yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

週間ダイアモンド「アメリカで今、失業するということ」by 長野美穂

電子版のこのレボート、9月30日の記事である。6ページにわたって、リストラに合った人たちのいくつかのケースの実態が浮かび上がってきて、そのリアリティにことばが詰まる。

米国経済の抱える問題として、失業率の高止まりがあるのは、よく知られていることだ。だが、実際に一般の人びとがどういう状況に置かれているかは、日本では見えてこない。現実は、おそらく多くの日本人の想像をはるかに超えて厳しい。現地からのレポートをお送りする。(取材・文/ジャーナリスト 長野美穂)

この取材はオバマ大統領の「雇用喪失」を約束した演説の直後に行われたという。演説は私がアメリカ滞在中の9月2日のことでブログ記事にもした)、「大統領の演説内容に実がない」というCNBC のキャスターたちの非難のことばが甦ってきた。アメリカが今までにないほど厳しい状況にあることは、このダイアモンドの記事に描かれている人たちの状況からもよみとれる。

アメリカ企業では、平社員であろうがディレクター(重役)級の幹部であろうが、ある日突然リストラされることが常態である。わたしの知り合いも何十年も勤め幹部級だったアメリカ最大手の製薬会社を首になった。たった一ヶ月の猶予期間を与えられただけで、それまで馴染んできた職場を去るというのは、屈辱以外の何ものでもない。それもはっきりとした理由があればまだしも、ほとんどの場合はかなり恣意的なものなのだ。日本では考えられない。

今手許にはないのだが(おそらく勤務先)、数年前にアメリカのアマゾンからある大企業の副社長がリストラにあい、その後の食探しで苦労している様子をこと細かく書いた本を手に入れた。履歴書を伝手を頼ったり、ネットで調べたりして何十社と送って、そのすべてが次から次へと虚しく帰ってくる様が綴られていて、読んでいるだけでも何とも形容しがたい辛さだった。これが日本にも起きる可能性があると思って、教材に使わせてもらおうかと考えたのだけれど、日本ではは起きそうもないこと(その極端な違いが日本の「問題」でもあるのだけれど)が分かって、使うのはやめた。

その本が書かれた年(たぶん2004年だったと記憶している)からすでに7年余り経過しているが、アメリカ経済はその間にリーマンショックがあって、より悪くなっている。もちろん日本の状況はそれ以上に悪い。ひとつ違うのは日本が「ゆで蛙」状態があまりにも長く続いたのでかなり感覚が鈍麻しているのに対して、アメリカでは声高に「なんとかしろ」と叫ぶ声があちこちであがっていることである。ここ2、3日報道されているNY のウォール・ストリートなどでの「職よこせ」のデモもその一つだろう。