yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「夢をかなえるアン・ドゥ・トロワ〜ルグリと目指せバレエの饗宴〜」再放送 NHKeテレ 12月31日

5時に起床。凍えそうに寒いリビング、身体にエンジンをかけるのに、コーヒーを飲む。テレビをつけて、画面に釘付けに。この番組が始まったばかりだった。なんという幸運。

なんと今年の5月の放送。このときの紹介記事は以下。

バレエ界の世界的なスター、マニュエル・ルグリが、日本の若い才能をオーディションで発掘。集中レッスンを施して、バレエの一大イベント「NHKバレエのきょう宴」の舞台を目指します。合格したのは、15歳から18歳の男女8人。コンクール入賞の常連から、まだバレエ歴の浅い生徒までさまざま。厳しいレッスンを通してルグリは、バレエとは何か、踊ることとは何かを、伝えていく。本番の舞台までを追う密着ドキュメント。

【出演】マニュエル・ルグリ,石井日奈子,小川理恵,木村楓音,鳥居ありす,吉江絵璃奈,田野井大登,山仁勇,山本理久,【語り】忽那汐里
楽曲
• 「“ゼンツァーノの花祭り”パ・ド・ドゥから」
ヘルステッド:作曲
(バレエ)木村楓音、(バレエ)山本理久

「“ナポリ”パ・ド・シスから」
パウリ、ヘルステッド:作曲
(バレエ)石井日奈子、(バレエ)小川理恵、(バレエ)鳥居ありす、(バレエ)吉江絵璃奈、(バレエ)田野井大登、(バレエ)山仁勇

そして、以下に6月の再放送の記事。

バレエ界の世界的なスター、マニュエル・ルグリが「未来のエトワール」をオーディションで発掘、合格者にレッスンを施し、NHKバレエの饗宴の舞台でその成果を発表するまでを描いたバレエドキュメンタリー。
5月14日の初回放送終了後から多数のアンコール放送希望を頂きました。 視聴者の皆様からの熱いご要望にお応えし、アンコール放送決定です!
夜深い時間ですが、初回放送を見逃した方はもちろん、もう一度子供たちにエールを送りたい方、ルグリのバレエ愛に触れたい方・・・皆様ぜひご覧下さい。

ルグリの「指導」に感激。上記にあるように「バレエ愛」に満ちている。そして指導する踊り手の卵たちへの愛にも。

まず、第一選考から始まるのだけど、なかなか厳しい。外見をまずみる。そのあとで技術をみる。第二次選考ではソロを踊らせ、芸術的表現力をみる。第一次では発見できなかった、踊り手の個性が出ている。最終選考に残った女性5人、男性3人。彼らをたった4日間の滞在中に手ずから指導する。テクニックのみならず、ときとしてはその心の裡にまで入り込んで、彼らの踊りを分析、批評、指導する。彼の教育者としての一面を見た気がした。それまであまりぱっとしなかったらしい(失礼!)ウィーンバレエを高いレベルに引っ張り上げた彼の力量がわかる場面だった。厳しいながらも、作品への愛が、そしてそれを形にしようとする若い踊り手に寄り添う彼の繊細さが滲み出ていた。

ルグリの指導の仕方に感動したのはもちろん、もっと興味深かったのが選考された8人の一人一人の葛藤。年齢も幅があるので、その中で自然発生的に役割分担ができる。でも互いに支え合い、協力し合うというのは変わらない。大人びた女子たちに比べると、年齢に関係なくどこか幼さが残る男子たち。特に理久君の奮闘ぶりが感動もの。相手をする楓音さんも頑張っている。

本番のNHKホール公演を終えたあと、それぞれがそれぞれの思いで満たされていたよう。でもやり切った感はきっとあったはず。未来のプリンシパルがこの中からきっと出てくるだろう。ルグリもその予感を感じていた様子だった。

そういえば、こういう番組を以前に見ていた。パリ・オペラ座バレエ学校の子供達の奮闘ぶり、成長ぶりを扱ったドキュメンタリー、「エトワールを目指して」だった。若い人が色々な葛藤を抱えながらも成長してゆく姿は、国境を超えて常に感動的である。

ルグリの名を初めて耳にしたのが2012年1月の「ウィーン・フィル ニューイヤコンサート2012」のEテレでの放映でだった。当ブログ記事にしている。この振り付けに感激。で、同年の5月に来日したウィーン国立バレエ団、ルグリ振り付けの『こうもり』の公演を芸文センターに観に出かけた。このときはルグリも中で踊っていた。主人公夫婦の友人、ウルリヒ役だった。ちょっと滑稽な役回りで、躍動的な踊りを魅せてくれた。背がそんなに高くなく(背の高い男性ダンサーの中でという意味ですが)、筋肉質の体型。高く跳躍する姿が目に焼き付いている。もう今は振り付けのみなのだろうか。ヨーロッパのバレエのレベルの高さに圧倒された。

この後彼の出身のパリ・オペラ座バレエの来日公演、『天井桟敷の人々』を見ることになる。「世界一」という評価に違わない凄さだった。彼がエトワールとして鳴らしたパリ・オペラ座バレエ。今最も見たいもの。日本ででもいいけど、できればご当地パリで。