yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

スーパーオペラレッスン :バーバラ・ボニーに学ぶ歌の心

今朝はとてもいいスタートがきれた。というのも早朝5時35分からNHK教育チャンネルで再放送していた
「スーパーオペラレッスン: バーバラ・ボニーに学ぶ歌の心』(https://www.nhkbook.co.jp/shop/main.jsptrxID=C5010101&webCode=69107612010)を偶然視聴できたから。ただし、途中からだったので、残念だった。毎週金曜日の放送なので、今後は見逃さないようにしたい。このシリーズでは以前元英国のロイヤルバレエのプリマだった吉田都さんのバレーレッスンを収録したものを観たが、それも忘れられないくらい感動的だった。これは以前にブログに書いた。

今朝観たのはスイスのヴェルビエ音楽祭での声楽ワークショップの様子を収録したもので、世界的な歌手バーバラ・ボニーが6人の生徒を特訓したものだった。使われた作品はプッチーニのオペラ、『ラ・ボエーム』で、前半はロドルフォのアリア、「冷たい手を」とミミのアリア、「私の名はミミ」に集中してレッスンが行われた。吉田さんのレッスンとの違いは、観客がいたことである。「オペラは歌曲であると同時に芝居だから観客を想定して歌う」という姿勢が明確に打ち出されていて、まずこれに感心した。そうなんですよ、観客を前にして歌わないと「劇」とはいえないですもの。

観客たちも目の前で演じられるオペラに積極的に関わって反応し、また意見も言っていたので、これにも驚いた。でもその臨場感がありありと伝わってきて、歌曲が生き生きと立ち上がってきていた。私たち視聴者も観客の一人となって参加した気分になり、とにかく楽しかった。

バーバラ・ボニーさんがいかに優れた「教師」であるかがよく分かった。稽古をつけた生徒たちにもう一度同じシーンを演じさせ、それを観ながら彼女自身が泣いている!場面は本当に感動的だった。また、最後の生徒たちへのことば、「輝いていなさい、ピンクの泡に包まれていなさい!」は彼女ならではのステキな励まし、助言だった。

ネットで彼女の履歴を調べたところ、アメリカのニュージャージー州の生まれで、音楽教育をザルツブルグで受けたようである。以下は梶本音楽事務所のHPに載っていた彼女のプロフィールである。

「バーバラ・ボニーは世界で最も優れたリリック・ソプラノ歌手の一人である。リート歌手としては同世代のトップを走り、モーツァルトやシュトラウスのオペラのはまり役を世界各地で演じている。その輝かしい声質、万人を虜にする暖かい人柄、バロックから20世紀音楽まで広いレパートリーのどのようなスタイルにも対応できる柔軟性が称賛を集めている。ボニーの芸術の幅広さと優れた解釈の才能は、彼女の活動の土台である歌曲のリサイタルの考え抜かれたプログラミングに端的に現れている。シューベルトやヴォルフのおなじみの歌曲とともに、例えばメンデルスゾーンやクララ・シューマン、ブリテン、ツェムリンスキーらによるあまり聞かれることのない歌曲も取り上げる。こうした関心は、メジャー・レーベル各社、ロンドン/デッカ、ドイツ・グラモフォン、テルデック、エンジェル/EMI、フィリップスなどへの70を越す録音にもよく示されている。
  ボニーが何よりも歌曲のリサイタルを好むのは、その親密で直接的な世界が、聴衆と触れあい、音楽的感興をたっぷりと味わってもらう絶好の機会だからである。また、彼女は自分が元気で演奏活動を続けている間に、次の世代に歌曲作品とリサイタルの様式を伝えたいと熱心に考え、若い歌手育成のためマスタークラスをたびたび開いている。」

世界の音楽家監督、指揮者から嘱望されるトップ歌手だということである。でもこの番組から分かったのは、なによりも彼女が温かい、パワフルな、抗いがたく魅力的な人だということである。

来週の金曜日が楽しみである。