yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

歌舞伎観劇東京遠征総評

7日、悪天候のため、神戸空港午後1時発の羽田行き便がキャンセルになり、仕方なく新幹線で東京へ。ポーアイにある医療センターでCT検査結果を11時に聞く必要があったため神戸空港出発にしていた。その結果が心配で、何日も前から気もそぞろ。一応ほっとはしたのだけど、忘れ物がいっぱいあった。いちばん困ったのが歌舞伎会のカード。切符を引取機から発券できなくて、明治座、歌舞伎座の切符売り場の方たちに迷惑をかけてしまった。

こんなドタバタだったけど、収穫は十分過ぎるくらいあった。新幹線を使ったおかげで、午後5時からの明治座夜の部に間に合った。ラッキーだった。「浮かれ心中」は井上ひさし原作の歌舞伎。戯作者が主人公。戯作(黄表紙)のバカバカしさをそのまま実生活でやってみせる主人公の徹底ぶりを、勘九郎が芸達者に演じて見せた。勘九郎には裏切られたことが一度もない。すごい役者になられた。

翌8日の明治座昼の部では、菊之助の『女殺油地獄』に唸った。また別に詳しく論じたい。菊之助には昨年5月の『合邦』といい、今年1月の『小狐礼三』といい、最近唸されっぱなし。同じく昼の部の「葛の葉」は、安倍晴明関連ということもあり、見逃さないで良かったし、「末広がり」は能もどきの作品で趣向が面白かった。勘九郎の軽妙さが光っていた。

午後から歌舞伎座へ移動。夢枕漠原作の『幻想神空海』を見るため。主演は染五郎、相方が松也。あと、そうそうたる面々がサポート。でも期待したほどではなかった。それは何年か前に見た同じ原作者の『陰陽師』にもいえた。こちらは染五郎、海老蔵主演だった。

今日9日は歌舞伎座の昼の部を見た。あまり期待していなかった『不知火検校』の幸四郎が素晴らしかった。染五郎も重要な役でのワキだったのだけど、これは完璧に幸四郎の舞台。とにかく圧巻だった。