荷物がプラハ国際空港に届いていなくて、昨日到着してからさきほどまでは着の身着のままでまる2日間を過ごした。ホテルのビジネスセンターにあるコンピュータは英語ですら認識しなくて画面が完全に文字化けで、ールもまともにうてず本当に困った。今日9時過ぎにやっと待っていた荷物が届いたけど、伊丹から成田まで使った全日空に腹をたてている。プラハまでの便にしていなかったのだ。それに比べると、スカンジナビア航空、そしてコペンハーゲンからの乗り継ぎのルフトハンザの子会社はとても対応がよかった。
荷物がなくていちばん困ったのは、ポール・シュレーダー監督の映画、『MISHIMA』を使えなかったことだった。私が使う予定にしていたのは監督のコメンタリーの部分で、そこに多くのヒントが語られていたから。私の次の発表者がYoutubeで映画本体の最初の10分を映してくれたので、何もないよりは大分ましではあったけど。やっぱり残念。
もう一人の発表者はたまたま今度の学会の責任者のひとりで、映画が専門のイギリス人女性学者だった。彼女は韓国の非常にセンセーショナルな映画を使った。去年もそうだったけど、一緒に発表する人が素晴らしい映画を紹介してくれると、他の学会ではありえなかったラポートが開場全体に引起されるように思う。ある種の化学反応なんだろう。
『MISHIMA』自体は傑作ではないのだが、三島の存在自体がスキャンダラスなので、映像の虚構化の枠をはみ出てしまうから、そこにいる人が参加するようにいやでも仕向けるのだ。
この学会はとてもフレンドリーな雰囲気で、質問時間も充分すぎるくらいあるので、フィードバックが非常に良い。その点では今までに出た日本のも含む学会の中で、最もプロダクティブである(だろう)。しかも今回の分は電子出版されるので、その点でも生産性が高い。
明日はセッション・チェアなのでちょっと気が重いけど、なんとか楽しみたいと願っている。