yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

アメリカ国債格下げの影響

先週末のS&Pによるアメリカ国債の格下げを受けた初めての取引日(月曜日)のダウは634.76ドル安で取引を終えた。それに伴って、マーケットは世界同時株安の様相を呈している。S&Pはアメリカの政府系住宅金融公社(ファニーメイフレディマック)の長期債格付けもトリプルAから一段階引き下げるという。こちらは納得。まだトリプルAだったんだ。でもアメリカ国債の格下げは、その可能性をずっといわれてはいたけど、正直びっくりした。たしかにアメリカの議会は下院が共和党優勢、上院が民主党優勢で、日本と同じねじれ現象になっていて、財政赤字削減の合意がなかなかできないという大きな問題を抱えてはいるけれど、そこはクリアするに違いないから。

昨日はガイトナー財務長官がS&Pを非難したが、株暴落を受けてオバマ大統領もS&Pを非難し、アメリカ国債はトリプルAでしかるべきと演説している。ドイツがトリプルAだというんなら、当然アメリカもトリプルAだろうとは思う。S&Pなどの格付け会社が政府から完全に独立した機関であるというのがこれで証明されたわけで、アメリカという国では民主主義が健全に機能していることがこれからも分かると、私など逆に感心してしまう。S&P、ムーディーズなどの格付け会社リーマンショックのとき、破綻したあるいは破綻しかけた金融機関に高い格付けをしていたというかどで、厳しく糾弾された。だから今回は汚名挽回というところもあったのかもしれない。

先日藤巻武史さんの『マネー避難』という本のことを書いたが、一昨日この本の主張とは真反対の主張をしている本を買ってしまった。若林栄四さんの

デフレの終わり 2012年に「千載一遇」の買い場がくる

デフレの終わり 2012年に「千載一遇」の買い場がくる

である。アマゾンのレビュー評価も高かったので読みたいとは思っていたが、アマゾンでは注文せず、梅田の紀伊国屋書店に立ち寄った際に買ってしまった。最近は本の注文はほとんどがアマゾン経由なので、書店に行くと現物の魅力には勝てずについ何冊か買ってしまう。ビジネス書コーナーではそこにある話題書の類いをざーっと立ち読みするのだが、それだけでも世の中の趨勢が分かって面白い。たいていは10分もあれば一冊全体に眼を通すことができるし、たいていは「焼き直し」のような主張(ともいえないものも多いのだが)なのでそれで事足りるのだけど、たまに気に入ったものがあると買ってしまうから、そんな本がたまっている。そういう本は残念なことに1年もすると賞味期限切れになることが多く、処分せざるを得ない。

賞味期限のきれなかったのが若林さんの何冊かの著書だった。独自の相場観に立脚していて、一匹狼的なところが(それと独善的なところも)面白い。彼はマーケットを黄金分割で解析する。ファンダメンタルズ分析には一顧だにせず、マーケットはすべてサイクルだと言い切る。本のタイトルにもなっているが、日本経済は円安によってこの長いデフレのトンネルから抜け出し見事に再生するのだと、彼はいう。財政破綻などしないという。アメリカのダウも2013年あたりに復活を確かなものにするので、円高の終焉となるここ1、年くらいの間に円をドルに替えて、アメリカ株等に投資するチャンスだともいう。もちろん日本株にも再浮上のチャンスが来るといいう。すべては波動なので、一旦その上昇の流れになれば数十年はそれが続くのだというのが彼の主張である。アメリカ株はリーマンショックで底をうったというから、今回の国債格下げでの株暴落もそのときの底までは行かないということだろうか。

ちなみに円高のピークは1ドル74円だそうである。そしてユーロは崩壊の方向に進むという。