yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

『ジェーン・エア』Jane Eyre@ Lyttelton Theatre、National Theatre, London

劇評の点数が高かったので、ロンドン滞在の最終観劇にこれを選んだ。National Theatreの一番大きな劇場での公演、かつマチネだというのも理由だった。公式サイトをリンクしておく。シャーロット・ブロンテ作、同タイトルの小説(1847)の舞台化。原作からほ…

映画『ロンドン、人生はじめます』(原題 Hampstead, 2017)

地味に中年男女の恋愛を描いています 『マディソン郡の橋』ほど深刻じゃない? ロンドンの天文学的地価高騰が背景に 明快なストーリー キートン演じるエミリーのかっこよさとグリーソン演じるドナルドの素朴さで魅せる 「めでたしめでたし!」の結末 批評家…

カズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞を喜ぶ

ロンドンから帰国したその日にこの発表。嬉しくて、飛び上がってしまった。今回訪ねた大英博物館の日本ギャラリーにも「カズオ・イシグロコーナー」があった。彼が英国でも高い評価を受けているのを知ってはいたけれど、それがかくと実感できた。『わたしを…

帰国!

帰りはBAヒースロー午前11時40分発のフライト、羽田着が午前7時すぎ。伊丹行きに順調に乗り継げて、帰宅も11時すぎ。あっけないほど楽チンな旅行だった。往きも成田発12時のBA、そこからヒースローへのダイレクト便だったので楽だったけど、羽田経由の方が乗…

大英博物館の「日本ギャラリー」の展示

今日は午後2時からウェストエンドでマチネを見る予定だったので、それまでの間、大英博物館に出かけてきた。小さい息子を母に預けて毎年のように英国に来ていたことがあった。そのほとんどがロンドンで、芝居を見るのが目的だった。今までに計8、9回は来て…

『ジキル博士とハイド氏(Jekyll & Hyde)』by The National Youth Theatre REP Company@Ambassadors Theatre 10月2日マチネ

評価は、うーん、難しい。この作品、大学の授業で映画版を使ったことがあり、実際の舞台でも見たかった。ただ、予想していたのとはおよそ異なったものだった。というのも、ジキル博士とハイド氏が女性ということになっていたから。これ、評価は英語で書くべ…

一調「松虫」梅若玄祥 & 大倉源次郎

今、ロンドンのホテル。テレビを見る気もしない。何処も同じくだらない番組に決まっているから。こういう時に聴きたくなるのは、やっぱり日本のもの。中でも「松虫」。連れ合いが檜書房のサイトからダウンロードしたものを送ってくれた。それをただひたすら…

Katsura Sunshine 桂三輝さんの落語公演in London

地下鉄ピカデリー線の長〜いエスカレーターに公演の宣伝ポスターが何枚も貼ってあり、気になった。調べたところ、9月30日、10月1日の公演はすでに終わっていたけど、10月中は何度も高座があるよう。HPサイトをリンクしておく。公演写真はこんな感じ。9月に…

『レイチェル』(原題My Cousin Rachel (2017)

BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)の成田発ロンドン行きのフライトで見た映画。日本ではまだ公開されていない?JALとBAの共同運航の場合、 JALが「主」の時には機内上映の映画のレベルが高いのだけど、今回はBAが主になっていたので、映画には期待していなか…

英国ロイヤルバレエ『不思議の国のアリスの冒険』(Alice’s Adventure in Wonderland)@ロイヤルオペラハウス9月30日

2013年7月に東京文化会館でロイヤルバレエの同じ作品を見たのだけど、失望した。というのもギリギリでアリスを代役が踊ることになり、それがよくなかったから。今度のロンドンへの旅行はその「リベンジ」を兼ねてロイヤルバレエを見るということで立てたもの…

ジュリアン・クレイの『大いなる死』(Le Grand Mort@Trafalgar Studios 2 in London 9月29日

90分のお芝居。とてもcomfortableなひとときを過ごせた。まず観客の質の高さ。芝居が終わった後、部屋全体に連帯感のようなものが生まれていた。日本でも、アメリカでも味わったことのない快適さ。「よそ者」の私はちょっと泣きそうになった。アメリカでもゲ…

風見鶏役者=小池百合子@小池劇場の右顧左眄

このお方、敵役を設定し、観客の「勧善懲悪」意識をくすぐるのが上手い。善の側に自らを置き、悪を懲らしめる大岡越前に自身をなぞらえている?まあ、都知事選ではそれが見事に成功したわけですけどね。悪代官はさしずめ前都知事のMや選挙に立候補したTなど…

ナショナル・ポートレイト・ギャラリー(National Portrait Gallery)でバイロン、シェリー夫妻に出会う

着いた日はさすが疲れていたと見えて、パディントン駅そばに取ったホテル前のスーパーで、クレジットカードを忘れてしまった。朝、チャリングクロス駅まで来て気がつき、とって返したのだけど、道中最悪を予想して気が滅入った。スーパーでは保管していてく…

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(原題The Imitation Game、2014))

27日、正午過ぎの成田発ロンドン行きのブリティッシュ・エアウェイズ便に乗ったのだけど、機内で見た映画が興味深かった。その一つがこれ。日本では2015年3月に封切られたそう。地味な映画なので、あまり評判にならなかったのかもしれない。Wikiの解説が以下…

ブリティッシュ・エアウェイズの新作宣伝ビデオが傑作

普通は無味乾燥な機内の安全の解説ビデオ。それが今度のBAでは面白いものになっていた。youtubeで、「British Airways safety video - director's cut」で検索すると見れる。動画リンクをこの記事にはアップできないようなので。「Business Inside」誌にその…

青木道喜師シテの能『芭蕉』in 「片山定期能 九月公演」@京都観世会館 9月23日

金春禅竹作だという。やっぱり。先週にみた『野宮』と非常によく似ていたから。特にシテの動きがあまりないところが。物語展開の面白さはほとんど感じられない。その分、シテの(ただ立っているだけの)身体が帯びているエネルギーが猛烈である。先日の味方…

白洲正子さんとお能

以前から関心がないわけではなかったけれど、著書を読むところまでに至っていなかった白洲正子さん。ここしばらく能の舞台を頻繁に見るようになり、いやでも彼女の名に行き当ることが多くなった。随筆が優れているとか有名であるとか聞いてはいても、どこか…

「美空ひばりx三島由紀夫x猿之助」@BSフジ 9月17日

先日、BSフジで「美空ひばり特集」をやっていた。運良く、途中から見ることができた。彼女の生まれた5月とか彼女が亡くなった6月とかではなく、意外な時期だったので、ぬかっていた。私の頓挫したプロジェクトの一つが「美空ひばり論」を本にすること。それ…

河村晴道師シテの能『実盛』 in 「第五回林定期能」@京都観世会館9月17日

この日は冒頭に河村晴久さんの演目解説があった。踏み込んだ解説で、今まで知らなかったことが多かった。いただいたプリントの解説も役立った。この物語に登場する人物の歴史的な背景がわかり、実盛に対する同情が今までに増して強くなった。斎藤別当実盛は…

能『野宮』(味方團師シテ)in 「第五回林定期能」@京都観世会館9月17日

台風18号が接近中ということで、迷ったのだけど出かけた。予定では12時に始まり午後5時頃に終了ということだった。能が『実盛』と『野宮』の2本、それに狂言、『魚説法』と仕舞が6本の充実プログラム。ただ、『野宮』は最後まで見ていない。前場のみ見て、4…

林宗一郎師の仕舞「井筒」in 「第五回林定期能」@京都観世会館9月17日

この仕舞、元々は宗一郎さんのお父上、林喜右衛門さんが舞われることになっていたものだけど、喜右衛門さんは先月15日に亡くなられた。そういえば、先々月だったかの観世会館での公演でも宗一郎さんがお父上の代役をされておられた。林喜右衛門さんの仕舞、…

菊之助が『マハーバーラタ』を歌舞伎にする!

「徹子の部屋」に菊之助が出演。10月歌舞伎座で、インド叙事詩の『マハーバーラタ』を歌舞伎化した舞台に立つと話していた。観たいのは山々。でも松竹が海老蔵を囲い込んでいる間は松竹主催の歌舞伎は見ないと決めている。件のおばか役者、依然として「死人…

宇高徳成さんの能『鵺』 in「宇高青蘭能之会」@金剛能楽堂9月10日

「宇高青蘭能之会」に出かけるのは初めて。そもそも金剛流の能をまともにみたのは先日の「大文字送り火能」とその前には「京都薪能」、そしてスタンフォード大学との共催だった「インターメディアとしての能」の三回のみ。「インターメディアとしての能」の…

片山九郎右衛門師の舞う能『養老・水波之伝』in 「京都駅ビル薪能」@京都駅ビル室町小路広場9月9日

九郎右衛門さんの山神、鬼気迫っていた。最後の「急」の舞い、テンポが速くなるにつれ舞いのペースも上がる。さらに煽るお囃子。ついて行くというより、むしろそれをリードする舞い。勢いがある。勢い余るかとみえて、きちんとコントロールされている。やが…

「幻の色 よみがえる浮世絵」NHK BSプレミアム『プレミアムカフェ』9月7日再放送(初回放送:2009年)

以下が番組のサイトからの情報。 富山の旧家で大量の浮世絵の版木が見つかった。版木は主に、幕末に活躍した歌川国芳のもので、国立歴史民俗博物館が中心になって分析・研究が進められた。発見を基に、総合芸術としての浮世絵の姿を明らかにする。出演者ほか…

「能楽大連吟」のオリエンテーション@大槻能楽堂9月4日

「能楽大連吟」のオリエンテーションに参加してきた!能に敷居の高さを感じている人は、ぜひご参加あれ。謡を体験するまたとない機会。敷居も高くなさそうだった。フレンドリーな講師陣。彼らの直接の親切かつ丁寧な指導がいただけるまたとない機会。今年か…

こころに激震——現代能『冥府行〜ネキア』能楽座大淀町公演@大淀町文化会館あらかしホール9月3日

この企画を最初に立てたのはギリシャ人演出家のミハイル・マルマリノス氏。賛同した人間国宝の能楽師、梅若玄祥さんが二役で挑み、他の能役者を巻き込んでの公演だった。昨日の公演、小鼓は人間国宝の大倉源次郎さん。この大淀町桧垣本地区は室町時代、囃子…

映画『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』@シネリーブル神戸9月2日

先日『パリ・オペラ座の人々』を終了日の前日に見たのだけれど、そのときに見た予告編で、この作品を是非とも見たいと思っていた。今日が公開初日。以下、オフィシャルサイトからのイントロダクション。 1886年、北米マサチューセッツ州の小さな町アマストで…

その愛、墓場まで。 TTR能プロジェクト15周年特別公演「定家」@大槻能楽堂8月26日

「その愛、墓場まで」なんていう、とても刺激的なキャプションが付いている今回の公演。能、『定家』は藤原定家と式子内親王との秘められた恋を描いている。解説の村上湛氏によれば、実際にも二人が恋愛関係にあったらしい。以下が「大阪アーツカウンシル」…

「棒しばり (ぼうしばり)」in 第27回上方歌舞伎会[国立文楽劇場歌舞伎俳優既成者研修発表会]第一部@国立文楽劇場8月24日

こちらは芸達者が揃っていた。演者は以下。 次郎冠者 中村翫政 太郎冠者 片岡佑次郎 大名 片岡千次郎 中でも『『菅原伝授手習鑑 』で三善清行をしていた中村翫政の次郎冠者がよかった。『手習鑑』でのあのユーモラスなセンスが生かされていた。さすが翫雀の…