2018-01-01から1年間の記事一覧
この10月公演、昼夜みた中で、これがもっとも楽しめた。ひとえに勘九郎の酒呑童子が素敵だったから。素敵としか形容できない。色気があって、めちゃくちゃ可愛く、そして怖くもおかしいこの酒呑童子を見事に描いて(踊りきって)いた。 以下に配役とみどころ…
演者は以下。 お嬢吉三 お坊吉三 夜鷹おとせ 和尚吉三 七之助 巳之助 鶴松 獅童 「大川端庚申塚」の場のみ。この公演そのものが「追善」に重点を置いていて、故勘三郎と所縁のある演目を昼夜それぞれ三本ずつ披露するというものだったようである。切り狂言一…
まさに不条理劇。そのエネルギーの甚大さに圧倒された。以下、主要な配役一覧。ただし、劇団は初見に近いので、誤っているかもしれない。ご容赦。 人斬り十左 真吾 親分 和也 せむし安 勘太郎 おまち 美夕 佐吉(おまちの弟) 蘭太郎 「劇団荒城」のお芝居を…
恋川純弥さんは私が大衆演劇をみるきっかけを作ってくれた役者さん。2009年1月の(恋川劇団桐龍座座長としての)新開地劇場公演がその最初だった。すでに9年経っているとは、感慨深い。2011年3月に突如として「引退」を表明され、劇団を出られた。最終公演の…
非常にラッキーなことに、人間国宝の大倉源次郎師の演奏を聴くことができた。そもそも今日は京都観世会館での「京都観世会館60周年記念京都観世能1日目」に行こうかどうか、ギリギリまで迷っていた。源次郎師はこの公演で、四本ある能の三番目の『羽衣』の小…
急に思い立って、出かけた。下調べも何もしていなかったので、要領が悪かったものの、なんとか目的を果たすことができた。うれしい。阪急駅発の一日乗車券(2060円)を西宮北口駅でゲットして、意気揚々と出かけた(つもり)。 補厳寺(ふがんじ)は世阿弥が…
京都の冬の風物詩といえば、何といっても顔見世だろう。2016年から始まった耐震のための改築工事が完了し、ようやくこの11月から顔見世興行の運びとなった。工事用の幕で全体を覆われた南座の前を通るたび、無残な姿に心が痛んできた。「工事は永遠に終わら…
演者一覧が掲載されたチラシの表裏をアップしておく。 『二人静 立出之一声』のシテ(里女・静御前)橋本雅夫師とシテツレの(菜摘み女)橋本光史師はおそらく父子。息が合っていた。特に後段で二人揃って舞う場面。面をつけているので、視界はほぼ遮られて…
デジタル修復版。前日放映の『お茶漬けの味』、そして12日の『東京暮色』も録画した。このデジタル修復版は極めて質が高い。テクノロジーの画期的な進歩にひたすら感謝! (現代テクノロジーの技極めたデジタル版とはいえ)そこかしこに「小津節」が見え隠れ…
いただいたプログラム解説によると、この大祓祭の趣旨は「務古津比売命」(巫女神)が宣り下して参集者の罪穢れを祓い清める」というもの。なんでも日本古来のアニミズム的自然神崇拝が背景になっているという。つまり、宗教、宗派を特定しない祭祀というこ…
11月の文楽(於国立文楽劇場)がすごいことになっている!演目一覧を見て飛び上がり、その辺りを跳ね回ってしまった。 第一部が『蘆屋道満大内鑑』と『桂川連理柵』。夜も負けていません。『鶊山姫捨松』と『女殺油地獄』だっていうんですから。『鶊山姫捨松…
当日、とても詳しい「舞台展開解説」をチラシでいただいた。さらに、演能前に田茂井廣道師によるプレトークがあった。『屋島』、『田村』、『箙』の三本は「勝修羅三番」と呼ばれていることを、初めて知った。こういうトークは能のストーリーだけでなく見ど…
途中で退出しようかと思ったほど、がっかりした。目のやり場に困った。どこを見ても失敗だと思えたので。 玉三郎に失望したのは25年を超える歌舞伎観劇歴で一度もなかった。それどころか、常に安定している上、より良いものを目指し続けるというそのストイッ…
以下、「歌舞伎美人」からの配役一覧とみどころを <場> 鬼界ヶ島の場 <配役> 俊寛僧都 海女千鳥 丹波少将成経 平判官康頼 瀬尾太郎兼康 丹左衛門尉基康 吉右衛門 雀右衛門 菊之助 錦之助 又五郎 歌六 <みどころ> 絶海の孤島で起きる悲劇 鬼界ヶ島に流…
さすが吉右衛門。芝居のキモをきちんと踏まえた上で、この河内山宗俊という複雑な男像を立ち上げていた。複雑といっても黙阿弥の初期作品のような暗さはない。ワルであるようなないような、かといっていがみの権太のようにワルから「もどる」訳ではない。引…
まず、「歌舞伎美人」からの演者一覧と見どころを。 演者 更科の前実は戸隠山の鬼女 平維茂 侍女かえで 侍女ぬるで 侍女かつら 侍女もみじ 従者月郎吾 従者雪郎太 男山八幡の末社 男山八幡の末社 幸四郎 錦之助 高麗蔵 米吉 児太郎 宗之助 隼人 廣太郎 玉太…
歌舞伎公演は前日の夜の部とこの千秋楽の昼の部とを二日続けて見たのだけれど、児太郎の雪姫がもっとも見甲斐があった。女方では近年ない大ヒットだと思う。さすが東の成駒屋の継承者。 今までに雪姫を演じた女方での最右翼は、六世歌右衛門の雪姫だろう。た…
まず味方玄師のサイトにアップされていた公演チラシが以下。 チラシにもあるけれど、当日の演者は以下。 前シテ 尉 味方玄 後シテ 源融の霊 味方玄 ワキ 旅僧 宝生欣哉 アイ 六条辺の者 小笠原匡 笛 杉信太朗 小鼓 船戸昭弘 大鼓 河村大 太鼓 前川光範 後見 …
この日の公演は能が二曲と狂言が一曲。明日から東京なので、この胸に堪えた舞台について詳しく書くのは、東京から帰ってからにする。 東本願寺での舞台ということで、期待に胸膨らませて出かけたのだけれど、それは裏切られなかった。おそらくあの場にいた50…
この日の能は三本。(それぞれシテが)梅若実師の『玄象』、林宗一郎師の『半蔀』、そして橋本忠樹師の『雷電』だった。どれも非常に見応えがあり、堪能した。 明日からは、東京に歌舞伎を見に行く。とういうことで、詳しい感想は明後日以降になるけれど、感…
この作品のシネマ版、公開時にロンドンにいたので、残念ながら見ること能わず。箕面の映画館での再映があるということで、一昨日に行ったのだけれど、それでも何か「見落とし感」があり、結局上映最終日の今日も行ってしまった。 前の記事で見落としていたの…
これぞ「江戸歌舞伎!」と興奮してしまった。ありとあらゆる歌舞伎のエッセンスというか、観客をたらし込む手練手管がぶち込まれた作品。染五郎(当時)と猿之助の「どうだ!」という声が聞こえてきそうだった。目一杯の歓声、手が痛くなるほどの拍手で、対…
開始は午後7時から。開場はその30分前から。ふるってご来席を! そういう本人が迂闊なことに今日まで気付かず、社務所の閉まる午後5時に滑り込みセーフ、チケットを入手した。この奉納能の正式名は「弓弦羽嶽大祓祀」。趣旨がチラシに明記してある。以下。 …
以下が当日の演者一覧。 前シテ:赤坂宿の僧 片山九郎右衛門 後シテ:熊坂長範の亡霊 片山九郎右衛門 ワキ:旅の僧 福王和幸 アイ:土地の男 茂山忠三郎 後見 味方玄 小林慶三 笛 森田保美 小鼓 曾和鼓堂 大鼓 河村眞之介 太鼓 前川光長 地謡 大江広祐 河村…
早朝、たまたまつけたBS、その画面と音色に釘付けになった。5時からの放映だったらしく、私が聴いたのはショパンの「ポロネーズ」の途中から。「ポロネーズ」は好きな曲で何枚かCDを持っている。私の中での最高峰はポリーニなのだけれど。しかし、今目の前で…
例によって、「銕仙会」の能楽事典から演目、『井筒』の解説をお借りする。それに当日の演者を明示しておく。 作者 世阿弥 素材 『伊勢物語』第23段ほか 季節 秋 種類 三番目物・鬘物 登場人物 前シテ 里の女 味方玄 後シテ 井筒の女 味方玄 ワキ 旅の僧 …
毎日新聞に載った訃報。 mainichi.jp 言葉がない。まだ64歳でいらっしゃった。嘘であって欲しい。あまりにも早い。惜しい!肝臓がんだったという。そういえば何ヶ月か前の舞台では少し辛そうにしておられた。後ろについた後見の若い方も心配な表情をしておら…
毎年一回「東西合同研究発表会」は開催されてきたとのこと。ということは、49年にわたる歴史があるということなんですね。観世、宝生、金剛、金春、喜多の五流の若手能楽師の方々の発表の場。国立能楽堂サイトに番組表(プログラム)のリンク先がアップされ…
先々月、6月12日の舞台を映像化したもの。私がロンドンにいた期間に当る。6月初旬にロンドンに着いてすぐ、ロイヤル・オペラのサイトに入ってバレエ公演を調べたのだけれど、演目が『白鳥の湖』、しかも主ダンサーが日本人だと知って、予約しなかった。ロイ…
ハロルド・ピンター作(1974)。先月、先々月、ロンドンで見たナショナル・シアターの舞台、3本が期待外れだったので、ちょっと迷ったのだけれど、主演がイアン・マッケラン(Ian McKellen )と聞いたのと、録画されたのが一昨年とわかり、最終日に滑り込ん…