yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

英国でアメリカの大学への進学が増えている

とんとご無沙汰していたTwitter、昨日電車の中で久々にみると、興味深いニュースがいくつもあった。その一つが昨日の “BBC Radio 4 Today”のもので、「英国の高校生がアメリカの大学への進学を奨励されている」というものだった。 で、“Why UK students are increasingly looking to US universities”で検索をかけた。なんと一昨年あたりからこういう現象が起きていたことが、検索結果から分った。「あの誇り高いイギリス人、イギリスの大学がネー」と驚いた。この元のソースはイギリスのThe Times誌の Higher Educationの記事]だった。さるトラストがイギリスの高校生向けにアメリカの大学でのサマーツアーを企画していて、盛況だとのことである。アメリカの学費は高いので有名だけれど、優秀な学生へは潤沢な奨学金が寄与されるので、トータルでみると割高ではない。それに将来のキャリアに重点をおいて考えると、やはりアメリカの大学ということになるようである。コスパ的にいうと、断然お買い得ということになる。

このサイトでは2011-2012の世界大学ランキングを発表していて、その50位までは圧倒的にアメリカの大学だった。10位までは以下の結果である。

1 Califonia Institute of Technology
2 Harvard University
3 Stanford University
4 University of Oxford
5 Princeton University 
6 University of Cambridge 
7 Massachusetts Institute of Technology
8 Imperial College London
9 University of Chicago 
10 University of California, Berkeley

自国の大学が入っているのはOxford, Cambridge, それにImperial College Londonのみで、あとはすべてアメリカの大学である。ちなみに私の母校のペンシルバニア大は16位だった。日本勢は30位に東大、52位に京大が入っていることから分る通り、惨憺たる評価である。でも忌憚ないところをいえば、その程度だろうとは納得できる。

先ほどの検索結果の中でもう一つThe Timesとならぶ見識のあるGuardian誌もGuardian Professionalで世界大学ランキングを発表していた(The top 200 QS World University Rankings 2011、2011年9月5日付)ので、入ってみた。以下の結果である。

1 University of Cambridge
2 Harvard University
3 Massachusetts Institute of Technology (MIT)
4 Yale University
5 University of Oxford
6 Imperial College London
7 UCL (University College London)
8 University of Chicago
9 University of Pennsylvania
10 Columbia University

ここでもイギリスの大学は上のものより増えてはいるが4校のみである。我が母校は9位。Princeton(13位)より上というのはいささか(?)と思うけれど、この結果と上のThe Timesのものを比較すると何に重点を置いて評価したのかがよく分かる。The Timesの方は理系の充実度、Guardianは実学的充実度がより重視されたのではないかと思う。ここで東大は25位、京大は32位だった。評価基準のうち日本勢が弱かったのがCitations Per Facultyのスコアだった。これは英語で発表される論文の数、それと質が低いことを意味している。The Timesの方は評価の詳細がわからないのだけれど、おそらくResearch, Citationsの項が低かったのでは。

先ほど朝のニュース番組中に東大がインドで優秀な学生を獲得しようとしているというドキュメントが流れたが、インド人学生はおしなべて日本への留学には消極的だった。インドでは日本のアニメ、マンガ文化が広く人気を集めているけれど、キャリアを考えるとなると、アメリカへの留学を希望する学生が圧倒的に多いことが分った。

東大が海外に出向いて行ってまで優秀な学生を確保しようとしているのは、今までのイメージからは想像もつかないが、「開かれた大学」を標榜してゆくのであれば、避けて通れない道筋だと思う。ペン大にいるときも世界中の大学から「学生狩り」(?)、つまり留学の誘いが来ていたので、驚いたことがある。優秀な人材をリクルートするというのはビジネス界のみでおきていることではなく、もっと早い時期から存在することに気づかされた。大学も「サービス業」の一環として捉えるなら、こういう「青田買い」は意味がある。東大だけでなく、日本の大学が進出して欲しいけれど、それには大学そのものを世界の大学生(高校生)からみたときに魅力的なものにする必要があるだろう。現状をみるかぎり、それはかなり難しいように思わざるを得ないけど。