yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ロイヤル・バレエ『マノン』@ロイヤル・オペラ・ハウス3月29日

はからずもこの日が初日。昨年、ロイヤル・オペラの『アリス』で懲りたので、今回は全く調べていなかった。ナショナルシアターの芝居に行くつもりではあったのだけどチケットがうまく取れず、しかもGood Fridayに当たるので、バレエになった。これで正解だった。オケピから4列目の席をとった。100ポンド弱だったけど、値打ちはあった。座席周りも前回のような観光客がほとんどいなかった。日本人と思しき若い女性たちとはトイレで出くわしたけど。

バレエ『マノン』はフランスの小説家、アベ・プレヴォの『マノン・レスコー』を下敷きにしているけれど、かなり改変されている。とはいえ、(私の記憶が正しければ)雰囲気は極めて近かった。「世界の民謡・童謡」サイトさんがバレエ『マノン』のあらすじをアップしてくださっているので、リンクしておく。

そんなに長くはなく全3幕。それでも第2幕の間にちょっと居眠りしてしまった。悔しい。睡眠時間が極端に少なかったせいだと思う。芝居を見ないで本当に良かった。バレエだと台詞がないから、間がとんでもついて行ける?以下に演者を。

<演者>
指揮 Martin Yates
振付 Kenneth MacMillan

Manon Francesca Hayward
Des Grieux Federico Bonelli
Lescaut Alexander Campbell
Lescaut’s Mistress Claire Calvert
Monsieur G.M. Christopher Saunders

「ケネス・マクミラン(1929-1992)の『ロミオとジュリエット』と並ぶ代表作」とWikiに紹介されているけれど、随所にモダンバレエの要素が。クラッシックとモダンとの絡みが面白い。これも斬新な手法。また演劇、それも前衛的なものとの近似性が高い。また、現実と非現実の境目を表現するよう所作も多くあった。特に主人公二人が絡み合う踊りがサイコアナリティカル的表現で、衝撃だった。とはいえ、あのポルーニンの超前衛と比べるとまだ大人し目だったけれど。マクミランのような振付師の元だったら、ポルーニンもロイヤルバレエを出なくても良かったのかも。

主役のマノンを踊ったダンサーはとても若いながら、少女っぽさと娼婦性というマノンの二面性を見事に出してすばらしかった。 母、ケニア人、父、英国人の混血。すでに賞をいくつも獲っている。彼女についての記事をリンクしておく。

相手のデ・グリュー役のFederico Bonelliは去年8月、芸文センターで見た「バレエ・スプリーム」に出演していた。顔も姿もこれ以上望めないくらいの「王子様」っていう感じ。跳躍も綺麗だった。それと嬉しかったのが、去年当地で見た『アリス』で印象に残った踊り手が出ていたこと。白ウサギを踊ったAlexander Campbellと料理人だったHelen Crawford。今回もそれぞれのキャラにうってつけの滑稽な役を演じて見事。