yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

べらぼうに楽しかった!劇団荒城「あの二人が帰ってくる 弥次喜多 型破り八栗爆裂計画」@篠原演芸場 1月7日夜の部

この趣向というかアイデアは、猿之助・染五郎(現幸四郎)歌舞伎の「あの二人が帰ってきた 東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖」なんですね。歌舞伎版では歌舞伎でかかる常套芝居をパロディにしてコラージュにしていた。荒城版では荒城オリジナル芝居の幾つかを繋いでパロディ化していた。いずれも弥次喜多が狂言回し。猿之助・染五郎の歌舞伎は本舞台を見ていないのだけれど、シネマ歌舞伎版を2018年9月にみて、当ブログ記事にしている。

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あまりに面白かったので再訪した。

こりないで『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(シネマ歌舞伎)再訪@109シネマズ箕面 9月21日 - yoshiepen’s journal

「今までの歌舞伎の舞台、登場人物、そして演出に似ているようでいて、さりげなく外している、このバランスにとびきりの洒落っ気を感じる」と歌舞伎評に書いた。

こちら、荒城版も同質のシャレっ気が充満していた。使った芝居のタイトルを列記した垂れ幕が芝居最後に出たのだけれど、(月太郎さんの口上での勧告?にもかかわらず)スマホのカメラをOnにしていなかったので、撮影できず。無念。

荒城版では弥次を蘭太郎さん、喜多は勘太郎さんという配役だった。私は荒城歴が浅いので、この『弥次喜多』で挙がっていた芝居を実舞台で見たのは多分『狂乱』のみ。『天翔ける蒼き狼』、『清水港は鬼より怖い』、『太陽と月』はDVDで見たのみ。『種子島大作』は残念ながら見ていないし、その他、この中に使われていた芝居は見ていない。でも、元の芝居のレベルの高さと濃さとは伝わってきた。

2日から7日まで10公演見たことになる。芝居だけではなく舞踊ショーもとても充実していた。芝居と同じくレベルが高く、かつ濃い。しかもおしゃれ。大衆演劇界で突出しているだけではなく、歌舞伎、商業演劇と比べても頭抜けて斬新。それでいて古典芸能の良さも兼ね備えている。東京ということもあるのだけれど、それを正しく鑑賞=評価(appreciate)できる観客が多い。しかも年齢層が若い。今までに見てきた劇団の中でもっとも若かった。下品な人もいなくて、とても良い雰囲気。確かに客は劇団の鏡ですね。

嬉しかったのは、真吾座長の舞踊が2回はあったこと。口上も毎回された。今までの場合、勘太郎さんのみがされていたから。また蘭太郎さん、月太郎さんも舞台挨拶をされた。みなさん頭の回転が速く、言葉への感性も鋭いことがよくわかった。真吾座長が口上で、ドバイ、パリから公演の誘いがあるとおっしゃっていた。パリの方は大衆演劇についての講義の依頼だそうである。

ドバイ、パリもいいのだけれど、劇団荒城が関西に乗らないのが腑に落ちない。4月の四日市のユーユー会館ということだけれど、関西圏ではない。興行師の方々、なんとかならないのでしょうか。