yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

7月の歌舞伎公演@歌舞伎座

歌舞伎座、7月公演を昼夜ともに取ったのだが、Wifiの基地局が工事中だったため、先行販売を上手く利用できず、あまり良席でない。残念。この公演、澤瀉屋を中心にしたものになっている。そこに海老蔵と玉三郎が加わっている。涎がでそうな布陣。

昼の部の最初の演目、『正札附根元草摺』は私には初めての演目。大好きな笑三郎さんと市川右近さんとの共演。舞踊のよう。

そして真打ちの『夏祭浪花鑑』。海老蔵の団七、玉三郎のお辰、それになんと!中車の義平次。海老蔵の団七はみたことがないのでデータベースで検索したら、2008年から演じていて、今回が5回目らしい。玉三郎のお辰はみずとも適役だとわかる。でも1989年9月の歌舞伎座のものが初めてで、今回はまだ2回目のよう。中車の義平次、先日の『一本刀』の茂兵衛がもうひとつだったので、ちょっと心配だけど、義平次の方が「歌舞伎」色を出さずに演じられる役だから、良いかもしれない。2004年の勘九郎の『夏祭』では笹野高史が演じたくらいですからね。笹野はちょっと歌舞伎役者よりオーバーな演技だったけど、(だからこそというべきか)義平次のワル振りを巧く出せていた。

やっぱりあの壮絶な義平次殺しの場面が注目度ナンバーワンでしょうね。勘九郎と笹野とのものも斬新だったから。私は以前に3回みていて、吉右衛門、幸四郎の団七はおぼえているけど、そのときの義平次は印象に残っていない。2013年の愛之助の団七、壱太郎のお梶、吉弥のお辰の組み合わせは初々しくて良かった。このときの義平次は嵐橘三郎だったようだけど、印象に残っていない。

海老蔵の団七、中車の義平次の組み合わせでは、(この場面は義平次を軸に回るから)どこまで中車が「ワル」にふみこめるか、迎えうつ海老蔵がどこまで溜めた演技ができるかというところがみどころだと思う。

夜の部はなんといっても『天守物語』。玉三郎・海老蔵という現在考えうる最高のキャスト。松竹のシネマ歌舞伎の『天守物語』を見逃しているので、これは本当に楽しみ!玉三郎が「引退」なんてこと、言い出さないとも限らないので(ここ数年はその「心配」があったから)、今見逃したら、永遠に実際の舞台では観れないかもしれない。泉鏡花にこれほど似合う役者はいない。泉鏡花の耽美性を出すのに、今までだって彼と伍する役者はいなかったしこれからも出ないだろう。