yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

春陽座@新開地劇場 6月27日昼 喜劇も魅せます

勤務先から駆けつけたので、お芝居の途中からでした。お芝居の題が分かりません。喜劇で、主役は当日当番のまことさんでした。バカ殿役のオモシロ顔メークのかずまさんが大活躍でした。

女装した吉五郎(まことさん)は、母親と旅途中にかどわかされた娘(みさとさん)を助け出そうと、代官の畠大全(かずまさん)のところに乗り込んでいる。大全は吉五郎の美しさにだまされ、すっかり懐柔されている。が、吉五郎は途中で本性を顕し、娘を助け出す。大全には「自分こそがお尋ね者のオランダ吉五郎だ」と言い残して。大股で帰ってゆく吉五郎に向かい大全、ひとこと。「女のかっこうなんだから女らしくして帰ってゆけ」

ここで大全の踊り(!)が入る。挙句の果てにひっくり返って立てない。ここ本当にオカシカッタ。こういう喜劇、かずまさん、ぴったり!

家臣たちに「何かいい知恵はないのか」と聞く。一人が、母親が重病でまとまった金が入り用になっている早縄の銀次」こと目明かしの銀次(心さん)に頼めばいいというので、銀次が呼び出される。ここで登場した心さん、舞台前まで進んできてお客さんににっこりと見得を切ってのご挨拶。それをみたかずまさん、「自分だけいいかっこうをして!自分はこんな(変な)役をやらされているのに」と文句のひとこと。「座長なんだから舞台の前に出てくるのは許せるけど、なんでそこで見得を切るの」と。「ファンサービスだ」と、座長。ここでお客さんから拍手。大全、銀次に50両で吉五郎をお縄にする仕事を引き受けるように持ちかけ、前金として25両出す。銀次は「吉報を待ってください」といって、吉五郎を捕えようと出て行く。

吉五郎が助けた娘おみつが盲目の母と茶店にいる。その場にいた吉五郎に、母は娘を助けてもらった礼を言う。母は長崎の出島から旅にやってきた理由を説明する。幼い時分に神隠しにあった息子を探しているのだという。吉五郎は自分も探すのに協力するが、その息子になにか目印がないのかと尋ねる。母は息子には幼い頃についた包丁傷が左耳の下にあるはずだという。それを聞いた吉五郎、左耳下を触って、歌舞伎風「思い入れ」。しかし母には、「ここにまとまった金がある。この金もって早く出島にお帰りなさい」という。母はそこではっとする。吉五郎に向かって、「お前は吉五郎じゃないのか」と詰め寄る。そしておみつに吉五郎の左耳下をあらためるようにいう。よける吉五郎。しかしおみつは傷を確認する。「傷があった」と叫ぶおみつ、吉五郎のところにいざり寄ろうとする母。二人に吉五郎は、「これは傷なんかじゃありゃしない。鬢のほつれだよ」という。「俺はお尋ね者だ。もし俺が兄貴だなんて分かったら嫁入り前の娘に傷がつく。この杖もって、出島にお帰んなさい」といって母に杖を渡す。

もちろんまことさんの演技もよかったのですが、母役の真緒さんがなんといっても光っていました。気のゆるみはみじんもありませんでした。しかも息子と分かっても、息子の理不尽な言い訳を涙ながらに受け入れるさま、大衆演劇にありがちなクサイ芝居ではなく、リアルで説得力のある演技でした。

「詫びは冥土でする」とつぶやきながら、二人を見送る吉五郎。そこへ顛末を陰で聞いていた銀次が出てくる。「仔細は聞かせてもらった。お前に縄をうちに来た」という。その銀次に吉五郎は、「つくづくやくざがいやになった。縄うっておくんなさい」と手を差し出す。吉五郎の顔をみてはっとする銀次。吉五郎に向い、「あっちでござんす、お忘れですかい。5年前に両親と旅の途中で病に倒れたおやじを助けてくれたのは、たしかにあなたでした」という。驚く吉五郎。銀次に、「それじゃ、あの時の旅をしていた三人づれですかい。それで両親はいかがしておいでですかい」と尋ねる。銀次は、親父はすでに亡くなった、そして今お袋が重い病で、その薬代欲しさに大全からこの仕事を請け負ったのだとという。そして、「狙ったのが恩のあるお前だったとは」と嘆く。吉五郎にこの場は自分がなんとかするから、早く逃げるようにという。しかし吉五郎は自分に縄をうち、トキ声をあげるように説得する。「オランダ吉五郎、目明かし銀次が召し捕った」と叫ぶ銀次。その声を聞きつけた大全とその家臣がやってくる。残りの25両を銀次に渡す。ところが大全が吉五郎の縄を持つと、縄がほどけてしまう。怒った大全と家臣たち、銀次と一戦を交えるが負けてしまう。歌舞伎の見得をきめる大全=かずまさんがオカシカッタ。観客に向かって、「わしが悪いと思う人拍手」と問いかけると、客席から力強い拍手。がっかりの大全=かずまさん。次は銀次をやりたいといいながら引っ込む。

二人きりになった吉五郎と銀次。吉五郎は「本縄をうってくだされ」というが、銀次は「早くお袋さまたちをおいかけなせえ」と断る。喜んで厚意をうけとる銀次。「おかあ、待ってろ」と母と妹の後を追いかけるところで、幕。

第3部舞踊ショーで光っていたのは「浮世つれづれ女舞」を踊った、かなさんとみさとさんでした。斬新な出立ち、ちょっとセクシーな、そして躍動感のある踊りを披露されました。それにしても佐々木希さん似の美女ふたり、目の保養になります。