yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ジャンルを超えた吹奏楽器の共演「題名のない音楽会」 2019年11月2日(土)放送内容

興味深かったので録画しておいた。以下がテレビ朝日の公式サイトからの情報。

令和元年に放送55周年を迎えた「題名のない音楽会」。記念して行われたスペシャルコンサートの3回目の今回は令和のキーワードでもある「グローバルな日本」をテーマに国内外で人気の高い楽曲を特集。これからの日本文化を担う、世界で活躍している若手アーティストが一堂に会し演奏しました。
演奏:山田和樹、林英哲、英哲風雲の会、藤原道山、一噌幸弘、上妻宏光、LEO(今野玲央) ほか。

出演者を一覧しただけで、かなり過激なコラボだったのが推測できるだろう。以下がその主たる出演者たち。

上妻 宏光  あがつま ひろみつ /津軽三味線

茨城県出身。幼少の頃より数々の津軽三味線大会で優勝する。ジャンルを超えた国内外アーティストとのセッションは各方面から注目を集め、世界30ヵ国以上で公演を行う。「TOKYO2020公式夕食会」、「第5回アフリカ開発会議公式首脳晩餐会」など日本を代表して演奏を披露。伝統をふまえつつ時代に応じた感性を加え、津軽三味線の“伝統と革新”を追求し続けている。

一噌 幸弘  いっそう ゆきひろ /能管

能楽一噌流笛方、故一噌幸政の長男。笛演奏家、作曲家。能管、篠笛、田楽笛、リコーダー、角笛など演奏、国内外のジャンルを超えた様々なアーティストと共演、自作曲の提供。2011年読売日本交響楽団との共演で第24回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門コンサート・パフォーマンス受賞。第2回「創造する伝統賞」受賞。重要無形文化財総合指定保持者

 

林 英哲  はやし えいてつ /太鼓

11年間のグループ活動後、1982年太鼓独奏者として活動を開始。1984年に和太鼓ソリストとして初のカーネギー・ホールにデビュー、国際的に高い評価を得た。2000年ドイツ・ワルトビューネでベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演、2万人を超える聴衆を圧倒させた。世界のアーティストやオーケストラと共演しながら、日本から世界に向けて発信する新しい「太鼓音楽」の創造に取り組み、国内外でますます活躍のフィールドを広げている。

英哲風雲の会  えいてつふううんのかい /太鼓

日本や世界で活躍する若手太鼓奏者の中から、林英哲の音楽に共鳴する実力者が揃う太鼓ユニット。1995年、林英哲作曲の大太鼓合奏曲『七星』の演奏のために結成。その後、林英哲コンサートアンサンブルメンバーとして活躍するほか、独自の演奏活動も行う、いずれも次代を担う俊英たちである。今回出演するのは、上田秀一郎、はせみきた、田代誠、辻祐の4名。

 

藤原 道山  ふじわら どうざん /尺八

初代山本邦山に師事。東京藝術大学卒業、大学院音楽研究科修了。CD、映像作品等多数リリース。伝統音楽の演奏活動及び研究を積極的に行うと共に、さまざまなアーティストとの共演、映画音楽、舞台音楽、音楽監修など手がける。「題名のない音楽会」2017年“アーク・ノヴァから生まれる音楽会”、2018年“ジャンルを超えた仲間達の音楽会”に出演。中学音楽教科書「中学校の器楽」(教育芸術社)編集協力及び出演。東京藝術大学講師ほか後進の育成にも力を注ぐ。

 

LEO(今野玲央) れお こんの れお /箏

1998年横浜生まれ。インターナショナルスクールの授業にて9歳で箏と出会い、14歳で第30回全国小・中学生箏曲コンクールグランプリ、16歳で第20回くまもと全国邦楽コンクール最優秀賞・文部科学大臣賞を史上最年少で受賞。2017年メジャーデビュー。最新作は、鮮烈で美しいカバー作品集『玲央 RE BORN』。現在、沢井箏曲院講師。東京藝術大学音楽学部在学中。

これほど実力のある西洋・東洋音楽のプロたちが一堂に会すのはそうないだろう。これが最初で最後になるかもしれない。啓蒙的であると同時に、どこか違和感のある演奏会だった。面白くはあったのですけどね。

私が興味があったのは、最も古い吹奏楽器である能管がこのように「自己主要」しうるのかということ。もちろんそれなりの形にはなっていたけれど、どこか「No.2」的な印象がぬぐいきれない。あの太鼓のあまりにも「確かな」音に抗して行くには、特別な措置が必要ということなのかも。

そういえば、一噌幸弘氏の演奏は昨年ロンドンで聴いている。記事にしている。

www.yoshiepen.net

その時の印象があまり良くなかった。「傲慢な」印象だった。ロンドン大教員の方々と一緒にいるところに彼とすれ違ったのだけれど、私たちが会釈しているのに、完全に無視。「haughty」の典型。人格は自ずと演奏(芸)ににじみ出る。そういう目で見ると、この他ジャンルの演奏者とのコラボは、どこか無理に頑張っている感が拭えなかった。他の演奏者の方がずっと自然体に見えた。 演技・演奏はどのジャンルであれ、演者の人格、品性がいやでも出てくる。「傲慢」が最もよくないように思う。一昨年亡くなられた能管の藤田六郎兵衛さん、人格が素晴らしい方だったのが、その演奏にはっきりと出ていた。