yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

英国ロイヤルバレエ『不思議の国のアリスの冒険』(Alice’s Adventure in Wonderland)@ロイヤルオペラハウス9月30日

2013年7月に東京文化会館でロイヤルバレエの同じ作品を見たのだけど、失望した。というのもギリギリでアリスを代役が踊ることになり、それがよくなかったから。今度のロンドンへの旅行はその「リベンジ」を兼ねてロイヤルバレエを見るということで立てたものだった。

ところが、アリスは3年前と全く同じダンサー。プログラムを見た瞬間、泣きたくなった。わかっていれば2万円近くも払って、平土間席を取るんじゃなかった。モーレツに後悔。すぐ後ろに座っていた若い女性二人はダンサーと同じお国の方たち。彼女たちは前もって情報を得ていたんでしょうね。さすが。その他にも同じ目的の人たちがちらほら。日本人はほとんどいなかった。前から2列目のオーケストラピットの真ん前。こんな良席で見るのは初めてだったから、他の演目だったら今頃興奮して眠れなかっただろう。今晩は悔しくて眠れそうもない。

当該ダンサー、3年前よりは上手くなってはいたので、よしとするか。でも近くで見るとどうしてもアラが見えてしまう。アジア人特有の短足。それに顔も体もけっこうゴツイ。整形はしていない(?)ようなのはご立派。でも色黒なのは白人の中では目立ってしまう。先日のパリオペラ座バレエとロイヤルバレエの合同公演(@兵庫芸文センター)でも日本人ダンサーは浮いていた。改めてパリオペラ座バレエとロイヤルバレエとのレベルの差を感じたものである。技術面だけではなく芸術面でも。

これだとメトロポリタンの方が、またNYシティバレエの方がずっといい。CGとかの「冒険」も(お金がある分)はるかに優れているし、面白い。

演出は東京のときよりに良くなっていた。CGを使ったりして、『アリス』のあの世界を目に見える形にしようと努力していた。でもね、どこか泥臭いんです。パリオペラ座の洗練には及ばない。ウィーン国立歌劇団バレエ、ミラノスカラ座バレエと比べると美的にはるかに劣る。もちろん最近のMETとは比べるべくもない。本気度が薄いというか、ギリギリの勝負をしないでいい加減なところでお茶を濁しているというか。でもこれを「お子様向け」と考えればそう悪くはないのかも。

一番の問題、それはダンサーのレベルが高くないことに尽きるのだと思う。平土間席の観客の多くは観光客。私の横も前も子連れのスペイン、イタリア人。こんな人たちを「相手」にしていれば、レベルも落ちる?「土産話」に使われるところに堕ちてしまったのか、ロイヤルバレエ?

そういや、あらかじめ予想できたのかもしれない。もともとパリオペラ座バレエを見に行く計画だったのだけど、2週間以上滞在しないと二つの作品を見られない。そいうことで、今回「妥協」してほぼ毎日のように公演しているロイヤルバレエにした。大失敗。自分の推理力のなさを呪っている。

演技力で秀でていたダンサーを何人か挙げる。

スペードの女王(兼アリスの母) Claire Calvert
白うさぎ(ルイス・キャロル)  Alexander Campbell
魔術師(Mad Hatter)     Paul Clay
料理人             Helen Crawford

スペードの女王役のClaire Calvertが図抜けて演技派で、盛んに拍手を浴びていた。

<追記>
私が怒り心頭でメールをしたものだから、連れ合いから返事が。そこにロイヤルバレエサイトからの引用があった。

Beatriz Stix-Brunell will be performing in Alice’s Adventures in Wonderland from 27 September–27 October 2017.

そう、私もこれを読んでチケットをオンラインで買ったんですよ。しっかりとアリスの配役を確認した上で。Yuhui Choeではなかった。だのに、当日はそうなっていたんですよ。でも「代役」ではなかった。何人かで回していたのかも。来月あたりシネマライブがリリースされるようで、その時は彼女ではないらしい。腹立たしいのでロイヤルバレエの正式サイトをチェックする気も起こらない。運が悪かったとしか言いようがない。

そういえば、カーテンコールもごくあっさり目だった。いくら一階席が観光客だらけだったとしても、上の階にはそれなりの人たちもいたはず。あれでは良い点はあげられませんものね。

現地でロイヤルバレエを見る方は誰が何をやるか、直接問い合わせるかした方がいいかもしれない。誰に当たるかわからないので、十分にご用心を。