yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2013-01-01から1年間の記事一覧

長谷川伸作品の構成の緻密さ

『長谷川伸傑作選』中の『一本刀土俵入』を読み返し、茂兵衛がお蔦に向かって、「わしは、故郷のお母さんのお墓の前で横綱の土俵入りをして見せたいんだ、そうしたら、もう、わしは良いんだ」という箇所で、図らずも泣いてしまった。芝居では泣くところまで…

『鎌髭』、五月花形歌舞伎@京都南座 5月16日昼の部

昼の部の三番目の演目だった。昼の部ではこれのみ海老蔵が出る。配役、みどころは以下である。 三、歌舞伎十八番の内 鎌髭(かまひげ) 山崎の里鍛冶屋四郎兵衛内の場 市川海老蔵景清にて大荒事相勤め申し候 <配役> 修行者快鉄実は悪七兵衛景清 海老蔵 下…

河竹登志夫さんの訃報

5月6日に亡くなられたという。長くお名前を聞かなかったので、このニュースはさほど意外ではないにしても、やはり一つの時代が終わったという感を強く持った。演劇(歌舞伎)研究者の郡司正勝さんは1988年に、服部幸雄さんは2007年に亡くなられている。この…

海老蔵 in『伊達の十役』、五月花形歌舞伎@京都南座5月8日

正式名は『慙紅葉汗顔見勢』。海老蔵はこれで三回目の主演になる。私にとっては去年8月、新橋演舞場でみて以来になる。それについてはこのブログにも書いた。構成は前回と同じで、海老蔵の口上から幕を開ける。頬が少しこけて、ちょっと痩せた感じがした。口…

大衆演劇が読売テレビで紹介されていた

今朝、読売テレビの「スマタン」で大衆演劇が紹介されていた。大阪のローカル番組なので、最近大阪にいくつかの新しい大衆演劇専門劇場がオープンしたということもあっての「特集」だったのかもしれない。冒頭で「大衆演劇がブームになっている」というナレ…

「脇役」、『池波正太郎自選随筆集2』より

「自選随筆集」は3巻全部揃えて、暇があればぱらぱらと読み返している。以前に読んだところも、再読すればまた違った感興がある。優れた随筆はそういうものだろう。向田邦子さんの随筆もそのようにして、何度も読んだっけ。どの章、項目もそのひとつひとつ…

杮葺落六月大歌舞伎

6月1日、パリ・オペラ座公演のため東京に行くので、2日には横浜演芸場で公演中の都若丸また、3日スタートの「新」歌舞伎座の6月公演も観ることにした。第一部と第二部のチケットは三次販売開始の12日以降にとる予定。第三部は帰阪の飛行機の時間の都合がつ…

パリ・オペラ座バレエ公演 『天井桟敷の人々』のチケット

5月25日の名古屋公演を皮切りに5月30日からは東京公演がスタートする。その最終日、6月1日の公演チケットを昨晩ネットで入手した。オペラ座の来日は知っていたが、関西公演がないようだったので、あきらめていた。東京まで歌舞伎を観に行くのもしばらくはや…

ETV特集 「アンコール 音で描く賢治の宇宙
〜冨田勲×初音ミク 異次元コラボ〜」

昨晩放映された再放送をみた。以下はNHKのサイトからの解説。 日本を代表する作曲家の一人、冨田勲さん(80歳)。自身の集大成となる「交響曲」を作曲しました。その名も「イーハトーヴ交響曲」。テーマは、冨田さんが長年描きたいと思い続けてきた、作家…

芝居『やくざ心中乱れ花』in 都若丸劇団@新開地劇場4月25日昼の部

若丸座長にしては珍しく、救いのない不条理劇だった。ヤクザ一家に寄宿した旅人、清二郎と一家の若い衆、鉄五郎との、親分の娘をめぐる血で血を洗う争いを描く。旅人を剛さん、娘の婚約者で、近い将来跡目を継ぐことになっている一家の若い衆を若丸さん、そ…

『心中天網島』竹本義太夫300回忌文楽公演第二部 4月11日

歌舞伎では、「河庄の段」、「天満屋から大和屋の段」、「道行」ともに近松の原作を上方調に「改訂」して演じられることが多い。それは近松の他の作品、『曾根崎心中』などでも同様である。だからストイックな、ミニマリスト的な浄瑠璃の語りは、逆に新鮮で…

「レビュー、春のおどり―桜咲く国」OSK日本歌劇団@大阪松竹座 4月20日 昼の部

構成は以下の通り。 第1部 山村若 構成・振付 / 吉峯暁子 演出 『桜絵草紙 〜浪花バージョン〜』 第2部 第2部 名倉加代子 作・演出・振付 『Catch a Chance, Catch a Dream』【出演者】 桜花昇ぼる・高世麻央・朝香櫻子・桐生麻耶・緋波亜紀・牧名ことり…

『伽蘿先代萩』竹本義太夫300回忌文楽公演@国立文楽劇場 4月15日

先週の木曜日に友人と夜の部、『心中天網島』をみたが、それについての記事は別稿にしたい。その折、床に近い前の席があまり埋まっていなかったので、この昼の部もしかりかと思ったら、けっこう埋まっていて、ホッとした。つい昨夜、インターネットで席を確…

ルス・レンデル(Ruth Rendel) のサスペンス小説『Vault』(2011) 4月10日

イギリスから帰国する際、トランジットのスキポール空港のゲートでのイミグレーションの手続きがあまりにも遅々として進まず、2時間もイライラ待ちするくらいならとゲート傍の売店で購入したのだ。でもその間も、機内でもあまり読めず、結局帰国してから読…

ロンドン、ウェストエンドの芝居のレベルの高さ

さきほどこのブログにロンドンの物価の高さを嘆いた記事を書いた。それでも、やはりロンドンには頻繁に行きたい。あれほど質の高い芝居をみれる都市は他にないから。それも同時進行でいくつものすごい芝居を観れるのだ。その上、バレエ、オペラ、コンサート…

ハンパないロンドンの物価の高さ、でもそれを補ってあまりある便利さ

以前、1ポンドが200円超えの頃に毎年のようにイギリス旅行をしていたので、今のレートはありがたい筈なのだが、あまりピンとこなかったのは、物価の高さのせいだろう。とくにロンドンは世界一物価が高いといわれる東京を、はるかに凌いでいた。実感としてで…

『下町人情』in 都若丸劇団@新開地劇場4月3日

このお芝居、『文七元結』のアレンジ版だった。剛さんが大工の熊五郎、若丸座長がその女房、おかつ、文七を星矢さんで以前にもみたことがある。この配役はそのままだったが、細部は変更がかなりあったように思う。こんなお芝居を可能にするには、それだけの…

帰国

London City Airportは本当に便利な空港だった。でもマイナーなせいか客の数が少なくて、レストラン、カフェの類いの充実が今ひとつだった。それとトイレが少なかった。そこから小型機でオランダのスキポール空港に行き、そこで出国検査があった。KLMのゲー…

ロンドンの劇場の観客

芝居が始まる前に劇場内の写真を撮ろうと思いつつ、デジカメを忘れてしまって、結局一枚も撮れずじまい。ニューヨークのそれらと比べると、内部ははるかに豪華である。どの劇場も例外なく、内装は華麗なヴィクトリア調の装飾が施されていて、建築家の垂涎の…

『ロック・オヴ・エイジズ』(Rock of Ages)@Garrick Theatre 3月29日

楽しかった!全編80年代のロック。衣装も時代を反映したもの。映画版があったことを、ホテルに帰ってからネット検索して知った。話は単純、他愛ないもので、カンザスの田舎から女優になることを夢見てLAにやってきたシェリーが、ウェイトレスをしながら機会…

London City AirportとWestfield Stratford City Shopping Center

今日がロンドン滞在の最終日である。夜の観劇はパスして、マチネを探したが、ミュージカルしかなかった。仕方ないので、“Rock of Ages”というミュージカルをみることにした。ミュージカル初体験である。その前にどこか見学を考えたのだが、ロンドンの「名所…

「ミスター・ビーン」 in 『クオーターメインの学期』@Wyndham's Theatre、 ロンドン 3月28日

"Quartermaine's Terms" @Wyndhams Theatre、 March 28 matinee昨日の昼夜観劇で懲りて、今日は木曜日のマチネを探した。マチネのみで、あとはホテルで寛ごうと考えたのだ。いくつかあった中で、例の「ミスター・ビーン」のローワン・アトキンソン主演のこの…

ルパート・エヴァレットin『ユダの接吻』@Duke of York's Theatre、ロンドン、3月27日

“The Juda’s Kiss” @the Duke of York’s Theatre, matinee, March 27 あのノトリアスな「男色裁判」(Queensberry Trial)の前後のオスカー・ワイルドとその愛人のダグラス卿[通称ボッジイ]、同じくワイルドの愛人のロスとの三角関係を描いている。「ソド…

ポリーナ・セミオノーヴァの『ジゼル』ミハイロフスキー・バレエ団@コロッシアム劇場、ロンドン、3月27日

11時近くにホテルに帰って来た。ホテル最寄の地下鉄の駅出口が閉鎖されていたため(ロンドンでは日常茶飯事)道に迷ってうんざりしたが、それを補って余りある素晴らしい公演だった!今回、3月24日のロイヤルバレエ公演を見逃してしまったので、比較はできな…

今日の観劇予定

本日(March 27)はマチネ(2:30始まり)で"The Judas Kiss" を見る。以下がその情報。 Rupert Everett plays Oscar Wilde with Freddie Fox as Lord Alfred Douglas in David Hare's The Judas Kiss - a compelling drama about the power of all-consuming…

チェスター大学での発表終了

現在、チェスターからロンドン行きの電車に乗ったところ。学会は今日(26日)9時30分から始まり、28日の午前中までだが、自分の発表が午前中に終わったので、今晩、もしくは明日からの2,3日は芝居三昧で過ごすつもりである。3年前にイギリスのカーディフ大…

「アメリカ映画が描いた昭和天皇 『エンペラー』を見て実感した日米関係の成熟」

これは『JBPress』に投稿されたあの古森義久さんの記事。長く海外に滞在されているジャーナリストで、その滞在先であった中国批判もアメリカ評もきわめて信用に足る方である。日本では7月に公開予定だという。最近やっと「修正」されてきたとはいえ、偏った…

「大学受験資格にTOEFL 国内全大学対象 自民教育再生本部、1次報告へ」産経3月21日付け記事

記事の冒頭は以下。 自民党の教育再生実行本部(遠藤利明本部長)が国内全ての大学の入学試験を受ける基準として、英語運用能力テスト「TOEFL(トーフル)」を活用する方針を固めたことが20日、分かった。月内にまとめる第1次報告に明記し、夏の参院…

イタリアへ行きたい!

今月24日から8日間イギリスに行くのに、一昨日梅田の三井住友銀行で円をポンドに替えたのだが、公定レートが144円なのに155円といわれてびっくりした。関空で両替した方がマシだとは思ったのだが、面倒臭いので両替を済ませた。でも予定より少なめにしておい…

センチメンタル・ジャーニー@京都 & イノダコーヒー

そろそろお彼岸、京都の西大谷に祖父の墓があるので、その墓参りに行ってきた。大雨のせいもあってまだ沿道には出店もなく、墓参の人も少なくて助かった。祖父は滋賀の出で、京都にも親戚が大勢いた。長らく東映時代劇で「悪役」を専売特許にしていた遠藤太…