yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『あわての安太郎』たつみ演劇BOX@新開地劇場10月3日夜の部

以前に一度見たお芝居。でも記事にしていないので、以下ざっとあらすじを。

あわて者なので「あわての安太郎」と異名を取っている粟津の安太郎(たつみ)。旅をかけている途中に雨宿りをしたところがうどん屋。夫婦でやっている店で、あいにく亭主(愛)の方は昔のヤクザ仲間とともに出かけて留守。女房(京香)に、出前に出ている間、赤ん坊の面倒を見ていてくれるよう頼まれる。うどん代を無料にすると言われて、引き受けた安太郎。ここでの女房との掛け合いが笑えます。出てきたうどんはなんと「どん兵衛」。これにも笑えます。赤ん坊の扱いのあまりにものひどさにも笑えます。

亭主の方は道中、元仲間に背中を刺される。女房に横恋慕した親分の命令だった。親分はかしわ屋鳥兵衛といい、土地の鼻つまみ。子分たちが亭主にトドメを刺そうとしたところに、出前帰りの女房とばったり。鳥兵衛子分たちは勢い余って女房をも斬ってしまう。そこにやってきたのが赤ん坊をドスにぶら下げた(!)安太郎。物音を聞きつけて子分たちは隠れる。安太郎は虫の息の亭主から事情を聞き出す。この場面も例によってのたつみさんの愛さんいじり。言葉に長けたたつみ座長。その詭弁、饒舌に散々コケにされる愛さん。ちょっとお気の毒。笑い転げましたけど。亭主は赤ん坊を自分の妹、「稲妻のおしん」に託すよう言い遺して絶命。

所変わって藤屋一家。安太郎の一家。親分(宝)は鳥兵衛と違い徳の高いことで有名。その娘(みつき)と代貸の政吉(ダイヤ)は恋仲。二人を温かく見守る藤屋の親分。そこへかしわ屋一家に賭場でいちゃもんをつけられ追われてきた渡世人の女(小龍)が。事情を聞いた親分はその女を自分の妹の所へ預けることにする。娘と政吉はそれについて行く。

女を追って藤屋にやってきたかしわ屋鳥兵衛(瞳太郎)と子分たち。女渡世人を渡すように藤屋親分に談判する。とぼける藤屋親分。しかも親分は鳥兵衛に説教をする。なんでも鳥兵衛は元は乞食。藤屋の親分に拾われ、やがて一家を構えるようになったのだとか。乞食だった昔を忘れず、人には親切にするようにと諭す親分。それに怒った鳥兵衛、親分を刺し殺す。子分に親分を殺したのはかしわ屋一家だというメッセージを残すようにいう。瞳太郎さんの親分、鶏をイメージさせるものすごいメイクで笑えます。後でたつみさんがおっしゃったように、彼って、こんなキャラ?路線変更?

一家が去った後に戻ってきた娘と政吉。父の遺体を発見して驚く娘。怒った政吉は仕返しをしようと飛び出す。それを知った女渡世人も政吉の後を追って飛び出す。娘が嘆いているところに赤ん坊を抱いた安太郎が帰ってくる。なんとドスの先にオムツを3枚ブラさてている。その安太郎も、娘から話を聞き助っ人に飛び出して行く。

政吉、女渡世人、そして後を追ってきた安太郎とかしわ屋一家との立ち廻り。鳥兵衛は間抜けなことに子分たちに斬られる。子分たちも互いに斬りあった末に死んでゆく。この後、女渡世人が「稲妻のおしん」と分かった安太郎、赤ん坊を彼女に渡す。

ここからが大団円(?)大笑いの連続。おしんに兄の絶命のサマを「実演」してみせるというデンで、たつみさんが愛さんの臨終のサマを真似てみせる。一人二役。口真似が愛さんのそれにあまりにもそっくりなので、びっくり!ウルトラおかしい。すごい記憶力。おしんは安太郎に二人で旅をかけたいという。もちろんそれはプロポーズ。受ける安太郎。ドスを捨てた二人の旅出を見送る政吉と娘で幕。

たつみさんの口上でも発表があったのだけど、10日までの演目一覧のチラシが受付に。以下。

4日  青雲街道
5日  旅の風来坊  
6日  勘太郎夢枕
7日  留八しぐれ
8日  雪の渡り鳥
9日  夜叉ヶ池
10日  梅川忠兵衛

長谷川伸あり、泉鏡花あり、そして古典の近松ありで、意欲的。

14 日に恋川純弥さん、18日に都若丸さんがゲスト。
なお、18日のお芝居は私が昨日記事に書いた通り、鶴屋南北の『盟三五大切』(かみかけてさんごたいせつ)だった。間違ってなくて、ホッ。