2021年の新年を迎えるにあたり、今までの年初めとはちがった感慨を持つ。もちろんこの原因は一年あまりにわたるコロナ禍。一体いつ終焉するのか、混沌とした中で観劇どころではないのかもしれない。でも実際の舞台を見ることで、人の免疫力は確実に上がる。自分自身でそれは体験済みである。だから、興行を途絶えさせるのだけは、何としても防いで欲しい。切に祈る。
元旦恒例の京都観世会館の謡初式はオンライン開催となった。いささか失望したけれど、致し方ない。パソコン前に座って、「観劇」します。1月の京都観世会例会は普通通り開催。『翁』が九郎右衛門師シテなので、楽しみである。京都観世会あげての錚々たる面々の演者達、期待感が膨らむ。
11日は「片山定期能」で、これも楽しみにしている。分林道治師シテの『絵馬』がかかる。また林宗一郎師主催の「KYOTO de petit能」の第二回公演も楽しみである。
ちょっと異色のものでは滋賀で開催される「源平芸能絵巻「赤と白と」時代を彩った其々の人間模様」というのも魅力的である。片山九郎右衛門師の「橋弁慶」もある。お囃子では「ナニワノヲト 能楽囃子コンサート ヲトのたね 日本の音を楽しむ会」なんてのもあって、参加を思案中。
シネマ歌舞伎に関してはさほどめぼしい演目がないのが残念。弥次喜多の最新版がシネマ版で放映されるのに期待するしかない。
3日から始まる国立文楽劇場での文楽公演は、第一部、第二部、第三部とも全て観劇する予定。この演目、すごいですよ。おそらく見逃せば、終生後悔するレベル。というわけで、もちろん見ます.
シネマオペラ・バレエはヨーロッパでの公演自体がないので、シネマ版も放映されず。METもしかり。非常に残念ではあるけれど、仕方ない。
エンターテインメント業界自体が非常に冷や飯を食わされている状況。こんなんでいいのでしょうか。芸能をおろそかにすると、強烈なしっぺ返しが来ますよ。人の心の拠り所になっているのが芸能です。それへのサポートがないならば、日本は終わっています。暗い想いに塞がれる今日この頃です