yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

フィラデルフィアでみるお芝居

今月末からフィラデルフィアなので、どんな芝居がかかっているのかをネットのサイトで調べてみた。パフォーミンングアーツスのシーズンにはまだ少し早く、かかっている芝居が少なめなのが少し残念。でも数本リストアップした。

(1)Lord of the Flies@Curio Theatre Company:これはWilliam Golding の同タイトルの小説 (1954) を戯曲化したもの。小説は大学3年生の英文学クラスで読まされた。「純真」であるはずの少年たちが、離れ孤島に集団で住む間に狂暴性をむき出しにして行くさまがなんとも恐ろしい。結末は救いがなく、おぞましいもので、発表当時は「核の未来」を予想させると評判を呼んだそうである。 Nigel Williamsによる戯曲化。今年5月にロンドンでかかり、劇評も好意的。でも普通の人間に潜む悪を暴く作品だから、かなり覚悟して観なくてはならないだろう。

(2)In the Blood @Caplan Studio Theatre: Suzan-Lori Parks の戯曲 (1999)。ホーソンの『緋文字』を下敷きに、設定を現代に置き換えた作品。初めは Fucking Aという題にしていたのを、このように変えたとか。"A" はもちろん『緋文字』の主人公へスターが胸に刺繍された"A" (adultery 姦通)文字を示している。当然『緋文字』のパロディ。でも喜劇ではなさそう。シングルマザーのヘスターが父の違う5人の子供たちになんとか良い将来を確保しようと奮闘するさまを描いているようである。

(3)Twelfth Night@Pig Iron Theatre Company。いわずとしれたシェイクスピアの『十二夜』。シェイクスピア作品の中では一番好きかも。執事のマルヴォーリオと主人公オリヴィアの侍女のマライア、そして道化のフェステのかけあいは何度みても(読んでも)笑える。手許にあるシェイクスピア戯曲集の『十二夜』の頁はすっかり手あかがついている。幸運なことにロンドンでもニューヨークでも観ている。今回のプロダクションは監督、 Dan Rothenbergでこれも楽しみ。

(4)The Arsonists@Walnut Street Theatre Studio 5。Max Frisch作。安逸な生活を享受していたブルジョワたちが爆弾におののくさまを皮肉をこめて茶化した戯曲。実験的な試みが想定されるので、これも楽しみ。

以上4作品は観る予定にしている。コンサートにはめぼしいものがなかったけれど、向こうへ行ってから、ローカル誌で確認するつもりである。