yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

10月の東京の歌舞伎が大変なことになっている

この10月、新橋演舞場での「花形歌舞伎」に行く予定を組んでいたが、歌舞伎座の「大歌舞伎」はパスするつもりだった。ところが内容を調べたところ、垂涎ものの演目、演者が打ち揃っていた。新猿之助の獅子奮迅の働きになるに違いない「花形歌舞伎」の「三代目猿之助四十八撰」演目も観たいのはやまやまである。市川右近、歌六、錦之助以外はほぼ一人で演じるようなので、期待は高まる。

「花形歌舞伎」に対する「大歌舞伎」にはなにしろ玉三郎が昼夜ともに出る。しかも、昼の部最後の『伊勢音頭』ではあの(当り役)万野を演じるのだという。うれしい!一度観たきりで、ずっとまた観たいと思っていた彼の万野。前観た折には福岡貢は仁左衛門だったが、今回は勘九郎。でも仁左衛門も喜助役で出る。

その上、これもまた私にとっては再度みることが叶わないかと思っていた三島由紀夫の『鰯賣戀曳網』が、夜の部の最後を飾る。ただ残念なのは傾城蛍火を演じるのが前観た折の玉三郎ではなく七之助なこと。この公演が「勘三郎追善公演」ということなので当然といえば当然なんだけど。玉三郎が稽古をつけるに違いないから、その点では期待ができる。猿源氏は前の勘九郎がもういないから、これも当然ながらその息子の今の勘九郎が演じる。

夜の部の「寺子屋」では玉三郎は松王丸の妻、千代を演じる。松王丸は先月7月の松竹座公演のときと同じく仁左衛門。先月の松竹座公演では千代は時蔵だった。だからこの「寺子屋」も特別な演目。かっての孝夫・玉三郎のコンビの復活である。先月の松竹座公演では仁左衛門は病み上がりを感じさせない好演だったので、この「寺子屋」もきっと期待に応えるものになるだろう。

優先度からいえば、やっぱり玉三郎を取る。彼がいつ役者を辞めると言い出さないともかぎらないから。演出家という選択肢を選びそうな気がずっとしている。だから常に「これが見納め」と思いながら、観た方がいいのかもしれない。10月の公演も一回だけみるのではなく、最低二回づつ観た方がいいのかもしれない。