yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

4月の文楽公演

友人がメールをくれて、いっしょに文楽を観に行こうといってきた。私自身も一ヶ月前からそのつもりで、冷蔵庫の上に演目表を貼付けていたのに、彼女に連絡をとるのを忘れていた。

彼女とは歌舞伎も文楽も毎年2回は一緒しているし、最近では大衆演劇も一緒している。ご実家が大阪船場の商家(谷崎の『細雪』の舞台)、踊りも名取りなので、文楽はとくに身近に感じられるという。お父様もずっと義太夫をやっておられたというように、上方文化の中で育ってきているので、何を観てもとても的確な批評をしてくれる。

彼女に電話をして、文楽劇場第二部の『女殺油地獄』をみることにした。で、先ほど席を確保した。ちょうどいつも二人で座る席がとれた。

文楽劇場のサイト(http://www.ntj.jac.go.jp/performance/3851.html)に入ってみて驚いた。今度襲名する竹本綱大夫 改め 竹本源大夫 さんが急病で、豊竹始大夫さんも病気療養中、竹本津國大夫さんも病気のため、この主要メンバー三人が4月文楽公演を休演するとのことだ。

去年の11月だったか、文楽公演に3回出かけたが、その時に主要な、そして中堅の太夫さんたちがずいぶんと「老けられた」という印象をもった。太夫さんたちは厳しい修行に励んでおられると同時に、毎月身体をはって「語る」ことに全神経、体力を傾注されるから、その消耗度はフツウ人間とは桁違いだとは想像がついてはいたが、げんにかなり「消耗」されている姿を目の当たりにすると胸が痛くなった。過酷ですね、芸を極めるということは。大衆演劇においても芸道に励まれている役者さんはさぞきつい毎日を送っておられるのだろうと、これまた胸が痛くなる。なんとか応援したいと「親心」が起きる。

『女殺油地獄』は歌舞伎では何回か観ているが、文楽では初めてである。私としては嶋太夫さんの切りを聴きたかったけど、咲太夫さんのも悪くないだろう。咲太夫さんはあの伝説の太夫、山城少掾の直弟子、綱太夫の息子さんで、先日観た時は実力のある太夫になっておられた。この役は当然だろう。嶋太夫さんは同じ夜の部の『碁太平記白石噺』の切りをつとめられるので、彼の舞台を聴くことはできるわけである。

楽しみである。