発言を引用させていただく。
（西村宮内庁長官は）天皇が名誉総裁を務める東京オリンピック・パラリンピックが近づいてきたことについて質問され、こう語ったのである。 「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変ご心配しておられます。国民の間に不安の声があるなかで、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察しています。私としましては、陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないよう組織委員会をはじめ関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい、そのように考えています」。
私はこの宮内庁長官のこの発言を評価している。 Yahooのコメントも多くがそちらである。
五輪は憲章にもあるように政治を超越しているので、陛下がいかなる発言をされても問題はないはず。しかし実際の五輪はどっぷりと政治とそれに絡む利権にどっぷりとつかっている。今回の五輪もまさにそう。実態を知れば、「何がスポーツの祭典」だよ！と怒りしか湧かない。今上陛下は名誉総裁を押し付けられ、嫌でもこの利権がらみの祭典と付き合わざるを得ない。そしてコロナの第五波到来かと憂慮される中、本当に心を痛められておられるのだ。それでもこのまま放置すれば、陛下が「名誉総裁」として否応無く五輪に拘らざるを得なくなる。陛下がどれほどの辛さを感じておられるのか、この長官発言を前にして今、やっと、真にわかった気がした。
陛下はそのお立場を考えられた上、極力「政治色」を中和させた長官発言として懸念を表されたのだと思う。陛下の国民へのご心配、憂慮が「間接発言」として私たちの目の前にある。改めてありがたいと思った。陛下の国民へ寄り添われる声を直接聞いたようにも感じた。陛下の思いはさらにもう一歩先を見ておられて、国民の命を真に慮るならそれをしっかりとした感染予防対策として出すべきだと政府に訴えておられる。またそれができないならという含みもあるようにも思う。国民を何処かに置いてきている菅政権への「国民の目線で考えなさい」という精一杯の促しがあるように感じた。さすが懸命な陛下である。
陛下はコロナ禍でも専門家をなんども皇居に呼ばれて講義を受けられるとともに、実際市中で何が起きているかに心を砕いてきておられる。それは皇后陛下も同じだろう。前の天皇皇后夫妻が形だけの慰問でお茶を濁してきたのとは全く違った姿勢である。
この長官発言以降、ネットでは色々な意見が出ているけれど、どうもこの発言を反天皇（今上天皇に対する）派の「陰謀」だというものがある。「今上天皇のみ心を捻じ曲げた」もの、それによって「今上陛下を貶めるものだ」と断じているものまであった。麗沢大の八木教授などはその典型。『夕刊フジ』記事から引用する。
麗澤大学の八木秀次教授は「憲法上、天皇陛下は国民全体を超越してまとめられ、統合するお立場である。西村氏の発言は『皇室を代表した発言』と受け取られかねない。五輪を中止に追い込みたい人々は必ず政治利用するだろう。敵と味方をつくることにもなりかねない。これは陛下のお立場として望ましくない。『拝察』発言は表に出してはいけない言葉だったのではないか」と語っている。
この人の来歴やら発言集をWikiで確認したけれど、カメレオンのような人ですね。この類が多いんですよね、男系男子派や元男系男子派には。節操がないのに、いかにも自分が権威者であるかのように発言する。いわゆる皇室がらみの「学者」もどきにはこんなインチキな輩が多い。
西村長官経由の「天皇陛下の真の想い」は突き詰めれば「民の命を守るなら、五輪は無理」だということではないだろうか。あるいは国民の命を犠牲にして五輪をやるなら、その意味をはっきりしなさい。政府はその上で覚悟してやるべきというものではないか。予防のみならず、補償もしっかりとしてということ。
そして今何が起きているか？
泉佐野市に入ったウガンダ選手団からすでに二人のコロナ陽性者（それもインド株）が出ている。世話係の市職員にも感染者が出ている可能性もあり。他にもフランス選手などからもインド株（デルタ株）感染者が出ている。まだ前哨戦の前段階でこのありさま。あと、選手団、関係者等々で３万人もの人が入国する。先のウガンダ選手たちも２回のワクチン済み、PCR検査を受けての入国だったという。だから入管で感染者流入を止めるのは無理ということ。感染者も含めてその対応に当たるのは各自治体になるという。こんなの不可能ですよ。３万人にどう対応するんですか！しかも感染力が強いデルタ株がそのほとんどを占めると予想され、それが世話人たちに、さらには一般の人に蔓延する可能性が極めて高い。かたや日本の状況、7月末時点で２回のワクチン接種済みの国民がどれほどいますか？絶望的である。
大量にやってくる（何万人？）メディア関係者もしかり。選手よりも管理できない分、市中にデルタ株が拡散、大蔓延する可能性が非常に高い。奴らは止めても出歩きます。私の経験から断言できます。日本人のような行動を期待しても無理です、ハイ。
第４波の時、医療体制が逼迫して、アウトなんていう自治体もありましたよね。五輪で出る大量の感染者、重症者に対応するなんて、到底無理！絶対無理！
犠牲になるのは私たち国民ですよ。政府がこれに終止符を打たない限り、ものすごい惨事が待っています。IOCの利権、並びにスポンサー企業が絡んでいるので、NO!と言えない政府。あなたたちはどちらを向いて走っているの？少なくとも国民の方に向かってではないですよね。
大体が海外ではこんなコロナ蔓延時にオリンピックなんて、「狂気の沙汰」と思われているはず。そんな日本人を連中の好きな「神風特攻隊」になぞらえているのではと危惧している。
もう一つネットから拾った記事を引用させていただく。これは2014年冬季オリンピックの候補国にあがったものの、IOC の腐敗ぶりに怒ったノルウェー政府と王室が招致をキャンセルしたというもの。題して「 オスロ五輪招致撤退はＩＯＣの接待要求のせい 聞きしに勝るＩＯＣの「たかり体質」にあきれ、冬季五輪から逃げ出したオスロ」（ byベン・マティスリー NewsWeeK 2014年10月10日）
22年冬季五輪の招致レースから、ノルウェーのオスロが撤退した。理由は、大会後に無用の長物になる競技場に巨費を投じるのがばからしくなったから。さらに、ＩＯＣ（国際オリンピック委員会）が、いかさま貴族の腐敗組織と分かったからだ。
ノルウェー国民が半ばあきれ、半ば憤慨したのが、五輪開催中に必要とされた豪華接待。その内容を地元ベルデンスガング紙の記事から抜粋すると──。
■ＩＯＣ委員は開会式前に国王と面会。式後のパーティー費用はノルウェー王室かノルウェーの組織委員会が持つ。
■公道に委員専用車線を設ける。
■各委員のホテルの部屋に組織委員長とホテル支配人の挨拶状と、季節の果物と菓子を届ける（２月のオスロで季節の果物を見つけるのは至難の業だが）。
■ホテルのバーは営業時間を夜遅くまで延長。ミニバーにはコカ・コーラ社の飲料を置く。
■空港でＩＯＣ会長の歓迎レセプションを行う。空港には委員専用の出入り口を設ける。
■開閉会式には各種アルコールを準備し、競技期間中は会場のラウンジにワインとビールを。
■委員のホテル出迎えは笑顔で。
■会議室の温度は常時20度に。
■会場のラウンジに温かい食事を用意し、メニューは定期的に入れ替える。
同様のことを日本にも要求しているはず。陛下との面会やらパーティも入っている？陛下はこのことをご存知だったのでしょうね。イカサマIOC のいいなりになる現政権への怒りを感じるのは私だけでしょうか？
例の小室のバカ・エゴ丸出しの28枚レポートを評価した西村宮内庁長官。今回はちょっと見直した。失望でなければいいのだけれど。私が直感したのは、ミテコ庁と揶揄されている宮内庁の風向きがごく最近変わったのではないかというもの。「今になってやっと陛下への恭順か」なんて感じた。これは私の読み違い？そうでないことを切に願う。ひょっとして「前」に何か起きている？
