yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

イギリスの演劇学会へプロポーザル提出

6月にイギリスのCentral Lancashire大学で開催される「Theatre and Performance」という学会にプロポーザルを送った。締め切りを今日だと思っていたら、明日だったことに気づいたけど、早い分にはまあいいか。一日で仕上げるつもりが、結局まる二日かかった。アメリカから帰国した2004年から毎年やっていた海外での学会発表。ここ二年やっていなかったので、「やっと」という感じ。この学会、あとでジャーナルを出版するようではないので、ちょっと不完全燃焼かも。別のジャーナルに発表するしかなさそう。

アカデミックな論文、著書を読むのに、日本にいるととかく不便。大学に所属していても、アメリカの大学のようなわけには行かない。アメリカの大学にいると、大学図書館がありとあらゆる学術機関と提携しているので(もちろん大学が莫大な費用を払っているのだけど)、それらを自由に使えて、困ることはまずなかった。日本の研究者、一体どうしているんだろうと、いつも不思議だった。おそらく、海外の文献をあまり使わないので、事足れりなんだろう。大学教員が文科省のヘンな方針で、昨今のようにやたらと雑事に追い回されるようになれば、今まできちんと研究していた人でも、そういう時間はとれないだろう。ホントに馬鹿げている。

アメリカから帰国してからは、「観念して」アメリカの学術誌を読むことのできるQuestiaという商業ベースの学術機関に入会している。年会費120ドル。アメリカの大学図書館に比べると、登録論文はずっと数は少ないけど、それでもあまり不便は感じない。私は毎日論文とにらめっこしているようなこつこつタイプではないので、これくらいが丁度いい。

このQuestiaでこの学会発表に向けていくつかのターミノロジーで検索をかけ、出てきた論文を集中して読んだ。楽しかった。もっと良かったのは、読んだ論文の一つが、まさに私がここ6年ばかりやってきたことをすべてリンクさせる概念を提供してくれたこと。大衆演劇のお芝居、舞踊、歌舞伎、文楽の新しい潮流、オペラ、バレエ、さらには川上貞奴、池波正太郎(ひいてはアニメまで)等をすべてつなげてくれる概念だった。プロポーザルもそれを中心にしたものにした。使うのは三島由紀夫の『近代能楽集』中の「葵上」。2月は発表に向けての論文を一本仕上げるつもり。

この概念・理論が見つかったことが、うれしい。大きなマップが描けそう。ここ何年ももやもやした霧の中にいた心地だったのが、やっと薄明りがみえてきたよう。