yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

国立新美術館ってどんなところ?

先日「アメリカン・ポップ・アート展」をみるのに、国立新美術館を初めて訪れた。そもそも、こういう美術館がある事自体、まったく知らなかった。2007年に開館したそうで、設計は黒田紀章、ガラス張りのきわめて斬新な外観である。ただ内部は明るすぎて、せっかくの「キミコ・パワーズさんによる解説」の映像が翳んでしまっていた。冷房費もずいぶんかかっているんだろうなと、心配してしまった。

以下がその外観。

内部。カフェテリアを上からみて。

カフェテリアの裏側

フロア

Wikiによるといろいろと問題のある美術館のようである。収蔵品をもたないので、「美術館」(Art Gallery、Museum)とは名付けられず、「Art Center」を英語名にしたとのことである。もともとが、日展等の公募団体の作品を展示するための場として構想されたので、こういう中途半端な形態になってしまった。だから、ここでは公募作品の展示と外国から借り出した美術品の展示と同時にしている。私が訪問したときにも、日美展、全国水墨画展が開かれていた。「アメリカン・ポップ・アート展」に比べると、ほとんど入場者がいなかったようだけど。

「貸し展示場」というのがはじめのコンセプトなので、当初は学芸員を置くことを考えていなかったなんていうのも、あきれてしまった。「外国からの展示物も置くからには、専門家が必要だ」という(当然の)批判を受けて、今は数名の学芸員がいるそうである。

この美術館のサイトに入って、蔵書検索(OPAC)、アートコモンズ ― 展覧会情報検索ができるのが、分った。つまり、ここは美術館というより、情報発信の場としての意味をもたされているのだ。さっそく、アートコモンズにアクセスしてみた。なんと!現在開催されている展覧会がすべて出てくる。たまにみるNHKの「日曜美術館」で主要な美術展情報を得ていたので、こういう一覧は助かる。地域毎に分かれているので、近隣の美術展情報も得られる。とはいえ、やはり東京での美術展の数が他地域をはるかに凌いでいる。数倍である。

その一覧の中で「太田記念美術館」で開かれている「江戸の美男子:若衆・二枚目・伊達男/江戸の美男子 (いけめん) 300人!」展に早速入ってみた。根がミーハーなので。もちろん概要が前面に出てくるのだが、隅の方に「Webcat Plus」(展覧会タイトル等から関連資料を連想検索)なんてのがあった。これはスゴイ!展覧会タイトルから連想される「文献」(お堅いものからマンガのようなものまで)の一覧が書籍の表紙の形で出てくる。たとえば、『江戸の男色 : 上方・江戸の「売色風俗」の盛衰』があるし、『ツイてない! : 悪魔のしもべはサキュバス男子』というマンガ本もあるという具合。

ついでに、先月出かけた「文字の力・書のチカラ ; 書と絵画の対話」展のサイトに入り、概要の隅の「Webcat Plus」をクリックすると、関連書籍の類いがいっぱい出てきた。こちらの方はお堅いものばかりだったけど。

なるほど、こういうところに国立新美術館の存在意義もあるのだ。美術作品の(作品そのものではなく)そしてそれに関連した情報をアーカイブにし、検索可能なネットワークにしているというのは、ある意味今もっとも必要なことなのかもしれない。