yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

新年の歌舞伎観劇(於東京)総括

昨日から風邪(多分インフルエンザ)で熱がある。今回の東京遠征、かなり強行軍で無理をしてしまったからかもしれない。

1月2日は浅草公会堂の「新春浅草歌舞伎」での若さ溢れる舞台にこちらもその熱気が感染、元気をもらえたけど、翌3日の歌舞伎座の昼の部途中で体調が悪くなった。結局昼の部の最後の演目、『一本刀土俵入』を端折った。幸四郎では病を押してみる気にはなれなかた。夜も「早退」するつもりが、猿之助渾身の「黒塚」だというので、残って観た。これは大正解。調子の悪いのをすっかり忘れて最後まで観た。以前に観た猿之助自身の「黒塚」をはるかに凌駕していた!

4日は国立劇場へ行こうかとも考えていたのだけど、かなり調子が悪かったので止した。菊五郎だしね。今朝起きると熱はあるし、咳きがとまらない。やっぱり良くない。

あらためてこの1月の東京の歌舞伎公演一覧を観ると、実に壮観!これじゃ関西の松竹座は敵いませんよね。並べてみると:

「新春浅草歌舞伎」@浅草公会堂
主たる出演者:松也、歌昇、巳之助、種之助、米吉、隼人、児太郎

「壽初春大歌舞伎」@歌舞伎座
主たる出演者:玉三郎、猿之助、勘九郎、七之助、染五郎、笑也、門之助、吉右衛門、幸四郎、錦之助、松江、廣太郎、又五郎、魁春、芝雀、歌六、東蔵

「初春花形歌舞伎」『石川五右衛門』@新橋演舞場
主たる出演者:海老蔵、獅童、(市川)右近、笑三郎、猿也、孝太郎

「初春歌舞伎公演」通し狂言『南総里見八犬伝』@国立劇場
主たる出演者:菊五郎、菊之助、時蔵、松緑、亀三郎、梅枝、(尾上)右近、萬次郎、左團次、彦三郎

この役者群をみると、歌舞伎の名題役者、総出であることが分かる。関西にいると「アンフェア」感に悩まされる。

観れたのは浅草公会堂を昼・夜、歌舞伎座の昼・夜だけ。それでもこれだけ詰めこんで予定を組むと「苦行」に近くなることもある。

今回の歌舞伎観劇、全体としては浅草の「新春浅草歌舞伎」が最も良かった。歌舞伎座では予想通り、玉三郎の「蜘蛛の拍子舞」(昼)と猿之助の「黒塚」(夜)が圧巻だった。どちらも「変身」もの。最後はぶっかえりで妖怪になるところも共通している。昼夜で対になるよう、プログラムが組まれていたのだろう。二つ並べると、ホント、甲乙つけ難い。でも哲学的な内容ということでは「黒塚」に軍杯があがる。海老蔵の実験的な『石川五右衛門』(これも変身譚だけど)を見損ねているが、いずれ南座にかかるだろう(と期待している)。