現在、チェスターからロンドン行きの電車に乗ったところ。学会は今日(26日)9時30分から始まり、28日の午前中までだが、自分の発表が午前中に終わったので、今晩、もしくは明日からの2,3日は芝居三昧で過ごすつもりである。3年前にイギリスのカーディフ大で学会発表をした折に、時間の余裕がなくロンドンは通過するのみだったので、今回はその埋め合わせである。
学会そのものは院生レベルのものが多く、いつもよりも収穫が少なかった。日本の学会に行きたくないのは、"Theory"がないものが多いからだが、同じような傾向がこちらでもあるのかも。まあ、日本よりは多少はましだけれど。
関空からロンドンに着いたのが一昨日の午後6時すぎ、それでもホテル到着は午後9時だった。一晩ロンドンで過ごして、翌日、つまり昨日の午後にチェスターにやってきた。チェスターはロンドンよりも寒く、零度近かった。着いた日に市内の一番賑やかなところに行ってみたが、あまりにも寒くて、早々にホテルに戻った。パソコンが重かったので、デジカメをロンドンのホテルに置いてきた。というわけで、チェスターの写真がない。イギリスでもっとも古い街の一つで、建築物もその面影を残すものだったので残念だが、仕方ない。とはいえ、不景気なのはあちらこちらの街並みに顕著だった。それに比べると、「不景気」の日本がまるで天国に思える。日本では、人々が着ているものは質のよいおしゃれなものだし、そこここにあるレストランも、高級なものからリーズナブルなものまで、選り取りみどり、しかも質がとても高い。
イギリスの景気はそれでも他のヨーロッパの国に比べると「まし」というが、それでもこの暗さはどうだろう。たしかにロンドンは幾分か活気があった。それでもいまやニューヨーク以上の人種のるつぼ。ここがアングロサクソンの国とは到底思えない。でも以前にロンドンで芝居見物をしていた20年前よりは治安が良くなったように思う。日本よりはるかに快適だと感じるのは、やっぱりマナーの良さである。それと、人の歩くスピードが速いこと。あまりイライラしなくてもよい。
3年前もそうだったのだが、一番困っているのは物価の高さ。チェコのプラハと比べると、すべてが2〜3倍である。その上、最近の円安でそれに拍車がかかっている。帰国してクレジットカードの請求書をみて愕然とするのは、目にみえている。ただ、チェスターでは物価はロンドンよりも安かった。ホテルも中級のところだったが、快適だった。おそらく以前はB&Bだったのだろう。朝食は昔ながらのイングリッシュブレックファストで、豪華だった。味も悪くなかった。機会があれば、再訪したい。でもこれからはどこを訪れても、「これが見納め」と考えた方がよいのかもしれない。すべて「ご縁」とみなし、それを感謝しつつ、その機会を最大限利用すべきなのだろう。
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