yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2011-01-01から1年間の記事一覧

『瞼に母』都若丸劇団@花園会館8月24日夜

『瞼に母』、この「に」がずっと気になっていました。評判もとても良くて、観た人は「楽しかった!」と異口同音にほめるので、これはどうしても観なくてはと思いつつ、なかなか機会がなかった。やっと!観ることができました。そして評判通り、いやそれ以上…

フィラデルフィアでみるお芝居

今月末からフィラデルフィアなので、どんな芝居がかかっているのかをネットのサイトで調べてみた。パフォーミンングアーツスのシーズンにはまだ少し早く、かかっている芝居が少なめなのが少し残念。でも数本リストアップした。(1)Lord of the Flies@Curi…

『髑髏城の七人』は「歌舞伎」か?

一昨日のブログには「いのうえ歌舞伎、『髑髏城の七人』」を観た折に感じた不満を書いた。追随を許さない人気を誇る劇団新感線、創立時には「小劇場」の反体制的遺伝子をもっていたのかもしれないが、いまや完全に商業ベース化してしまっている。有名なタレ…

「N響アワー−樫本大進 登場!」eテレ

昨晩のNHK教育の放送だった。丁度バッハの「無伴奏バルティータ3番、プレリュード」の演奏に入る前で、演奏を聴き逃さずにすんだ。最初の音を聴いた瞬間、逸材だとわかった。バッハにしては勁い音だった。でもバイオリンにありがちなキーンとした音ではなく…

いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人』@梅田芸術劇場メインホール8月20日

劇団☆新感線2011年夏興行ということで8月7日ー24日の公演である。劇団のサイトからの紹介では以下の通りである。 作 :中島かずき 演出 :いのうえひでのり 出演 :小栗 旬 森山未來 早乙女太一 小池栄子 勝地 涼 仲 里依紗 高田聖子 粟根まこと 河野まさと …

『瞼の母 長谷川伸傑作選』国書刊行会

先日長谷川伸の著作を探して大阪市立中央図書館へ行ったのだが、開架分では小説しかみることができなかったので、結局アマゾンで注文した。瞼の母―長谷川伸傑作選作者: 長谷川伸出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2008/05/01メディア: 単行本購入: 4人 ク…

三宮の変貌

神戸から宝塚に3年前に引っ越してから三宮に行くことがあまりなくなった。行ってもそごう百貨店の地下食料品売り場、地下街で買い物をする程度だった。元町の方まで足をのばすこともほとんどなくなっていた。先日ここ十年近く放置していた銀行カードを整理…

フィラデルフィアの「夜間外出禁止令」

これには驚いた。私の知る限りこういう「禁止令」は初めてである。例のロンドンに端を発し英国全土に広がった若者による暴動と同じような事態になるのを危惧しての処置かもしれない。記事もそれを示唆している。 フィラデルフィア市では最近、若者グループが…

アメリカ大統領選共和党候補

2012年11月の大統領選挙に向けてまだ1年以上あるのに、すでにヒートアップしている。来年の夏にはかなり大勢が読めるようになっているはずだけれど、現時点ではどの候補が有利ともいえないし、またこれからもより有力な候補が出てくる可能性も大である。今…

芸能百花繚乱「“東海道四谷怪談”〜忠義と欲望の果てに〜」NHK eテレ

8月15日(月曜日)の芸能百花繚乱は『東海道四谷怪談』(1825)だった。鶴屋南北作であり、『仮名手本忠臣蔵』(1748—1749)の外伝として書かれたものである。歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎さんの非常に丁寧、詳細な解説がついていた。いままでの撩乱番組の…

タングルウッド音楽祭

ちょうど今頃アメリカはマサチューセッツ州バークシャー郡レノックスにあるタングルウッドでは音楽祭の真っ最中である。ボストンフィルは夏の間その活動拠点をボストンからここに移し、毎晩のようにここでコンサートが開かれる。それこそ現代のクラッシック…

ジェームス・ゴールウェイのモーツァルト

エミリー・バイノンのコンサートに行った話を昨日書いた。彼女はオランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席フルート奏者だけれど、私が以前にコンサートで聴いたのはベルリンフィルの主席フルート奏者を1969年から1975年までつとめたジェームス・…

「ポップカルチャー」の学会にプロポーザル提出

毎年2回は国際学会で発表することをここ数年間、自分に課してきたのに、去年度(2010年4月ー2011年3月)は1回のみプラハで3月14日から16日までのものだけだった。例の震災直後で、迷った末に出かけたので今もって「やった!」という感じがしていない。それ…

エミリー・バイノン フルートリサイタル@イシハラホール8月10日

フルートの演奏会、演奏者のエミリー・バイノンさんのネットでの評判がよかったので出かけた。英国のウェールズ出身というのも興味をそそられた。ウェールズはなんてたってケルト民族の拠点ですからね。当然「ケルトの妖精」を期待しますよ。そして写真でみ…

アメリカ国債格下げの影響

先週末のS&Pによるアメリカ国債の格下げを受けた初めての取引日(月曜日)のダウは634.76ドル安で取引を終えた。それに伴って、マーケットは世界同時株安の様相を呈している。S&Pはアメリカの政府系住宅金融公社(ファニーメイとフレディマック)の長期債格付…

夏休み文楽公演『心中宵庚申』@国立文楽劇場8月6日

なんとも豪華な演者たちがそろった。「上田村の段」のクライマックスの場では大夫が住大夫さん(人間国宝)、三味線、錦糸さん、そして壇上には主人公の半兵衛を遣う桐竹勘十郎さん、その妻お千代を遣う蓑助さん(人間国宝)、千代の姉おかるを遣う文雀さん…

ペーター・ヴァイスの『マラー/サド』と佐藤信の『翼を燃やす天使たちの舞踏』

以前に佐藤信の『翼を燃やす天使たちの舞踏』について言及したのだが、この芝居は残念ながらみていない。ペン大のクラスで書いたペーパーはあくまでもスクリプトをもとにしたもので、彼の芝居の性質上、おそらくかなりの即興が加味されていたことは間違いな…

澤村かなさん(in 春陽座)讃

大衆演劇とはいわず、とにかくこんな美しい女の役者さんをみたことがありません。そのうえさすが澤村新吾さんのお嬢さん、お芝居も抜群に上手い。舞踊も完璧です。そのへんのテレビタレントなんてまったくメじゃない。英語でいえば "ethereal beauty" という…

アメリカでの引っ越しが大変なこと

先日ボストンに住んでおられる田中耕太郎さんのtweetに、引っ越しの運送業者がなかなか来なくて困っているとあった。同じ経験をしておられる方がいらっしゃると、なんだかちょっとおかしくなった。そういう目にあっておられる田中さんはそれどころではなかっ…

鈴木忠志著『越境する力』

一昨日、琵琶の稽古に京都まで出かけた帰りに西大谷に祖父の墓参りに行ったまではよかったのだが、帰りに気分が悪くなり、昨日は一日倒れてしまっていた。風邪がこじれたようで今もまだ熱っぽい。昨日は文楽の『心中宵庚申』をみる予定で切符まで買っていた…

夏休み文楽特別公演『絵本太功記』@国立文楽劇場8月2日

前期の成績提出は昨日が期限だったのを延ばしてもらって、今日やっと仕上げた。午後2時から始まる文楽公演『絵本太功記』になんとか間に合った。4時間近い長丁場で、体力が元通りに回復していない身には少々こたえた。それに咳がなかなかとまらず、咳止めを…

『笹川の花会』澤村心座長in春陽座@明生座7月30日千秋楽

お芝居は当初予定していた『磐梯やくざ』ではなく、変更して『笹川の花会』でした。心座長主演(だから行ったのです)でした。大衆演劇とは限らず歌舞伎も含めて古典演劇での人物の造形は得てして平面的です。もちろん多少の立体化は施されますが、それでも…

NHK謹製『人形歴史スペクタル平家物語』

NHKで1993年から1995年にかけて放映された人形劇*1である。 吉川英治の『新・平家物語』を基本に、平清盛や源義経の足跡をたどったストーリーである。『新・平家物語』は1972年に放送された同名のNHK大河ドラマの原作にもなっており、本作はNHKでの2度目の映…

『秘密はうたう』@兵庫県立芸術文化センター中ホール 7月31日

風邪で熱があるにもかかわらず補講やら試験監督、おまけに毎日観劇に出歩いていたためかなかなか快癒せず、一週間経った今日やっと少しましになった。というわけで、さっそく西宮北口の芸術文化センターに英国の劇作家ノエル・カワードNoël Coward (1899-197…

小西甚一著『日本文藝史』第4巻 講談社

以前にこのブログに小西甚一さんの『日本文藝史』(全5巻)の第3巻をもっていると書いたのだが、先日書棚の整理をした折に第4巻をみつけた。あと残りの3巻分は夏休みに入ったら(前期試験期間が8月第1週まであるので、そのあと)すべて目を通すつもりである…

琵琶と「語り」の系譜

琵琶の稽古を始めるにあたり、先日京都まで見学に出向いた。京都駅前ビルのカルチャーセンターで先生が出張レッスンをされているのだ。前に聴いた琵琶の演奏会でも分かったのだが、琵琶の演奏は「語り」の上に成り立っている。琵琶の演奏だけでもついて行け…

七月大歌舞伎@大阪松竹座『江戸唄情節』7月23日昼

一般には『三味線やくざ』として知られている狂言で、1939年(昭和14年)歌舞伎座での初演である。あの伝説の15代目市村羽左衛門と新派の河合武雄が初めて共演するのに当たり、川口松太郎が書き下ろした(公演番附けより)。『三味線やくざ』というタイトル…

グローバルエリートの養成

『東洋経済』の7月2日号、「グローバルエリートを育成せよ」週刊 東洋経済 2011年 7/2号 [雑誌]作者: 東洋経済新聞社出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2011/06/27メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (4件) を見るを2週間ほ…

藤巻健史著『マネー避難』

阪急梅田に隣接する書店で買ってしまった。マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!作者: 藤巻健史出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/06/23メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (14件) を見る日本経済への厳…

七月大歌舞伎@大阪松竹座『播州皿屋敷』7月23日昼 

皿屋敷ものでは『番町皿屋敷』の方がよく知られているだろうが、こちらの『播州』の方が17年ばかり古い。もともと「皿屋敷伝説」なるものが存在していて、歌舞伎としては1720年の上演記録が残っているという(本公演の番付より)。この『播州』版は為永太郎…