yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

パリ・オペラ座&英国ロイヤル・バレエの「バレエ・スプリーム」@兵庫県立芸術文化センターKOBELCOホール8月1日

かなりがっかり。ロイヤルバレエと、全体の構成に。カーテンコールを見ずに会場を後にした。

以下が今日(Cプログラム)の構成とメンバー。

第一部 英国ロイヤル・バレエ団
『ラプソディ』(アシュトン振付)  
 ヤーナ・サレンコ/スティーヴン・マックレー

『ジゼル』第2幕よりパ・ド・ドゥ 
 高田茜/ベンジャミン・エラ

『白鳥の湖』第2幕より 
 金子扶生/フェデリコ・ボネッリ

「アイ・ガット・リズム」 
 スティーヴン・マックレー

第二部 パリ・オペラ座バレエ団
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(バランシン振付)
 マチアス・エイマン/ミリアム・ウルド=ブラーム

『ロミオとジュリエット』(ヌレエフ振付)
レオノール・ボラック/ジェルマン・ルーヴェ

『エスメラルダ』(プティパ振付) 
 オニール八菜/ユーゴ・マルシャン
 
『マンフレッド』(ヌレエフ振付)
 マチアス・エイマン

第三部 パリ・オペラ座&ロイヤル合同チーム
『眠れる森の美女』 ディヴェルティスマン

当日の変更があった。残念だったのはフランソワ・アリュが背中の怪我のため出演できなかったこと。本来なら第二部バリ・オペラ座の2番目の『ロミオとジュリエット』はこの二人にアリュが入った『白鳥の湖』の第3幕だったはず。

アリュは今年3月に東京文化会館での「パリ・オペラ座バレエの「グラン・ガラ」での『ダフニスとクロエ』で見ている。ミルピエの振付けだった。ミルピエは振付け後にパリ・オペラ座を唐突に去った。『ダフニスとクロエ』中の海賊の頭を踊ったアリュが素晴らしかったので、もう一度見たいとこの「バレエ・スプリーム」公演のチケットをとったのに。あの時もジェルマン・ルーヴェとレオノール・ボラックが一緒に踊っていたっけ。おまけにクロエがオレリー・デュポンだったんですからね、これ以上望めないほどの最高の舞台だった!

とはいうものの、今日ジェルマン・ルーヴェとレオノール・ボラックが踊った『ロミオとジュリエット』は全曲中最も良かった。優雅さの点で際立っていた。光っていた。ジェルマン・ルーヴェは舞台に出てきただけで目を引くものすごーいハンサムボーイ。体型も完璧。彼の傍に立つと他の男性ダンサーが貧相に見えてしまう。レオノール・ボラックは繊細で可憐で、少女のよう。この二人がロミオとジュリエットって、あまりにもぴったりすぎるでしょ。情熱的にロミオとジュリエットのラブシーンを演じた。恋人たちの悲劇を暗示するような最後、素晴らしかった。演技としても今日の公演中、頭抜けて一番だった。

オペラ座はすべて良かった。オニール八菜とユーゴ・マルシャンの『エスメラルダ』は二人ともエキゾチックな衣装でジプシーの男女を踊りながらも、形は極めてオーソドックス。

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」のマチアス・エイマンとミリアム・ウルド=ブラームも優雅な中にもきちんと法があったように思う。でもロイヤルオペラのものに比べるとずっと自由度が高い。踊り手の解釈、裁量にかなりの度合い、任せているように感じた。マチアス・エイマンは3月のオペラ座公演の中の「テーマとヴァリエーション」でも見ている。安定感のある男前。

「ロイヤルバレエ」の方はいささかがっかり。日本人のダンサーはやはりかなりハンディをつけて見なくてはならない。体型的にも表現力でも。男性陣ではベンジャミン・エラが良かった。背は高くないけど、力強い踊りだった。ジャンプも決まっていた。

第三部は無理矢理合同にした感があって、いただけなかった。「パ・ド・ドゥを羅列し、それに全体舞踊を無理に入れ込んただけ」という印象。なくても良かった。それか、もっと構成を考えるべき。

一つ学んだこと。こういう二つのバレエ団の合同の舞台を作るという企画は失敗するということ。全く新しい演出をしなくてはならないから。そんな時間も余裕も各バレエ団にないだろうから。またロイヤル、オペラ座といった性質の違う二つのバレエ団はどうやってもインテグレイトするのは不可能。4階の最後列でも八千円というべらぼうな価格のチケット。そこまでの値打ちはなかった。それと、ロンドンで見るのは別にして、英国ロイヤルバレエ団の公演を日本では見ないことにした。パリ・オペラ座とレベルが違いすぎる。そういや、2013年7月の来日公演の『不思議の国のアリス』でも、怒り心頭だったことを思い出した。あの時は主役のアリスが大して上手くない韓国人ダンサーに急遽変更だった。