書類をAcrobat Readerで読み込みPDFファイルにしたのに検索がかけられず、なんのための自炊だったのかと落ち込んでいました。やっと以前にもお世話になったブログでその解決法が見つかり、上手く行きました。ただ単に、「設定」を検索可能なPDFファイルで保存するようにしておけばよかったのです。早速本を4冊自炊しました。3冊は英語のもの、あとの1冊は日本語の本です。言語に関係なく成功しました。うれしかった!
今まで主として使っていたHPのラップトップのRAMが限界で、そのため自炊用のスキャナー、Scansnapドライバーのインストールに失敗してしまいました。仕方なく、AirMacにドライバーをダウンロードしての自炊です。今日スキャンした英語の本(Female Gaze)はどうしても検索可能にしておきたかったのです。
自分の研究に必要な本は日本かアメリカのアマゾンで買っています。でも家の空間をこれ以上本で埋めたくはないので、どうしようか悩んでいました。 Questia というアメリカの学術図書、論文を閲覧できる商業用サービスを利用しているのですが、それに登録されていない書物は別途購入しなくてはならず、それが案外な数になります。自炊が可能とういことで、これで心置きなく本を買うことができます。ギロチンにかけるのは偲びませんが、仕方ありません。
アメリカでの研究生活と比較すると、こういうストレスは本当に「日本的」だと思ってしまいます。以前にもこのブログに書きましたが、アメリカの大学だと研究に必要な本はほとんどが図書館で入手できるのです。また論文も、文系のものは大学が契約しているProject Muse とか JSTOR といった論文閲覧サービスで閲覧可能です。日本の大学でその不備なサポート体制が問題にならないのは、そこに勤務している教師たちが外の世界をあまりに知らなさ過ぎるか、そこまで研究熱心でないということになるのではないでしょうか。
ノーベル賞をとられた日本人科学者がアメリカの大学で奉職しているところに、豊かになっても研究の最重要な根幹部分へのサポートを欠いている日本の大学の実情が見える気がします。文科省はその少ない予算も今年から削ってきています。アメリカのみならず、中国、韓国といった国にも研究で益々水をあけられるであろう日本が見えてきます。