お芝居は『清次三十両の命』でした。
江戸から川崎にやって来た旅人の清次(座長)、梅郭という遊郭の前でかって浅草でいたころの幼なじみ、お露(諒さん)に再会する。お露は清次にとっては忘れられない「恩人」である。というのも、家が貧しくて祭りの半纏を調達できなかった子供の清次に、自分の半纏を譲ってくれたからだ。お露に郭から足を洗うように勧める清次。しかし、お露は借金の三十両を返さなくては足抜けできないと知る。その三十両を調達してくると言い残して、清次は土地の親分、音衛門(はじめさん)に掛け合いに行く。
音衛門に自分を三十両で買ってくれと頼む清次に音衛門はその理由を聴く。清次が郭から女郎を身請けするのに三十両が必要だと話すと、音衛門は金は出すが、条件があるという。それは一家の代貸しでいまや女にうつつを抜かし、さんざん好き勝手をして親分を困らせている島蔵(一也さん)を殺すというものだった。引き受ける清次。
三十両を手にした清次は郭へやってきて、その場にいた島蔵を音衛門との約束通り、殺そうとする。そこに止めに入ったのはお露だった。島蔵が入れ込んでいた相手というのは、実はお露だったことが分かる。島蔵はお露と夫婦になる約束をしていると知った清次は二人を逃がしてやることにする。
遊郭の前では親分とその手下たちが清次の首尾を見届けるため待ち構えていた。そこへ手に手をとって飛び出してきたお露と島蔵。二人は親分の手下に取り押さえられる。そこへ清次も出てきて、音衛門に二人を許してやってくれと頼むが断られる。怒った清次は音衛門、その子分たちと剣を交える。だれもが手傷を負ってしまうが、それで親分と清次は和解する。親分は二人を逃がすことを受け入れる。
島蔵とお露が手に手をとって浅草へ帰ってゆくのを清次はいつまでも見送っている。
なんということのない話ですし、ちょっと間違えれば清次があまりにもご都合主義で、ナイーヴだと評定してしまいがちです。それを救っているのが、座長、諒さん、一也さんの三つ巴の演技です。座長は芝居途中で諒さんを客席にひっぱりこんで「あの男(一也さん)でほんとうにいいのか」と、しつこく念を押していました。もちろん笑いを取る箇所なのですが、諒さん、かなり困っておられました。座長の再三の質問には最後にとうとう、「はい、芝居の中ですから」と答えておられました。おかしかった。
おかしかったといえば、売れない女郎をやったつかさちゃんのオモシロメーク、最高でした。カワイかった!
舞踊はアナウンスで分かった曲目だけ書きます。
<1部舞踊ショー>
群舞 ?
諒 酔って候 諒さんの酔っぱらいぶり、芸が細かかった!
瑞穂 裏道の花 白い着物に黒い竹の模様。姿が最高。
つかさ ? とにかくかわいかった!
一也 花の三度笠
座長 流れ星
<3部舞踊ショー>
群舞 ?
座長 昭和残照 しぶい深緑の着物
恵介 黒田節 袴踊り。お上手でした。
座長 歌 ? 黄土色の着物
瑞穂/美明 炎 「燃えろ、燃えろ」と聞けば、つい「翔炎!」と叫んでしまいそうになります。
信之 海神太鼓
一也 おしず これ優雅、かつ可憐でした!一也さんの女形の面目躍如!
諒 歌 珍島物語
瑞穂 ナイトクラブ 黄金のヒョウ柄着物に上は銀色の上着を羽織って
美明 鞍馬の火祭り この衣装も金で、あとでぶっかえって凝った刺繍入りの金の着物
座長 風の盆恋歌 白地に黒い墨色の模様の着物。これはすごかった!感激して泣いてしまい ました。
一也 花の勧進帳
諒 夢しずく 淡いピンクのお着物。おきれいでした。
はじめ ?
ラストショー ? 背景の金屏風がゴージャスでした。