yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

東京歌舞伎観劇総括

まず、悪かったものを。

最悪は海老蔵の自主公演。8500円の値打ちはなかった。南座での『源氏物語』もそうだったのだけど、コラボした異ジャンルの人たちが二流以下。海老蔵さん、あなたには人を見る目がないんですね。それとも、意図的?

あとのものは、予想をはるかに超えて、良かった。中でもいちばんよかったのは今日観てきた『鰯売』。勘九郎、七之助の二人を見直した。きっとお父様の霊が降りてきていたんでしょうね。三島歌舞伎に新しい「解釈」を施したことに脱帽!故勘三郎さん、そして三島がさぞ喜んでいることでしょうね。何か霊気のようなものを舞台に感じたのは、私だけじゃないのでは。

そして、なんといっても玉三郎と仁左衛門。『伊勢音頭』での玉三郎の万野。これぞ周知の 最高配役だろう。喜助役の仁左衛門も爽やかで実直で、そして男前で、彼のニンだった。いわば伝説になっているお二人を同じ演目で観ることができたとは!一番の収穫かも。しかも『伊勢音頭』と「寺子屋」 の二つで。なんという贅沢。

新橋演舞場の猿之助歌舞伎も予想を上回って良かった。右近の『俊寛』は今まで見てきた俊寛の中では最高。大抵退屈しているこの演目で、初めて泣いた。俊寛の悲劇を新しい切り口で魅せてくれたから。

猿之助の『金幣猿島郡』も原作が南北だけあって、ケレン味満載で楽しかった。立ち回り等、まるで大衆演劇。元々は武智鉄二の演出らしい。サスガ!

詳しいレポは帰ってからにする。

芝居とは離れてうれしかったこと。それは人との出会い。以前にオケピで歌舞伎座のチケットをお譲りした東京在住の方と公演後にお茶をした。亀治郎時代からの猿之助ファンとのこと。この日たまたま同じ日時の公演を観ることが分かり、初めてお目にかかった。素敵な方だった。12月、もしくは1月にも歌舞伎を観に東京遠征を考えているので、その折には日を合わせましょうということになった。オケピでは何回か譲渡したり、されたりしているけど、こんなことは初めて。縁の不思議を思う。