yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『恋の弥太郎懺悔』伍代孝雄劇団@新開地劇場10月17日夜の部

伍代孝雄劇団をみるのはずいぶん久しぶり。2011年1月の朝日劇場以来である。その前年の10月に新開地劇場で初めてみたのだが、お芝居の上手い劇団だと感心した。何回か通った。そのときはまだ伍代一也さんが在籍、三河家諒さんも客演でとても充実した舞台をみせてくれた。その後一也さんが辞められたので、自然と足が遠のいた。上手い役者さんだったので、辞められたのが非常に残念だった。

孝雄さんが今月で劇団を閉じられるということで、23日にファイナル公演がある。都若丸さんが参加ということで観たかった。無理だろうと諦めていたけど、諦めないで良かった!劇場売店で夜の部の指定席券が1枚入手できた。二階席だけど仕方がない。

この日の演目は『恋の弥太郎懺悔』。初めて見る芝居である。座長が弥太郎、瑞穂さんが卯の助、諒さんが鳥追い女のお雪だった(名前が間違っている可能性あり)。

弥太郎と弟分の卯の助は対立するヤクザの親分を殺したため、旅をかけている。弥太郎の妻は弥太郎の帰りを一日千秋の思いで待っている。弥太郎の留守を良いことに、熊ん蜂の八(信之)は弥太郎の妻(てまり)に言い寄っている。そこへ卯の助が帰ってきた。弥太郎の妻を八から救い出した卯の助、弥太郎が旅先の出入りで亡くなったと伝える。やくざ渡世に嫌気がさし故郷に帰って百姓になるという卯の助に、弥太郎の妻は、「お腹には弥太郎の子がいるので、その場にはいたくない。一緒に連れて行ってくれ」と言う。

二人が去ったあとに、弥太郎が帰ってきた(死んだはずの弥太郎がなぜ生きていたのか、ちょっと唐突な感があった。もともとはここに何かのリーズニングが入ったのだろうけど、時間の関係で端折ったのだと思う)。八から妻と子分の卯の助が二人で逃げたと聴き、二人のあとを追う。

弥太郎を慕う鳥追い女のお雪が弥太郎をとめる。旅をかけている間に知り合い、深い仲になっていた。「間男成敗」に出る弥太郎は、お雪をなんとか撒きたいのだが、どこまでもついてくるお雪に手を焼いている。

卯の助は百姓になり、弥太郎の妻と生まれた子の面倒をみている。土地のやくざの親分(秋月)は卯の助が元やくざで腕がたつと推測、一家に引込みたいと考えている。そこで一計を案じるが、それは卯の助を博打に誘い込み大損させ、その「借金」を払わせるという名目で一家に引込むというものだった。博打に卯の助に誘い込む役に旅人を探していたが、そこへ二人を探して弥太郎がやって来る。話を聴いた弥太郎、二人が追っている妻と子分と分かり、その話を引き受ける。

二人が住んでいる小屋の前で二人の話を立ち聞きした弥太郎。自分が勘違いをしていたことに気づき、なんとか二人を土地のやくざから逃したいと思うようになる。弥太郎が卯の助に話をつけたかどうか確認に来たやくざの一家と立ち回りになり、そのドサクサの中で、二人を逃そうとする弥太郎。二人はそれが弥太郎と気づき、逃げるのをためらう。それを無理に逃してやる弥太郎。

一人になった弥太郎の前にお雪が現れ、弥太郎も彼女がついてくるのを赦す。

やっぱり芝居の上手いのは変っていなかった。沢田ひろしさんが参加、私の知らない若手も増えて、劇団としても充実してきているので、孝雄さんがこれで辞めてしまうのは残念。

舞踊は座長とつかささんの袴姿での相舞踊、「名月赤城山」(!)が凛々しさ全開で良かった。そういえば、この日のお芝居にぴったりと合っていた。