yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

菊之助が『マハーバーラタ』を歌舞伎にする!

「徹子の部屋」に菊之助が出演。10月歌舞伎座で、インド叙事詩の『マハーバーラタ』を歌舞伎化した舞台に立つと話していた。観たいのは山々。でも松竹が海老蔵を囲い込んでいる間は松竹主催の歌舞伎は見ないと決めている。件のおばか役者、依然として「死人商売」に勤しんでいるよう。でも歌舞伎の大舞台からは完全に外されている?そもそもまともな役者は閲覧数を稼ぐためにアメブロをしたりはしないだろう。「海老蔵一味」の役者のみ。おぞましい。世界にその軽薄さ、知性のなさをアピールして(晒して)、いかほどの「得」があるんでしょうか。

すでに地歩を築いてきた猿之助、中村屋兄弟(勘九郎、七之助)、それに染五郎が主導、実践している感のある歌舞伎「ニューウェーブ」。彼ら優秀な旗手に加えて優秀な若手役者がそれに連なっているのを見ると、歌舞伎の明るい未来が見えるような気がして、心からうれしい。

菊之助はどうするんだろうって、思ってきた。長谷部浩著、『菊之助の礼儀』を読んでからは、特にそう思っていた。なんと来月インド叙事詩、『マハーバーラタ』を歌舞伎の舞台にかけるという。演出は静岡県舞台芸術センター総監督の宮城聰氏。菊之助が三年前に宮城氏の『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』を見たのがきっかけらしい。「歌舞伎美人」サイトから
以下にその経緯を。

宮城聰の舞台『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』を見た菊之助が、「歌舞伎にできるのではないかと思い、宮城さんに相談させていただいたのがスタート」。しかし、そのまま歌舞伎にするのではなく、長い「マハーバーラタ」のなかの見せ場を選び出し、「間には所作事も義太夫も入ってまいります。歌舞伎のエッセンスと『マハーバーラタ』のエッセンスがぎゅっと凝縮したものを」、目指しています。

なんともすごい舞台になりそう。菊之助は迦楼奈とシヴァ神になるらしい。菊五郎を始め菊五郎劇団の役者陣に時蔵。それに萬次郎、亀蔵という「ニューウェーブ歌舞伎」の常連たちも加わる。上方からは鴈治郎と錚々たる面々。何よりも期待できるのは七之助、梅枝、児太郎の若手たち。進境著しい児太郎をみたいなーっと、想いは募る。あんな長〜い作品をどうするんだろうって心配したら、かなり短くまとめるらしい。それも見たいと、口惜しい。

「徹子の部屋」での菊之助、インド訪問について語っていた。日本大使館で日本舞踊を披露したらしい。ガンジス川とインドの人々の信仰のあり方に感銘を受けたという談、『マハーバーラタ』の背景にあるインドの精神、哲学を掴み取ろうとする真摯さが感じられ、真面目な彼らしいなと思った。

それにしても『マハーバーラタ』なんて!ピーター・ブルック演出のものを録画を借りて見たことがあるけど、途中で頓挫。何しろ9時間の上演時間なんですからね。去年末に見た『繻子の靴』並の長さ。そのままでは今の観客の忍耐力に合わない。歌舞伎版『マハーバーラタ』、3時間前後になっているのだろう。それでも十分に長い。先日大淀町でみたホメロスの叙事詩『オデュッセイア』をもとにした能の『冥府行—ネキア』は3時間弱だったけれど、あれほどがちょうど良い長さ。

ギリシャ叙事詩を能仕立てにする試みと言い、インド叙事詩を歌舞伎にする試みといい、意欲的な挑戦。結果云々よりも(結果も良いに決まっていますが)、その発想とそれを実行する心意気がすばらしい!伝統芸能の未来は明るいと確信させられた。