yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

歌舞伎

エネルギーレベルが高くなかったのが残念『通し狂言  菊一座令和仇討』@国立劇場 1月6日

チラシの表と裏をアップしておく。 いつもの菊五郎劇団とちょっと違った感じがしたのは私の思い過ごしだろうか。だって、この作品の基は四世南北なんですよ。それが退屈な芝居になっていた。南北作品をそのまま2時間あまりに収めるのは無理。ということで、…

白鴎の風格、脇のうまさが光った『近江源氏先陣館——盛綱陣屋——』in「十二月歌舞伎」@国立劇場 12月5日昼の部

一応公式サイトのチラシをアップしておく。 近松半二作の古典歌舞伎「盛綱陣屋」、今まで見てきて楽しめたことはなかった。ところがである、今回の「盛綱陣屋」は大ヒットだった。とにかく白鴎が良かった。品格があった。加えて脇を固める役者が粒ぞろい。そ…

幸四郎がチャップリンに挑む『蝙蝠の安さん』in「十二月歌舞伎公演」@国立劇場 12月5日昼の部

かなり期待していたので、ちょっと肩透かしを喰らった感がある。でもそれは無い物ねだり。もともと木村錦花がチャップリンの『街の灯』を歌舞伎にした作品で、それを十三代目守田勘弥が演じているので、「元ネタ」が既にあった。それをそう大幅には改変でき…

梅枝の阿古屋で『壇浦兜軍記』in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月4日昼の部

まず、「配役」と「みどころ」を「歌舞伎美人」からお借りする。 遊君阿古屋 秩父庄司重忠 榛沢六郎 岩永左衛門 梅枝 彦三郎 功一 九團次 愛する人を思い奏でる、麗しき音色 平家滅亡後、平家の武将悪七兵衛景清の行方を詮議するため、問注所に引き出された…

玉三郎の「保名」in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月4日昼の部

「歌舞伎美人」から「みどころ」をお借りする。 恋人の面影を追い、春の野をさまよう 桜と菜の花に彩られた春。野辺をさまよい歩くのは、恋人が自害したことを嘆き、正気を失った保名。亡き恋人の姿を追い求めますが、現実に引き戻され、形見の小袖を狂おし…

梅枝が本領発揮した『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)頓兵衛住家の場』in 「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座 12月4日夜の部

作は福内鬼外とあるけれど、平賀源内のペンネームだとか。 全編義太夫語りに乗りながらの狂言。これがどれほど難しいことか。それを「新米」の梅枝が見事に演じきった。素晴らしかった。「歌舞伎美人」から「配役」と「みどころ」をお借りする。 <配役> 渡…

『本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)』in「十二月大歌舞伎」@歌舞伎座12月4日夜の部

随分以前に「俳優祭」での上演があったらしいが(データベースには載っていなかった)、この『白雪姫』はそれとは違った形、内容になっているようである。玉三郎が中心となって、グリム原作を下敷きに歌舞伎にしたということ。竹柴潤一、脚本坂東玉三郎 補綴…

今月の歌舞伎座公演は玉三郎が考える「歌舞伎」の理想形を示したものだった?

「歌舞伎美人」サイトから今月のチラシをお借りする。 今月の歌舞伎座公演は、芝居も舞踊も玉三郎好みの色合いが強いように感じた。玉三郎が自身が理想形とする「歌舞伎」を示したものとして、ずっと語り継がれるかもしれない。 古典芝居・舞踊(『壇浦兜軍…

終幕に唐突感があった『江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしち)』@歌舞伎座10月21日昼の部

江戸前の明るさと洒脱を期待したら、結構陰惨な場面があり驚いた。以下に歌舞伎美人」サイトから拝借した演者一覧、それにみどころをアップしておく。 お祭佐七 菊五郎 芸者小糸 時蔵 倉田伴平 團蔵 鳶の者すだれの芳松 権十郎 同 巴の三吉 坂東亀蔵 鳶重太 …

松緑の弁慶がカワイイ 御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)in「芸術祭十月大歌舞伎」@歌舞伎座10月21日昼の部

この狂言もおそらくは天皇皇后両陛下即位の礼を寿ぐという意味が込められた出し物だと思う。どこまでも明るく、めでたく、楽しい舞台に仕上がっていた。下書きで書いていたのに、一ヶ月近くすぎてのアップ。情けない。以下が公式サイトからの概要と演者一覧…

12月観劇予定

歌舞伎は歌舞伎座の昼・夜と国立劇場の両方を見る予定。 歌舞伎座の昼の部の『たぬき』、児太郎と中車の組み合わせはまさにツボ。一昨年の『弥次喜多』での夫婦の再来である。児太郎の妾お染がどんな女になるのか、見る前から想像をたくましくしている。もの…

幸四郎が全身全霊で演じるシネマ歌舞伎『女殺油地獄』@大阪ステーションシティシネマ 11月11日

昨年7月、大阪松竹座での録画。なぜか本公演を見逃してしまっている。以下が公式サイトからお借りしたスチール。 近松をこのように地元大阪で演じるのは、「弥次喜多」を東京で演じることと対(つい)にしている?つまり、上方の代表である近松物悲劇と江戸…

能・狂言・文楽の披露が目玉だった?「即位礼正殿の儀にともない来日した外国元首・祝賀使節らをもてなす首相夫妻主催の晩餐会」@ホテルニューオータニ東京10 月23日

ちょうど東京滞在中だったので、ホテルでニュースでは見たのだけれど、別にきちんと全編見るつもりはなかった(当方、海老蔵と聞いただけで虫酸が走るので)。昨日、羽生結弦さんの「スケート・カナダ」でのEXの演技、「パリの散歩道」をyoutubeで検索中、引…

玉三郎・児太郎の舞踊劇「二人静」in「芸術祭十月大歌舞伎」@歌舞伎座 10月21日夜の部

以下に「歌舞伎美人」からの配役、みどころをお借りする。 静御前の霊 玉三郎 若菜摘 児太郎 神職 彦三郎 みどころ 現し世と常世の交わる幻想的な舞 若菜摘が、吉野勝手神社の神職に遣わされて、若菜川で若菜をつんでいます。そこに一人の女が現れ、自らの供…

「廓三番叟(くるわさんばそう)」in「芸術祭十月第歌舞伎」@歌舞伎座 10月21日 昼の部

「歌舞伎美人」サイトから配役とみどころをお借りする。 <配役> 傾城 千歳大夫 扇雀 太鼓持 藤中 巳之助 新造 松ケ枝 梅枝 <みどころ> 洒落た趣向の華やかな祝祭舞踊 吉原の座敷で、傾城、新造、太鼓持がそろい、それぞれを翁、千歳、三番叟に見立て、艶…

通し狂言 『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』三幕六場@国立劇場大劇場10月20日

今月の東京、歌舞伎は常にも増して激戦区。歌舞伎座、新橋演舞場、そしてこの国立劇場が三つ巴のありさま。地方巡業も同時進行なので、役者不足状態になっている。その中で、割を食っているのがこの国立劇場公演のような気がする。さらに言えば、国立劇場常…

10月の観劇予定

能はいくつか見る予定にしている。修学院きらら山荘での薪能、林宗一郎師の『山姥』と片山九郎右衛門師の仕舞「砧」を楽しみにしている。京都観世会館での「京都観世能」では梅若実師の『卒都婆小町』と杉浦豊彦師の『融』を見る予定。社中会は去年素晴らし…

歌右衛門の戸無瀬——公演記録映画『仮名手本忠臣蔵』より「道行旅路の嫁入」(八段目) in 「第422回公演記録鑑賞会」@国立文楽劇場小ホール 9月5日

昭和49年(1974年)の国立劇場での録画。文楽陣が竹本の代わりをしていた。以下、演者一覧。 本蔵妻戸無瀬 = 中村歌右衛門(6代目) 本蔵娘小浪 = 中村松江(5代目) 奴吉平 = 中村東蔵(6代目) 馬子 = 坂東三津三郎(初代) 旅人夫 = 澤村由次郎(5代目) 旅人 = 竹…

玉三郎監修の『通し狂言 東海道四谷怪談』@京都南座 9月2日初日

通しとはいえ3時間という限られた時間内に収めるのに、大筋が分かる場のみに集約されていた。最後の三幕目と大詰のみ、脚本に忠実だったようで、それもあってか、この二幕が他の幕を圧倒していた。他の幕はあらすじをなぞっただけの感じ。以下に公演チラシ…

七之助=政岡の身体に注目『伽羅先代萩』in 「八月納涼歌舞伎」@歌舞伎座 8月15日第一部

「御殿」と「床下」のみだったけれど、『先代萩』のキモの部分はしっかりと伝わってきた。逆に人物の対立構図がくっきりと明確になって、初めて見る人にもわかりやすかったのでは。 七之助の政岡は、私が今まで見てきた政岡の中で最も説得力がある政岡だった…

「物語」のコラージュでシャレのめした猿之助・幸四郎の『東海道中膝栗毛』第四弾 in 「八月納涼歌舞伎」@歌舞伎座 8月15日第二部

第1作は実際の舞台で見て、第2作はシネマ歌舞伎で見ている。第2作は特に面白く、シネマということもあり二回も見てしまった。江戸戯作の諧謔精神に満ち満ちた作品で、随所に入れ込んだモジリ・モドキのあまりにものハマりように嵌った。第1作よりかなり…

公演記録映画会(於国立文楽劇場小ホール)『假名手本忠臣蔵』七段目「一力茶屋」の場@国立劇場 1984年7月

配役の載ったチラシが配布されたけれど、「歌舞伎データベース」からの配役を以下にアップしておく。 大星由良之助 = 片岡孝夫(現 片岡仁左衛門) 寺岡平右衛門 = 坂東八十助(10代目坂東三津五郎) 遊女お軽 = 中村芝雀(現 雀右衛門) 大星力弥 = 片岡孝…

『上州土産百両首』in 「七月大歌舞伎」@大阪松竹座7月16日

以下に「歌舞伎美人」サイトから拝借したあらましを。 川村花菱 作 配役 正太郎 芝翫 牙次郎 菊之助 宇兵衛娘おそで 壱太郎 みぐるみの三次 橋之助 亭主宇衛 猿弥 勘次女房おせき 吉弥 金的の与一 彌十郎 隼の勘次 扇雀 みどころ すりの子分の正太郎は、ある…

関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念 「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)」

道頓堀芝居前の場 40年前の関西の歌舞伎は京都南座の顔見世のみというくらいまで、落ち込んでいたとか。なんとか昔の華やぎをもたらしたいと、尽力したのが澤村藤十郎。甲斐あって、会設立から四十周年を迎えることとなった。 だからだろう、上方歌舞伎に縁…

(初代尾上)辰之助の斧定九郎が傑出していた「山崎街道鉄砲渡しの場」(『假名手本忠臣蔵』昭和61年10月於国立劇場)in「公演記録鑑賞会」@国立文楽劇場小ホール

ほんの数分の出番だったのに、圧倒的な存在感だった尾上辰之助の斧定九郎。歌舞伎での彼を見るのは初めてだったので、これは衝撃だった。白塗りのいわゆる色悪の化粧に黒い着物。いかにも「ワル」という感じ。凄みが際立っていた。 演技という演技はなく、た…

「野崎村」(@歌舞伎座四月公演)がNHKのBS放送にかかっていた

今年の四月歌舞伎座公演は、猿之助の「黒塚」と巳之助、児太郎、壱太郎、それに澤瀉屋主要面々がうち揃った「平成代名残絵巻」以外は、まったく食指が動かなかった。残りは大御所・幹部の出番の多い演目。これじゃ高い遠征費を使って東京まで出かける気にも…

満開の桜の森に描出される黙示録的宇宙 シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』@大阪ステーションシティシネマ 4月16日

なんという過剰!ただ、圧倒される。それが黙示録的宇宙を描出している点で、映画、『ツリー・オブ・ライフ」』を想起させた。ただ、『ツリー』の方が「静謐」に収斂するのに対し、こちらはあくまでも過剰に終始するという違いはあったけれど。 過剰な断片の…

『菅原伝授手習鑑』& 舞踊「奴道成寺」 in 「松竹大歌舞伎4月巡業中央コース」@岸和田浪切ホール 4月13日

新白鸚と新幸四郎の「高麗屋襲名興行」。新染五郎の金太郎君はおそらく学校があるので、欠席。ちょっと残念。とはいうものの、高麗屋襲名興行はすでに京都南座で昨年11月に、また歌舞伎座では今年1月に見ている。それらに比べるといかにも貧相だった感は否め…

「高嶋館・竹藪」と「土佐将監閑居」(通称「吃又」)二幕の『傾城反魂香』in 「三月大歌舞伎」@歌舞伎座 3月8日昼の部

「配役」と「みどころ」 珍しい序幕「高嶋館」の上演と頻繁に上演される「吃又」 印象的だった役者たち 「配役」と「みどころ」 以下、「歌舞伎美人」から拝借した「配役」、「みどころ」。 高嶋館・竹藪〉 〈土佐将監閑居〉 狩野四郎二郎元信 不破入道道犬 …

幸四郎・猿之助のダブルキャストが面白い『弁天娘女男白浪』in 「三月大歌舞伎」@歌舞伎座 3月8日夜の部

幸四郎・猿之助の遊び心から生まれる滑稽感 二人の思惑は? 意外と「大真面目」(?)な幸四郎と猿之助 白鸚の大きさ 幸四郎・猿之助の遊び心から生まれる滑稽感 「浜松屋見世先」より「稲瀬川勢揃い」までの二場構成。そして、斬新(?)な幸四郎・猿之助の…