robinson

プラハ国際空港でフランクフルト行きの飛行機を待っている間、あまったコルナを使い切るため書店でこの本を買った。カバーに2010年犯罪小説ジャンルで賞を獲得したとあった。待ち時間に読もうと考えたのだが、このときもまたフランクフルトででもバタバタし…

チェコ人の合理性

今プラハ国際空港でフランクフルト行きの飛行機を待っているところ。マックPCのケーブルをチェックインした荷物に入れてしまっているので、電池がもつまでしか使えない。このチェックイン時にも感心したのはチェコ人の合理性だった。人口が1000万人という少…

フランツ・カフカミュージアム探訪

予定の合間を縫ってでの訪問だった。大して期待しないで訪ねたのだが、もっとゆっくりとみたいと残念だった。博物館というより、カフカを愛してやまないチェコの文人が創ったカフカの文学と生涯の再現館といったところだった。小さな狭い場所にカフカ関係の…

オペラ『カルメン』@プラハ国立劇場 3月19日

せっかく記事を書いたのに、編集しようとして前のものを消してしまった。こういうことを何度もやっているので、まずMSWordに打ち込んでからにしているのに、つい焦って「はてなサイト」にいきなり書きこんだ結果がこれである。『カルメン』は国立オペラ劇場…

ニコライ二世の悲劇を描いたバレエ『眠れる森の美女』「皇帝最後の娘」@プラハ国立歌劇場 3月20日

Sleeping Beautyとなっていたので、てっきり例の童話だと思っていたら、実際は副題の方、"The Czar’s Last Daughter"が大きな意味を持っていた。Yuri Vámosという振付師により、このおなじみの童話の新解釈が示されたのだというのだ。それもロシア帝国最後の…

ストラホフ修道院には少々失望

11時から国立オペラ劇場で『眠れる森の美女』をみたあと、そのまま昨日からの宿題、ストラホフ修道院を訪ねてきた。修道院そのものではなく、こちらの図書室がすばらしいとのことだったので、あのエーコの『薔薇の名前』の映画に出てくる薄暗い、カビ臭い、…

ユダヤ人街と修道院

昨日は夜に国立劇場で『カルメン』を見る予定にしていたので、昼間は観光につかうことにした。例によってめまいが心配だったけれど、なんとかもちこたえられた。『カルメン』の観劇記は次の記事にする予定。ユダヤ人街は予想通りというべきか世界中からのユ…

オペラ「ルサルカ」"RUSALKA" @プラハ国立歌劇場、3月18日

朝元気よくホテルを出たのはいいけれど、途中でめまいが始まりなかなか収まらない。仕方がないので途中のカフェで少し休んでから、ホテルに引き返した。少し仮眠をとってインターネットで夜のオペラを確認したところなんと!午後2時にも同じ演目の公演がある…

学会終了

今日が三日目の最終日。朝9時から6時までの長丁場。疲れた!一昨日の初日のみが午後2時から5時までで、昨日も今日も律儀に朝9時からはじまって5時過ぎに終わった。普通の学会なら専門の関係分野、たとえば『比較文学」とか「シェイクスピア」というよ…

映画『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』(The Ides of March)

機内で見た映画。日本では未公開のようだが、すでに日本語の公式サイトもある。ちょうど大統領予備選のスーパー・チューズデー が先ほど終わったばかり、機内で読んだWall Street Journal によれば共和党候補はミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事とサ…

プラハ着

去年のプラハは荷物が空港に届いていなくて、大変な思いをした。その苦い経験があるので、当座必要なものは手荷物に入れておいた(それでもMacAirのコードを入れるのを忘れていて、トランジットの待ち合いでPCが使えなかったのは残念だった)。今回、荷物は…

『殺陣師段平』剣戟はる駒座@朝日劇場3月10日夜の部

この日は津川竜座長の誕生日公演でした。昼の部が長引いて、始まりは10分伸び、5時10分からでした。お芝居だけで約2時間に及んだのですが、待った甲斐があったすばらしい舞台でした。大衆演劇版が段平の素朴さ、一徹さに焦点を合わせ、「大衆演劇の観客に分…