yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「菓匠 清閑院」逆瀬川店

逆瀬川駅前にある「菓匠 清閑院」逆瀬川店が1ヶ月ほど前に閉店した。ロケーションはこれ以上望めないほどの立地だったのに。その前にあった店(たしか喫茶店だった)も私たちが引っ越してきた2年前にすでに撤退しかけていた。だから、この後に入る店もよほど戦略を練らないと、撤退する憂き目をみるかもしれない。

阪急今津線沿線でもう一箇所仁川駅のそばだったかにもう一軒あったけれど、あの店もどうなんだろうか。

一度だけ栗をあずきで包んだお菓子を買ったことがある。とてもおいしかった。でも普段は一人だから買い求めるのもせいぜいが二つで、結局足が遠のいてしまった。通勤の行き帰りにどうしても目に入る店内に、人がいるのをあまり見かけなかったので、商売がうまくいっていないと心配していたら、今度の閉店だった。

もっとマーケットリサーチをしっかりした上で店を開けばよかったのにと、残念だ。逆瀬川駅近辺は、私たちが引っ越してきた時にはすでに大型商業ビルのアビアの一つが撤退していた。残っているアピアの他のビルに入っている店舗、特に洋品店がつぎつぎに撤退していっている。なんとか営業を維持しているのはいかり、コーヨーという2軒のスーパー、ヤマダ電機、くすりの量販店、書店といったところだろうか。あのダイソーですら去年撤退した。

原因は少子高齢化だろう。私が毎日通勤に使っているバスの乗客をみれば一目瞭然だ。バスの終点に高校が二つ(宝塚高校、宝塚西高校)あるので、通学時間帯には高校生が多く乗ってくる。ただそれをはずれると、乗客の7割近くが年配者である。終点の一つが有料の老人ホーム(その名もなんと「エデンの園」!)だということもあるだろうけど、地域の住民の平均年齢が高いことは間違いない。

おそらく、年齢層が高くても、あるいは高いから和菓子に商機があると考えての出店だったのだろうが、年配者が必ずしも和菓子を好む訳ではないだろう。どちらかというと高級和菓子という店構えの「清閑院」さんは、そこで計算違いをしたのかもしれない。この地域の住人は年配者でも洋風のものを好むから、洋菓子店の方が生き残った可能性が高いように思う。それに、逆瀬川近辺では洋菓子店が宝塚ホテルの支店だけなので(ここのケーキは神戸のケーキ屋さんよりおいしいわけではない)むしろ洋菓子店には客がついたのではないだろうか。個人的は「つまがり」あたりが入っていてくれたらよかったのになんて思う。

それに同じ今津線でも、甲東園/仁川地域とでは、住人の年齢層がかなり違う。甲東園/仁川は年齢層は逆瀬川より若い。電車の乗降客を観察すればすぐに分かることであるが。今度「阪急電車』という映画がリリースされる(された?)らしいが、そこでもそういうデモグラフ的な視点がとりいれられているのだろうか。スチールだと宮本信子さんが年配女性の役で出演しているようだけど。

閉店になったところに新しく店が入るのはうれしいのだが、その外観をみると将来どうなるかのおよその予想ができるし、たいていはそれが当たってしまう。これはアメリカでもそうだった。失敗するのは、マーケットリサーチをしっかりしていなかったからにつきる。私にでも分かることが予測できないというのは、そういうことだろう。