yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

春陽座@新開地劇場 6月29日昼千秋楽

まずうれしいニュースから。春陽座、来年も新開地劇場に乗ることが決まったそうです。思わず手をたたいてしまいました。森本新開地劇場オーナーの見識にカンパイ!芝居の質の観点からは今までみてきた中ではナンバーワンです。大衆演劇のおかれている厳しい条件の中で、ここまでのものをみせてもらえるのですから、観客は幸運です。来年は今年とはまったく違う芝居の演目をもって、舞台をつとめられるそうです。ずーっと心に食い入り、残るそういうお芝居を観たいという方はぜひ足をお運びください。ショーも毎回工夫が凝らされ、グレードアップされていました。だからショーが「本命」という方にも満足してもらえると思います。

不思議な劇団で、一見地味なようでいて、実は過激な劇団です。「芝居の春陽座」といわれるように手堅いお芝居をしているようで、さまざまな挑戦をしながら、走り続けている劇団です。芸達者の役者さんをここまでそろえているところは他にはありません。その上、練習を積み重ねておられるのが、その完成度の高い舞台からいやというほど伝わってきます。芝居に関しては恐ろしいほどストイックですね。京弥さんを除いて、みなさんお酒は飲まれないとのことで、酒に溺れて稽古に支障をきたすということがないのでしょうね。毎晩飲んでる私もお酒はやめて生産性をあげなくてはと、思わされました。

お芝居は『槍供養下郎首』。かずまさん主演でした。

千秋楽なので「笑ってお別れする」、つまり喜劇にすることも考えられたそうですが、実際には本格的なお芝居になったとのことです。観甲斐が百パーセント以上でした。不条理劇であまりにも救いがないので、最後をハッピーエンドにしたのだと、新吾さんの口上です。お芝居としてのリーズニングからは不条理劇の方が理にかなっていますが、でもこの世情の厳しさから鑑みると、やっぱりこういうエンディングでよかったと個人的には思います。

主演のかずまさん、文字通り身体をはっての名演技でした。忠実だけど少し抜け気味の奴を演じられたのですが、最期の姿にただ涙、涙でした。

昨日のお芝居主演の心さんに感動しました(稿を改めて詳述するつもりです)が、今日も心さんの名演技に感動です。とても知的な演技であると同時に、繊細な内面の窺える演技でもあります。

沢田ひろしさんは今日は端役の奴でしたが、それでも存在感は抜群でした。この方については別にオマージュを書きたいと考えています。私の手には余る大きな方ですので、満足の行く記事にはならないかもしれませんが。

澤村新吾さん、どこをどう切りとっても芝居の鬼のような方で、私など大衆演劇を見始めてまだ2年余りの人間にとっては、その存在自体生き字引です。

大衆演劇界にこれだけの質を持つ役者を擁する幸運を思います。