yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

恋川純弥十八番『平手造酒』「チーム恋川純弥」@梅田呉服座 10月21日昼の部

恋川純弥さんは私が大衆演劇をみるきっかけを作ってくれた役者さん。2009年1月の(恋川劇団桐龍座座長としての)新開地劇場公演がその最初だった。すでに9年経っているとは、感慨深い。2011年3月に突如として「引退」を表明され、劇団を出られた。最終公演の模様は、たかりやレディースさんの「笑うカドには福キタル」に詳しい。たかりやレディースさんのブログはコメントも写真も内容が素晴らしく、実に素敵なブログ。2012年以降中断されているのがとても残念。

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平手造酒関連で当ブログ記事としてアップしているのは、「たつみ演劇BOX」の『利根の朝霧』。「たつみ演劇BOX」のものは当ブログ記事にしている。

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この他にも一竜座 『大利根ばやし』や春陽座 『平手造酒』のも見ている。

今日の『平手造酒』はそれとはかなり違ったもの。tokijiroさんという方の記事に的確なあらすじが出ている。引用させていただく。

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純弥版『平手造酒』は『天保水滸伝』として演じられたのを含めて、4、5回は見ている。だから、「また平手造酒なの?」としらけた気持ちがあったのも事実。しかも、にわか仕立ての劇団で、こういうちょっと芯のある芝居を打つのは難しいだろうと推測できた。意欲的な(いささかサド気のある)純弥さんにしてみれば、「こういう状況だからこそ試したい」という想いがあったのかもしれない。ただ、やはりバラバラというか、散漫な印象は否めなかった。弟の恋川純さん(現恋川劇団座長)がお吟を演じて、兄の純弥さんとの絶妙の呼吸を魅せた昔日の舞台を望むのは、無理とはわかってはいるんですけどね。

速水映人さんのお吟は力演だった。ただ純さんに比べると、いっぱいいっぱいの感じで、「情」を出すところまではいまひとつだった。他の演者さんたちもそれぞれに頑張っていたし、そこそこ上手かったんだけれど、どこか違和感がある感じ。今後純弥さんが背負っていかなくてはならない課題だろう。「無難を排し、完璧を目指す」純弥さんにとっては、かなり重いと想像できる。

23日は『狐狸狐狸ばなし』、28日には「純弥十八番」の『丹下左膳』がかかるという。意欲的。ただ、『狐狸狐狸ばなし』をうまくやっつけるのはかなり難関の予感が。私はすでに歌舞伎版を超える大衆演劇版を「新開地劇場開場記念第三回冬華祭」DVDで見ているので。こちらは恋川純さんがおきわ、都若丸さんが法印重善だった。圧巻の舞台だった!以下は歌舞伎の『狐狸狐狸ばなし』の感想を書いたもの。

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いずれにしても、私は23日は東京遠征で不在なので、次回を期待する。

舞踊はおそらく各自に選曲は任されていたのだろう、統一感がなかった。最後の長谷川桜さんの「津軽じょんがら女節」以外、演歌がなかったのが残念。私としては演歌は好みではないものの、大衆芸能で演歌を外すのはやはり邪道でしょう。大衆芸能が芸能である所以はひとえに「情念」を描けているかどうかにあると信じているので。情念を表現する演歌は、踊りそのものが上手くないと踊れないですものね。飛んだり跳ねたりだけの舞踊は見たくないというのが、本音。良かったのはやはり純弥さん。女方の「満月」、立ちの「民謡オンパレード」共にパーフェクトだった。さすが日舞の名取です。

この選曲なので、観客はさすがに年齢層が常より低め。大入が2枚だった。