yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

アメリカの大学での「文化活動」

ハーバード大学の研究員をしている田村耕太郎さんの tweet に「ボストン・シンフォニー堪能。大学会員なので年間20ドルで聞き放題。リーマンショックまではタダだったという噂。それにしても贅沢な話だ。富裕層の富の循環が学問や芸術を支えている」というのがあった。

これで、ハーバード大のあるケンブリッジの名物劇場、The American Repertory Theater の観客のほとんどが、大学関係者だった理由が分かった。大学関係者は割引入場料で観ていたのだろう。わたしのような一般客でもそう高くはない入場料だったと記憶している。劇場を大学当局のみならずケンブリッジの町全体で運営していっているので、大学関係者以外にもその恩典は及んでいたのだろう。すばらしい舞台をブロードウエイよりも低料金で観劇できるのはありがたかった。

コンサートも然り。でもこれはハーバード大のみに通用する話なのかもしれない。現に私のいたペンシルバニア大ではここまでの潤沢なサポートはなかった。大学付属のAnnenberg Center で演劇、コンサートのチケットを入手する場合、多少のディスカウントはあったものの「年間20ドル」の会費で聴き放題なんてことはなかった。大学自体が金持ちなので、潤沢な援助資金があるのだろう。それはハーバードで学会やら研究会がある度に思い知らされたけれど。

でも一般的にいって、日本ではいわゆる文化活動への『資金援助」はほとんどないのではないだろうか。東大でも。そういう「文化」に、政府自体価値を置いていないから。

日本にいて困るのは「文化」活動にお金がかかることである。これを自腹を切ってやるとなると、かなりの負担になる。アメリカは「生産性」を給料の規準にする傾向があるから、大学教員の給料は日本のそれよりも低い位である。でもかなり贅沢な文化活動が可能なのである。それはこのようなサポート体制が採られているからなのはまちがいない。「それに引き換え日本は」と、つい愚痴りたくなる。