yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

能学のお誘い「Let’s go to Nohgakudo 〜タダで能楽を見よう〜」が秀逸

「こっこ」さんという方が運営される能楽サイト。能を見るようになってから公演情報を得るのに、毎日のようにお世話になっている。つい先ごろHPがあるのを発見、リンクしておく。なんと、2003年から続けておられるんですね。感謝です。

nohgaku.fan.coocan.jp

トップページのリストにある「タダで観る」から「〜タダで能楽を見よう〜」にとべる。

行きつけの能楽堂の無料公演鑑賞法とでも言おうか。博多在住でいらっしゃるので、大濠公園能楽堂の公演ではあるけれど、全国にある大きな能楽堂はほぼ同じ条件だと思う。私が頻繁にお世話になっている京都観世会館もこの中に書かれていることがほぼ当てはまる。

「5」の「潜入!」なんて、まさにそのまま。いわゆる素人さんたちの発表会(社中会)の様子、そこに潜り込む際に気をつけること等、とても懇切丁寧に解説してくださっている。

私自身、能を見始めた3年前は右も左もわからず(今でもよくわかっていない?)だった。とはいえその魅力(魔力)には勝てず、できうる限り多くの観能体験を積みたいと切望するようになった。能公演に出かけた折に収集した「社中会情報」、それがどんなものが知らないまま参加、無料だというのに心底驚いた。もちろん素人の発表会ではあるものの、「素人」演者以外は全てプロの方だったから。それが吉井基春師の神戸湊川神社「神能殿」での社中会だった。それからは、ほぼ毎週能公演に出かけたけれど、その半分位は社中会のもので、感謝してもしきれない。もちろん社中会の素人演者の方々には特にそうである。能楽のチケット代は他の芸能に比べるといたってリーズナブルではあるものの、数多く観るとかなりの出費になる。それを補ってもらったのが無料!の社中会だった。

こっこさんがとても含蓄のあるメッセージを残しておられる。

かめばかむほど味が出る昆布のような芸術なので、良く分からなくても4~5回は耐えて下さい。そのうちなんとなく面白い気がしてきます。(観る側に忍耐を要求する芸術って他にないぞー(笑))

能楽は他の芸能にはない何かを与えてくれる。それは一回見ただけではピンと来ないかもしれない。でも着実に種を撒いてくれる。場数を踏むうちにその種が育ち枝葉が確認できるようになると、しっかりとした手応えを感じてうれしくなる。ある期間見続けると、ハマっちゃうんですよね。演能の前に「お調べ」というお囃子方の調子合わせ(?)の音が聞こえてくるだけで、わけもなくぞくぞくっとするんです。もちろん歌舞伎にもそれはあるけれど、能の場合とはちょっと違っているような。どう言ったらいいのか「神聖な太古の調べに体内リズムが同調している」という感じ?

実際に出向いて行って、自分の身体で確認するしかないのですが。こっこさんが推奨されるように、4、5回「耐える」と、自分の中のリズムが能のそれとシンクロするようになるのが不思議。おそらくこれは老若男女問わないと思う。